就活の話のラストです。
「何故これだけ練習しても、面接に受からないのか。」という話をしていきたいと思います。
そもそも僕は“何故?”と思うところから、勘違いしていると考えています。
その勘違いの原因は就活までの道のりにあります。
僕たちの就活までの道のりは、基本的に受験用の勉強をして、点数が高い順に合格する。または一定基準以上の点数で合格出来る、資格が取れるという仕組みの中で育ってきました。
常に、“問いには答え”があり、ちゃんと解答出来れば、合格だったわけです。
正解が多い順に合格、入学出来たわけです。
ところが、就活は違います。
“自己PRと志望動機”には“正しい答え”はありません。
就活は“どういう人材が欲しいか”という基準に合わせて、採点基準があるにはありますが、これは会社ごとに異なります。
大学受験では“問題”に対する解き方は同じでした。“問いに対する正しい解き方”をすれば、答えが導き出されていました。
就活の面接は、会社ごとに“答え”が異なります。
そして一応の採点表なるものはあっても、感じる部分が大きく影響されます。
「面接中の採点は低かったけど、思い返してみれば良いかもしれん。」となることがあるのです。
なので、同じ解答でも“正解”、つまり採用不採用が変わってきます。
これは、今までの生活の中で既に体感しています。
大学生では、アルバイトの面接が1番わかりやすいでしょう。
“週3以上、ラストまで入れる人”という募集をみて、
「ラストまで入れません。」と言うと、採用されないでしょう。
むしろ、「なんで面接に来たんだ?」と後々お店でネタにされるだけです。
ラストまで入れないなら、“週3以上、18:00まで”のような自分に合ったバイトの募集に応募するべきです。
後は、応募人数が多ければ、より融通の効く人や、その人の人柄で採用するかを決めるでしょう。
もっと身近なところで言えば、友達付き合いも同じです。
友達付き合いは、受験勉強の点数よりも人と人とのコミュニケーションを重視している、自然な方法とも言えます。
就活もそれらと同じように、受験とは違う基準で判断します。
その基準は会社ごとに異なります。
採用人数より応募人数が多ければ、採用条件や人柄などから、その会社に合う人材を上から順に採用していきます。
ただし、就活では“採用条件”は包み隠されています。
会社説明会で教えてもらえる採用条件や欲しい人材は、どこも同じでありきたりな言葉を並べているだけです。採用する側としては、欲しい人材はフィーリング的要素が多く、言葉にするのが難しいため、どの会社も同じような言葉を並べます。そのせいか、就活生は大学受験と同じと勘違いしてしまうのでしょう。
100人面接をすると、100人がありきたりな採用条件から、ありきたりな志望動機を話します。そんな志望動機で判断出来るはずがないので、僕が採用する側になって面接したとき、志望動機の内容は殆ど意識していませんでした。
軽く受け流された就活生は「落ちた」と思ったかもしれませんが、こっちは100人の同じような志望動機を聞いています。最近はChat GPTで作るという就活生もいるようですが、そんなセリフを1日に何回も聴いている面接官にはChat GPTで作った志望動機であることはバレています。
自分がもし、採用する側だったら、その志望動機を重視しますか?
かと言って、尖った志望動機を作る必要はありません。
注目を集める志望動機を作ろうとか考えなくていいです。
志望動機とはそういうもので、話すキッカケ作りみたいなものです。
そのなかでも本気度の高い志望動機がたまにありますが、それはその人が本当にその会社が好きなのであって、自然と作れた志望動機です。
自分が行きたい会社にだけ応募すれば、自然とそういった志望動機が生まれてきます。
なので会社説明会の時から、話を聞くだけじゃなく、質問したり、社員とコミュニケーションを取るべきだと勧めています。
社員と話せば、その話口調や態度などから、その会社の特徴が分かります。体育会系なトークなのか、話下手だけど真面目なのか、みんなすごく話し方が丁寧とか。会社内でも色んな人がいますが、何人かと話してみると共通点があります。
みんな高学歴出身だと、学歴重視かもしれません。
みんなキレイでかっこいいと顔採用かもしれません。
その共通点が隠された採用条件であり、“会社に合う人”になります。
採用されるには、まず“会社に合う人”に当てはまらないといけないのです。
“会社に合う人”になるには、会社のことを出来るだけ詳しく知らないといけません。
そして自分のアピールポイントの中から、“会社に合う人”に近いポイントを面接でアピールしないといけません。もしくは“会社に合う人”にみえるように、言葉を選ばないといけません。
しかし、自分をその“会社に合う人”に寄せすぎてはいけません。
これから入社して、月曜から金曜の5日間、1日中その会社で働くのです。
寄せすぎた自分で採用されると言うことは、自分には合っていない会社に採用されたことになります。
なんだかんだで会社には共通の空気感を持った人が集まりますから、無理して寄せて採用されると、地獄の毎日となります。
その会社の“会社に合う人”のポイントを知った後は、自分がその基準に当てはまるかを考える必要があります。
もう既に会社説明会が終わった後でも、“会社に合う人”の基準は見つけることが出来ます。
それが、これから始まる面接です。
就活のときに、すごくフランクな会社の面接に行きました。
上下関係を気にしないというの面ではすごく合うように思いましたが、面接のなかで、この会社はノリを重視しているように感じました。僕にはそのノリの部分が合わないと思いました。すると、面接は落ちました。面接の節々から、向こうにも合ってないことが伝わったのだと思います。
またグループディカッションの選考がありました。グループごとに1人の面接官が立ち会っていました。就活生の中には、とにかく仕切っていこうとする人、めちゃくちゃ喋ってアピールする人、上手く前に出れない人、様々でしたが、僕はその間に入ってみんなの意見を聞きました。というか、皆が「私これやる!」と次々役を取って行ったので、その中で必要だけど誰もやっていない役がみんなの意見を聞く役でした。すると、次の選考に進めました。選ぶ役割の状況判断と協調性とまとめ役が買われたのでしょう。
これも協調性とまとめ役になれば良いと言う話ではなく、面接官から見てそのグループの中で僕が良く見えたということです。
またもうひとつ、グループディカッションの選考がありました。そこでは、とにかくアピールする人が選考に進みました。確かにその会社の営業はそれくらいの押しが必要とされていいることを後々業界に入って知りました。
さっきと真逆で、僕には不向きな選考であり、会社でした。
僕が新卒で入社した会社の面接は、1次の後はSPIと面接が2回ありましたが、1次面接の時点で採用されると思っていました。それくらい、フィーリングで感じるものがありました。
最後に、僕の転職の時の話も就活の参考になると思います。
転職のときには「なぜ一部上場企業から、うちみたいなところに面接に来たの?」と聞かれて、研究がしたかったこと、研究だけじゃなく営業や企画など幅広く仕事がしたい。と答えると、「うちはそういう人を探していた。今そうやって動いているのはもう50代で・・・」とその日のうちに採用が決まりました。
新卒では流石にこれはないと思いますが、これが採用されるわかりやすい例です。
面接は、コミュニケーションです。
会社は“会社に合う人”を探し、就活生は“自分に合う会社”を探します。
会社の基準も様々なら、就活生の基準も様々で、正解は無限です。
決して大学受験のような“問題と答え”では解決しないことが理解してもらえたらと思います。
だから、就活の第一志望に受かるか受からないかは、相性とその時の運です。
“これだけ面接の練習をしたのに何故?”と考えてはいけません。
練習は自主練、本番は相手がいます。採用人数が決まっています。
正直、第一志望というのを決めないほうがいいでしょう。
決めるのは会社側ですから、行きたい会社の中から、自分に合うと思う会社を会社側に決めてもらう。というスタンスで面接に望むといいかもしれません。
僕はそうしてました。
しかし、出来るだけ自分が希望する会社に入るには、
会社のことを知り、自分が会社に合う人材であることをアピールする必要があります。
自分のアピールだけではダメです。
是非、これからの就活の参考にしてください。
過去の就活の記事をまだ読んでない人は過去の記事も参考にしてみてください。
化粧品研究者こまっきー
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