化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

身体の中のことは身体に任せて声だけ聴く


人は自分で身体のことを管理してると思いたがるところがあります。
例えば、健康管理と言ってサプリメントを飲んだり、前日食べ過ぎたら次の日ご飯を抜いたり、ダイエットと言ってご飯を少なくしたり。
そうやって体重や体脂肪率などの体重計で図れる範囲で判断し、身体を自分で管理していると思っています。

しかし、身体は僕たちの考えや行動とは別のところで動いています。
胃腸に「食べたんだからしっかり動け!」と命令しなくても、勝手に消化と吸収をしてくれますし、深呼吸を意識的にするというのもありますが、「呼吸しろ!」と言わなくても勝手に呼吸します。肌は勝手にターンオーバーしていくし、髪の毛は勝手に伸びていきます。
身体は僕たちが命令しなくても、ちゃんと動いてくれているのです。

そして僕たちは身体がどんな動きをしているのかは、全然把握していません。
大学の細胞生物学の研究所でそのような基礎実験が行われています。
コラーゲンを作るときは、まず3本のコラーゲンをらせん階段のようにくるくる丸めて、たくさん並べることでコラーゲン繊維が出来ています。「このくるくる丸めるのは誰がやっているのか?」「くるくる丸めれなかったらどうするのか?」「失敗作の捨て方は?」「出来たコラーゲン繊維を誰が並べているの?」などなどを研究していて、まだまだ全てはわかっていません。
研究すれば研究するほど、「これは誰がやってるんだ?」といった疑問が次々出るほど、身体は複雑なのです。

その複雑な仕組みを全然把握していないのに、管理しようしても上手くいくはずがありません。
それでも日焼け後にビタミンCが良いと聞けば、ビタミンCのサプリメントを飲んで「飲んだおかげで、日焼け跡がキレイに無くなった」と思い込みます。
なんでもわからない病気や症状は“ストレス”と言い出してから、自律神経を整えるなんていうのも出てきました。自律した神経ですから、勝手に調節するわけです。アロマを焚いて「あー、いい香り。自律神経整うわあ」とか、こっちの都合でいくら満足しても、自律神経に影響があるのかなんてわかりません。「整ってくれ!」と思って、なにか行動しても整うものではないと考えています。

身体の中は勝手に動いてますから、
そうやって自分からのアプローチで身体が調節出来ていると思うのではなく、
身体に耳を傾けて、身体の声を聴くことが大事です。

胃もたれはわかりやすい例です。
胃もたれの原因は食べ過ぎなのか、ストレスなのか、冷えなのか、色々原因はありますが、原因を特定するのは難しいです。ただの食べ過ぎでも普段ならそんなに食べても胃もたれしなかったはずなのに、何かが原因で胃もたれしているのなら、食べ過ぎではなく他のなにか?
ストレスかもしれないし、そもそも疲れていたのかもしれないし、もしかして歳?
と原因なんていくらでも考えられます。
そのどれかを自分で選んで、「ストレスに違いない!」と思い込みストレス対策をするのではなく、胃もたれしているという事実だけ、胃がちょっとしんどいという声だけを聴くと、
「とりあえず、ランチはうどんにしておこうか。」とか胃に優しいランチを、胃に合わせたメニューを考えます。
僕はこの思考が大切だと思うのです。

そうやって身体の声を意識すると、調子が悪い時が今までより早く気づくことが出来ます。
今までの自分からのアプローチでは自分が視ている部分しかみえす、本当に悪いところが見えてなかったらそのままになります。
体調が悪くなるときって、その声を聴かず、聞こえず、そのまま働いてしまうことが多いからだと気づきました。
急に休むことは出来なくても、「なんか調子悪いな」と気づければ、いつもよりペースを落としたり調節が出来ます。しかし、声を聴かず、気づかないまま働くと、家に帰った瞬間ドッと疲れが出て一気に体調を崩します。
これは僕の今までの経験です。
「アトピーは漢方も飲んでるし、薬も塗ってる。だから動ける」と身体の声を聴かずに、研究をバリバリ続け、「なんか調子悪いな」と気づいたときには常に遅く、熱を出して、そのせいでアトピーが更に悪化していました。
「なんでこんなにケアしているのに治らないんだ?」と数年単位で病院を変えていましたが、自分が悪かったのだと最近気づきました。

健康管理、自分がしっかりやってるんだ。
と思っていませんか?
身体は僕たちの思考や意識とは関係なく動きます。働きます。
身体の中のことは身体に任せて声だけを聴くことが、健康管理であると思うのです。

-化粧品研究者こまっきー

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