化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

インプット、アウトプットが終わったら


「インプットしたらアウトプットしていこう!」
「アウトプットして伝えていこう!」
大学生になると自己啓発本を読んでみたくなる。

話し方で人生が変わる
聞く力
大人の付き合い方

などなど、いかにも自己啓発本らしい本から、著名人の本まで、読んだ。
それぞれ色んなことが書いてあり、「インプットしたらアウトプットすること!」と書いてある。
読むだけでそのままの人もいるし、実践する人もいる。
僕はアウトプットした。
理系の論文の書き方である、概要→方法→結果→考察の癖だろうか。
僕はアウトプットしたら、考察をした。
実践という実験。根っからの理系体質なのか、試してみたくなり、
まずはその本がオススメすることをやってみた。

男性は話しをせずに聞くこと
相手がグラスを持ったら、自分も持つという鏡写しの法則
大げさな相槌
などなど、読むたびに試し、その後考察した。

そう、考察した。「これでいいのか?」と考えた。

そうやってインプット→アウトプット→考察をしているうちに、
インプットの後に必ず考察するようになった。
人に話す前に、「この情報は正しいのか?」を考えるようになった。

大学生、もしくは社会人なりたてで、自己啓発本を読む人が多いのか、
その頃、同じことをしている人の見分けがつくようになった。

目をじっと見て話す人
「うんうん、へえー!すごいなあ!」と大げさな相槌をうってるわりには、全然話を聞いていない人
毎回僕の飲むタイミングに合わせてグラスを持つ人。
ご飯を食べているときに、僕がグラスを持ったとき、慌ててグラスを持とうとした姿をみて、めっちゃひいた。
そこで気づいた。
単純にアウトプットをしているとこんなにも滑稽に見えるのか。
少しでも自分にプラスになるようにと思って勉強したことが、裏目に出る。
最初から考察をしていた僕は、「これは変やな。」と思って辞めたり、度合いを調節したりして、自分にあっているものは取り入れようとした。

これを読んで、アウトプットを控えるのではなく、
インプット、アウトプットが終わったら、考察してほしい。
考えてみてほしい。
相手がどんな感じだったのか、自分でやってておかしいと思わなかったか、
アウトプットに必死で話を聞いていなかったのではないか?と。
実践することは大事で、分かる人からしたら滑稽ではあるけれど、
やってみないとわからないことは多い。
やってない人の言葉はやったことある人よりも薄っぺらい。
やったことないから、わからない。だから、やってみることはすごく良いことだ。

最初はインプットからアウトプットに必死かもしれない。
でも、少し慣れてきたら、そんな自分を考察してみてほしい。
そうやって実践して自分を考察して、
最終的にはインプットの後に考察するようにしてほしいし、
実践してみないとわからないことは、やるしかないけど、
インプット→アウトプット→考察は物事を考える基礎なので、
色んなところで使えるようになってほしい。
例えば洗濯機での僕の1件を紹介します。

いま、洗濯機はドラム式が良いとされている。
インプット:節水だし、エコだし。なんか、みんな買ってるし。でも高い。
アウトプット:買ってみた。汚れが落ちない。なんか臭い。ドラム式は水が少ないのでお湯で洗わないと汚れが落ちない。
考察(調べる):洗濯機は大量の水で水側に汚れを浮かし、流し去る。
考察:その水が少ないドラム式は水以外の方法で汚れを落とす必要があり、それが温度である。お湯のほうが泡立つのと同じように、お湯のほうが洗浄力が上がる。汚れも落ちやすくなる。
じゃあ、安く買って水道代のかかる縦型洗濯機と高いしガス代もかかるドラム式洗濯機、
どちらがいいのだろう?と考えた。
ドラム式洗濯機は実家のときの経験だったので、実家から離れたとき、僕は迷わず縦型洗濯機を買った。ドラム式洗濯機には乾燥機能がついているが、近くのコインランドリーの乾燥機を使ったほうが遥かに早く乾く。梅雨と冬の雨の日以外、乾燥機の出番はないので僕には必要なかった。
あったら便利はたいてい損をする。

「インプットしたらアウトプットして!」というのは自分の宣伝になるからじゃないだろうか。
「◯◯読んだら、こう書いてあってさ。」
「◯◯が言うにはさ。」
僕は利用されているだけじゃないかと考えた。
アウトプットだけは、ただのロボットだ。
そして、その伝える言葉ひとつひとつは自分の信用にもなることに気づいた。
いつも適当なことを話し、今日はイエスでも明日はノーと答える人に信頼はない。
他人の言葉の引用だけではなにか説得力が足りない。
なので、アウトプットしてから学ぶこともあるけれど、
人に伝えるときには考察してから、話して良いものを考えて、自分の言葉で話すことにした。

最初からそんなことは出来ない。
でも、「インプットしたらアウトプットして!」ではなく、考察してほしい。
それは正しいのか?と考えてみてほしい。
その人の言葉ではなく、自分の考えを伝える。
それが学びであり、あんまり誰も伝えないことだなと思った。
僕たちは、観る聞くだけでなく、考え続けなければならない。

-化粧品研究者こまっきー

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