化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

なぜ採用されたのかを考えてみる。

新入社員が会社に入って2ヶ月が経とうとしています。
4月から5月は、毎年早くに辞める新入社員のニュースが目立ちます。
今までは「すぐ辞める新入社員がこんなにいる!最近の若者は!」と批判口調でしたが、最近は会社側の問題を取り上げるようになりました。
これも一種の流行でしょうか。
その流行に流されやすい人は「じゃあ自分も。」と便乗退職する傾向があるかもしれません。

「思っていたのと違う。」と思って早めに見切りをつけて退職することは、悪くない選択だと思います。
自分が本当にやりたいことがあって、身につけたいスキルがあって、それをこの会社で習得したいと思って入社したけれど、部署の違いや入って感じた雰囲気から「ここでは無理かもしれない。」と感じて退職する。
または自分は体育会系は苦手だけど、就活のときにはそこまで確認できておらず、いざ入社したらバリバリの体育会系だった。過去に体育会系の部活に所属して体調を崩した経験があるので、そうならないように退職する。
というような、身につけたいスキルがここでは全く無理であることや、自分には不向きな環境の場合は、早く見切った方が自分の為と言えるでしょう。

しかし、「身につけたいスキルがここでは学べない。」という判断は入社すぐでは難しいでしょう。
入社してすぐは、まずは研修です。
各部署を回って、ざっくり仕事内容を教わります。
そのざっくりした仕事内容を知って「この会社では無理だ。」と判断できるのは、過去に同じような職種に携わっていて、それなりの経験がある方だけでしょう。
右も左も分からない人が研修だけで判断するのは早まった考えであると思います。

僕が感じた研修の意図は、スキルを身につけることではありません。
まずは会社になれること。そして学生気分を抜けさせるという名目のもと、新入社員の思考を会社の考えに洗脳することです。
特に、営業や販売は会社ラブである方が商品を売ることができるという考えがあるので、洗脳が強くなります。仕事に対する考え方や接し方、口調などをその会社の色に染めようとします。

または、「周りがやっているから、なんかしないと。」と思ってやっているところもあります。中途採用だけじゃなく新卒の採用を始めると、「新卒の人には研修した方が安心感が生まれるのではないか。」と、新卒が早期に辞めてしまうのを防止するために研修をするケースもあります。
研修はあたかもスキルを教えているようで、教えているのはスキルではありません。
そもそも、スキルは実践で身につけていくものなので、研修というデモをしている段階では、どんなスキルが身につくかはわからないでしょう。
そしてスキルは誰かが教えてくれるものではなく、自分から身につけていくものなので、「ここに所属していれば教えてもらえる。」と待っていてはいけません。

身につけたいスキルが学べないと早めに判断できるのは、部署の違いだけです。
経理を学びたいのに営業で入ってしまったとか、研究したいのに企画部に所属してしまったとか、こういった部署の違いによる学びの違いは、部署異動もしくは退職するしかないでしょう。
ただし、最近は意欲ある行動が認められたりしますので、部署異動願いを出すと通ることもあります。

なので僕が考える早く見切りをつけるべき基準は“自分に不向きな環境”であるときです。
スキルどうこうよりも、中学高校大学と学校という社会の中で経験してきた苦手なグループに当てはまる会社の場合は、“自分に不向きな環境”です。
新入社員の研修は「いつまでも学生気分じゃあかんぞ。」と言って、今までの自分の経験と社会人生活を切り離そうとしてきますが、決して切り離してはいけません。

自分の歴史は切り離されることなく繋がっています。
悩んだ時はネットで検索するのではなく、自分の過去を振り返り、同じような環境や状況がなかったかどうか振り返ってみましょう。
文化が異なると1つの物事に対する考えも異なるように、外国人には生魚を食べる習慣がなかったように、ネットで他人が書いている解答は自分とは生い立ちが異なりますので、考えも回答も異なります。
参考程度に見るべきです。

早めに見切りをつけて辞めることは悪くない選択ですが、それでもたくさんの就活生の中からその会社に選ばれました。
そして自分はその会社を選びました。
自分が選んだ時は、他に選択肢がなかった場合もありますが、なぜその会社を選んだのかを辞める前に考えてみるべきです。

そしてなぜ採用されたのかを考えてみるべきです。
例えば体育会系は苦手だけれど、体育会系の会社に採用され、入社した場合。
就活の面接では元気よく話さないといけないと教わり、元気よく話すようにした結果、「おっ。元気のいい子はいいねえ。」と勘違いされて採用された。または無理して頑張っている姿をみて“会社の雰囲気に合わせられる人”と思われたか、何か面接の時にした無理が原因であることが考えられます。

もしくは「こういう子が入れば会社の空気が変わるかも。」といつもとは違う子を敢えて採用したケースも考えられます。
採用する時は、“会社に合う人”が大前提ですが、その中でも活発な人とそうでない人、意欲的な人とそうでない人など、面接では採用する側はそれを見極めて様々な人を採用します。

自分にピッタリ合う会社は1つもありません。
社会は色んな人の考えがごちゃごちゃに混ざっています。色んな人の意見を聞いてある程度あわせていかなければ、どの社会にも会社にも馴染むことはできません。学校がそうだったはずです。
そういう意味では、“自分に合う会社”とは“自分が無理をし過ぎず合わせられる会社”とも言えます。

会社を辞めようかなと考えている方もすでに辞めた方も、今この瞬間の感情だけではなく、就活している時の自分を思い出して、“なぜ採用されたのか”と“なぜこの会社を選んだのか”を考えてみてください。

化粧品研究者こまっきー

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