前職で研究職をしながら、社長から「今年から新卒採用やるから手伝って。」と言われて、この時期は人事の仕事もしていました。いわゆる町工場だったので、あまり話すのが得意でない人が多いことや、僕が就活生に近い年齢であったので、選ばれたのだと思います。
採用する側から見て、「学歴は気にするか?」と聞かれれば、答えはイエスです。
それは「ウチにはコレくらいの学歴以上の人しか採用しない。」と大きく出ているのではなく、「高学歴の人は大手企業が採用するから、来てくれないだろう。」と考えていたからです。1次面接はグループ面接で、4~5人の就活生と面接をしていました。その中に京大や阪大の人がいると、就活生側は「うわ、絶対無理や。落ちた。」みたいな顔をしている時がありましたが、こちらも同じような気持ちでした。
「京大や阪大の人がウチに来てくれるはずがない。」と、いくら面接で良いなあと思っても、「他の会社に行くであろう人を1次面接合格にするべきかどうか。」は非常に悩んだものです。
大企業が学歴を全く気にせずに、人柄で採用するようになれば、こちらも学歴を気にしないのですが、現状はそうではないでしょう。なので小さい会社であればあるほど、「他の会社に行ってしまわないか?」というのを考える材料の1つとして学歴を気にしています。
それでも、僕が就活をしていた10年前と比べると、学歴社会では無くなってきたと思っていたのですが、そうではないようです。
むしろ、10年前より学歴重視は進んでいるようです。
先日、YouTubeで教育無償化を実現する会というアカウントで、佐藤優さんと前原誠司さんたちが教育について対談されている動画を見ました。
その動画によると、小学校3年生から塾に入れて、中学校から超難関校に入って、中学校の内に得意教科を決めて、その得意教科だけで早慶などの難関私立大学に受かることを目標にしている現状があると話されていました。
そして特に中学受験の入試内容がかなり加熱していて、超難関校では高校2年生まで、中堅校でも中学2年生までの内容が入試に含まれており、塾が必須となっています。
そのため、小学校3年生の子供の尻を叩くためにお母さんが仕事を辞めて、お父さん1人の給料で小学校三年生から高校までの塾などの教育費が払える人だけが超難関校に行けるという、親の収入で将来が決まる“課金ゲーム”状態になっているという話でした。
面白い対談だったので、詳しくは動画を見ていただければと思います。
その一方でこの原因は大学受験にあるのだから、大学受験から変えていこうという取り組みもあるそうなので、今後の大学受験の方針に期待したいところです。
考えてみれば、小学校6年間と塾、中学校3年間と塾、高校3年間と塾、予備校がある人にはあり、大学4年の後は、企業も教育機関のような扱いになっています。教育が産業となってしまっている現状を考えると、学歴社会であればるほど教育産業は盛り上がりますから、学歴社会は加熱する一方となりそうです。
ですが、学びは別に学校の勉強だけではありません。特に学校の勉強は基本受け身で教えてもらうことばかりです。そして必ず答えがあります。社会に出ればそんなことはなく、答えのない問いばかりです。自分で答えのない問いに取り組まないといけないことが殆どでしょう。
答えのある問いばかりを一生懸命に取り組んでいると、社会に出た時に答えがない問いに出会った時に、社会に対して強烈な拒否反応を起こしてしまうのではないかと思っています。
すでに起こっているのではないかと思います。
学校で学ぶことは必要最低限の知識だと思いますので、それを疎かにしてはいけないでしょう。ですが、中学受験のタイミングで中学で学ぶ内容や高校で学ぶ内容が含まれているのはおかしな話です。
そしてこれはいつも思うことですが、小学生には小学生なりのコミュニケーションがあります。まだ性別の意識が薄い小学生のコミュニケーションはかなり貴重で、中学生以降は全く違うものになります。中学高校と進むにつれて、男女間や友達同士のコミュニケーションは変化していきます。
未来でちゃんと学ぶのに、先駆けて勉強ばかりしていると、その時しか体験できない貴重なコミュニケーションや経験が出来ないまま時が過ぎてしまいます。
時間は皆同じです。
なにかを選択すれば、なにかの体験を失います。
未来で学べることが決まっているのであれば、今しか出来ないことを経験するべきではないでしょうか?
思い出というのは印象に残っていることであり、楽しい思い出も嫌な思い出も、自分にとって学びに繋がったから覚えているはずです。
僕たち大人が子供の頃を思い出した時、思い出すのは机に向かって勉強をしていたことではないでしょう。
化粧品研究者こまっきー
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