化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

センチメンタル・ジャーニー


夏の終わりは別れの季節、ひと夏の恋。なんて言葉がある。
前回の記事に書いた残暑の人々の感情もそうだけど、夏の終りというのはどうもおセンチな気分になる。とはいえ僕はあまり感傷的になることは今までなく「まだまだ暑いなあ。」くらいの気持ちだったけれど、そんな僕もとうとう夏の終り、おセンチの体験をした。

お盆前に行きつけの王将に行くと、「急なんですが今月で閉店するんです。」と帰り間際に店長から話があった。
王将には昔ながらの味を作っているフランチャイズ店と餃子やタレなど工場生産が主流のチェーン店の2種類がある。僕は大学の頃にフランチャイズの王将でバイトしていて、そこの雰囲気がすごく好きだったので、実家を離れ、街を散歩していると見つけたこの王将の雰囲気にピンときた。
「ここは昔ながらの王将ではないか。」
入ってみると、バイトしていた王将と同じような細い店、カウンターとテーブルが有り、カウンターの赤い椅子までそっくりだった。味も懐かしく、何回か通っていると、ここも少人数でシフトを回しているみたいだった。
バイトしていた王将は店長が65歳を機に店を畳んでしまい、今はもうない。だからもうあの雰囲気は味わえないと思っていた僕は嬉しくて定期的に通った。
2,3年前から年末年始の挨拶をするくらいの常連になった。
ここの王将に行くと、凝り固まったテンプレート接客とは全然違う人間味溢れた懐かしい接客が好きだった。バイト先の王将も同じくで、テンプレートなんてなく、「メモなんかせんでええ。身体で覚えて、わからんかったら聞いて。」とざっくりしたこの感じが好きで、店員側がそんな雰囲気だと、店も和気あいあいとしていて、お客さんも皆温かかった。
そういう店がまた1つ、無くなる。
店じまいの話を聞いたときからずっと、どこかぼーっとしている。
写真はフランチャイズでは天津飯はしお味で、その天津飯の餡をラーメンにかけた天津麺というメニュー。

お盆前に王将の店じまいの話を聞いて、お盆明け。
仕事の取引先から年内で廃業のメールが届いた。そこはおっちゃんがやってる輸入容器メーカーで僕が独立する前から色々助けてもらっていた。独立してからもなにかあれば僕を他社に売り込んでくれたり、新しい容器を提案してくれたりと本当にお世話になりっぱなしで、早く会社を盛り上げてお返しをしないと行けないとずっと思っていた。
結局何も出来ず、助けてもらうばかりで終わってしまった。

この2つの出来事があり、心がぽっかり空いた日々が続いている。
悲しみとか怒りとかそういう感情ではなく、そもそも感情というものがなく、なにもない。
ぽっかり空く。というのがピッタリ当てはまる。

前回の記事、残暑の病は気から。夏の終りのおセンチなる人々の気分が残暑を長引かせている。というその人々の中に、どうやら僕も入ったみたいだ。

-化粧品研究者こまっきー

↓こちらもどうぞ↓

www.komacky.com