ラグビーをしていたとき、しんどくなって下を向いていたらコーチから叱責があった。
「下を向くな!しんどいときは腰に手を当てて前を向け!」
確かにしんどいとき、下を向くと余計にしんどくなる。なんとか下を向くのをこらえて前を向くと少し楽になり、下を向いているときよりは前向きになれる。トライを決められた後はメンバーみんな下を向きがちになるたびに「下を向くな。顔上げろ。」と声をかけていた。
気持ちが下がってしまったら試合終了。
たいして上手くもない、戦略とかに詳しいわけでもなく僕が唯一発していた言葉だった。
大人になってもその癖は残っている。流石に会社で「下を向くな!前を向け!」はおかしいので他人には言わないが、研究で行き詰まったときなどは少し休憩して、「よし。」と立ち上がる。「はああ。」と休憩室でダラーんとすると気持ちも抜けてしまうので、その日の仕事が終わるまでは“下を向かない”ようにしていたのを思い出す。
そういう意味では今は少し、下を向きがちかもしれない。
大人になると、頑張ってもどうにもならないことが増えていく。
最近ウォーキングをしている。そのときもやっぱり下を向かないようにしている。神社の段差とかそういうときだけ。それ以外は前を向いて歩く。
前を向いて歩いていると、同じように歩いている人がいて、その人たちを見ていると急にじーっと下を向いて歩いている人を見つける。「あ、危ないな。」と思う。全く知らない人に「前を向いて!」とは言えないが、夏は暑さにやられている可能性があり、顔がなかなか上がらずに歩いていると、熱中症を疑ってしまう。せっかく健康のために運動をしているのに、体調を崩してしまっては元も子もない。
真夏のウォーキングはそう思っていた僕も、残暑に入るとちょくちょく自分も下を向いていることに気づく。坂道を下るとき、階段を下るとき、下り終わったとき。下を向いている自分にどこかホッとしている。そして顔を上げると、前よりも下を向いて歩いている人を多く見かける。
残暑は暑くなったり、涼しくなったり。気持ちは涼しくなるのを待ち望んでいるだけに、暑くなった日はどうしても「はああ、まだ暑い日あるんか。」と気持ちが下がってしまう。そのまま歩くので、下を向いて歩いている人が多くなっているのだろう。
季節と気分は比例するので、「夏みたいに頑張ろうぜ!」とは思わないが、怪我をしないようにだけ注意してもらいたい。
下を向くと、気分も下がる。その状態で動いていると、普段よりも注意力が落ちて、なんでもないところでつまずき、怪我をしてしまうかもしれない。
季節や心境、自分のそのときの環境によって下を向いてしまうことが仕方ないときもある。無理しちゃいけないときもあり、真夏や残暑のウォーキングで下を向いてしまう気持ちはすごく分かる。仕事や学校でも「はああ。」となんだか気持ちが締まらない時期でもある。
「下を向くな!前を向け!」
と自分が出来ていないのに言うことは出来ないが、
下を向いているな。と思ったら、下を向いている自分に気づき、理解して、
せめて怪我やちょっとしたミスをしないように注意しておこう。
-化粧品研究者こまっきー
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