化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

要らないなら使わなくていいんです。-前編-


化粧品には“ノー◯◯”という言葉がある。
あるアイテムを使わない方がいい、使わないほうが肌がキレイだ。という主張だ。
確かに、要らないなら使わなくていい。
それは化粧品だけでなく、なんでもそうだろう。
包丁でキャベツの千切り出来る人が、千切り用のアイテムを買わないのと同じように、
服に興味ない人が高い服を買わないように、
自分に必要ないと思うなら、使わなくていい。
化粧品はどこか“使うべき”という先入観があるから、“ノー◯◯”という言葉が生まれるのだろう。それでノー◯◯を試してみる人もいるが、失敗すると肌が荒れてしまう。
ここではアイテム別に要らないというポイントをお話したいと思う。

・ノースキンケア
数年前に大学の研究所メンバーでBBQをしていたときに後輩ちゃんから「私スキンケアしてないんです。風呂上がりにワセリンしてるだけなんです。」と言われた。多分僕が自社ブランドで化粧品を売っている話になったので、後輩ちゃんはそう言ったのだが、僕は「それでいけるならそれでいいやん。」と答えた。化粧水は水の補給、オイルは肌表面の皮脂や角層補強し、肌トラブルがないようにする。ワセリンは肌表面を覆うことで外からの乾燥対策になるが肌自身が潤うわけではない。後輩ちゃんがワセリンだけで肌がキレイなのは、自分で水分や油分の調節が出来ているからだろう。ワセリンだけでいけるのは、外からの乾燥対策だけでいいということである。しかし、スキンケアというのは肌をケアすることであり、肌になにかを塗るだけで、立派なスキンケアだ。後輩ちゃんのなかでワセリンがなぜスキンケアという認識がなかったのか不思議だが、この考えの人は多い。スキンケアと書いてあるアイテムでなくても、何かを塗る時点でスキンケアだ。本当のノースキンケアとは風呂上がりにタオルで顔を拭いてそのままでいることだ。その後、顔がカサカサしたり突っ張ったり、なにか気になることが無い人はノースキンケアでいいだろう。

・ノーシャンプー
シャンプーを使わずに、お湯もしくはシャンプーじゃないもので洗い流すというのがノーシャンプーの定義らしい。結論から言えば、痒くならないならそれでいいと思う。頭皮は顔や身体と違って毛が多いのでホコリや汗や皮脂や色々溜まりやすい場所だ。痒くなるということは、それらが洗い流せずにいることで皮膚炎が起こっている。お湯で流すだけだ80%洗えてるという話があるが何をもって80%なのかよくわからない。20%の残りが原因で痒くなるなら、お湯ではダメだと思う。お湯のほうが髪の毛がしっとりするのもシャンプーよりも洗えてないので油分が流れていないだけだ。ノーシャンプーのアイテムにクレンジングなるものがあるが、頭皮は髪の毛が多いのでシャンプーなどをつけた際にキレイに流しにくい。シャンプーやクレンジングが残ってしまうと皮膚炎に繋がる。こまっきーシャンプー発売に向けてシャンプーを研究していたときに、洗い流しやすいことを考えた。活性剤がどうこうより、すすぎ残しがある方が頭皮には刺激になる。クレンジングにも活性剤は含まれているが、クレンジングアイテムよりもシャンプーのほうが洗い流しやすいアイテムなので、ノーシャンプーということでクレンジングを使う際はすすぎをいつも以上にしっかりしないといけない。ノーシャンプーをするなら、痒みなどの皮膚炎が無いかを気にしておく必要がある。いつもより洗えないので、手間をかけてしっかり流さないと皮膚トラブルになるだろう。

化粧品が必要である。という先入観のせいで、ノー◯◯が存在するんだろうなあと思う。
化粧品研究者として色々研究していく中で、要らない人は要らないという考えも分かる。
気になる人は一度ノー◯◯を試してみたらいいと思い、その際の注意点を上げてみた。

後ひとつ、ノーファンデの話は次回に話そうと思う。

-化粧品研究者こまっきー

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