もしも英語が使えたら「ドーン、バーン!」とは言わないだろう。
今から20年ほど前の話。
小学校5年生の頃、初めてハワイに行った。
その頃のハワイはまだ全然未開拓で、
野菜は水分が全然なくて、人参はパリパリで美味しくないし、
ラーメン屋さんなんてなく、
有名な鉄板焼きの「田中オブ東京」もこじんまりとした店だった。
家族の誰が英語を話せるわけでもなかったが、ハワイなら大丈夫だろう。
ということで行ったんだと思う。
事件はABCストアにて。
ABCストアとは、ハワイのコンビニみたいなもので
飲み物や食べ物からお土産まで売っている。
ダイヤモンドヘットに登る日の朝、飲み物を買いにABCストアに行ったときのこと。
ジュースを選び、店内をぶらぶらしていると、どこからか
「ブシャーッ」
という音がした。
行ってみると、腕いっぱいにペットボトルを持った母の手から、
ペットボトルが落ちて、キャップが外れてしまったみたいだった。
(日本ではありえないけれど、海外のペットボトルって結構いい加減なのです。)
驚いて様子を見に来た店員に
慌てて、焦る母が一言。
「ドーン、バーン!」
~手で下に落ちて、破裂した。というジェスチャーを添えて~
何してるんや。と変な目で母を見る僕だったが、
店員はそれで状況を把握し、
「オーゥ、&%$jcn@!」
といい、多分「気にせんといて。」みたいなことを言って、
事態は収まった。
もしも英語を使えたなら、「ドーン、バーン!」とは言わずちゃんと説明できただろう。
でも話せなかったからこそ、母は必死に考えて、外国の人に伝わる方法をやってみた。
もしも英語を使えたなら、思い出にならなかっただろう。スマートに処理していては、
普段どおりなので、記憶にも残らず、
目の前で母が「ドーン、バーン!」と言ったのがおかしかったからこそ、
20年経った今でも記憶に残っている。
僕のブログで度々問いかけている“便利は本当にいいのか?”という、疑問。
今はこれが発達しすぎているせいで、こんなトラブルも検索1つで例文が出てくるだろう。
それでは記憶に残らないし、思い出ってトラブルの塊だったりするので、
やっぱり便利すぎるより、ちょっと不便くらいのほうが丁度いいような気がする。
母はというと、「これを機に、英語を勉強しよう!」とはならず、
「大切なのは、気持ちや。」と言って、
未だに英語は全く話せないまま、ハワイに台湾に、パリへと旅行し、
ジェスチャーで乗り切っている。
帰ってきた母の土産話を聞くと、
トラブルばかりで楽しそうである。
化粧品研究者こまっきー
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