化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

スキンケアで出来ることは何か。

肌荒れという結果を気にしない。
繰り返す肌荒れの原因は肌にはない。
という記事で、肌荒れを肌から治そうとするのではなく、体調などの身体の内側に着目するべきであるということを書きました。

肌が荒れると肌のことばかり考えてしまいます。
肌に塗るものを変えたり、肌に効くサプリメントを摂ったりと、“肌に良い○○”を取り入れようと考えてしまいがちです。

それは肌荒れの原因が乾燥などによる、“自分が原因ではない”部分から起こっていると考えているからです。
ですが、肌荒れは疲れや体調不良などの身体の不調によっても肌が荒れます。
むしろ空気が乾燥していても肌が荒れない人がいるように、“自分が原因である”部分、身体の不調からの方が肌荒れの影響は大きいです。

肌荒れに対してこういった考えを持ちながら、化粧品の研究をしていると、「スキンケアは必要なのか?」と考えて、スキンケアをやめてみたことがあります。

スキンケアをしないという人は、ワセリンを塗っていたりスキンケアではないハンドクリームやボディクリームを塗って“ノースキンケア”と言っていることがありますが、何かを塗っている時点でそれはスキンケアをしていることになります。
スキンケアという商品を使っていないから“ノースキンケア”ということにはなりません。
何かを塗れば、スキンケアをしたことになります。

僕は本当に何もしない、何も塗らない、風呂上がりも朝に水で顔を洗った後も何も塗らないという“ノースキンケア”をしてみました。
すると1日中顔がぱつぱつして、カピカピして、カサカサしていました。
遠くにあるはずのエアコンの風が少し顔に触れるだけで気持ち悪かったです。
このまま“ノースキンケア”を続けると、肌が荒れてしまうと思って“ノースキンケア実験”を止めました。
自分で実験して「ああ、スキンケアは必要だな。」と感じました。
ちなみに、僕と同じように“ノースキンケア”をしてみて、何も感じないし肌が荒れないのであればスキンケアは必要ありません。
特に男性は皮脂の分泌が多い傾向にありますので、必要ない方が多いです。
興味がある方は使ってみて、必要かどうか感じてみてください。

スキンケアが必要であることがわかったら、スキンケアで出来ることは何かということを考えました。
肌荒れは結局のところ体調面によることが大きいです。
ですがスキンケアをしないと、肌はカサカサ、カピカピを実感できるくらいに肌は荒れやすくなります。

スキンケアといえば、様々なトラブル対処用に分類されています。
ですが、肌荒れの原因が体調面が大きいと考えられるものの、いつも体調面が100%悪いわけではなく、原因の特定は難しいです。
ストレスや多忙でニキビができたりしますし、ニキビがあるから脂性肌というわけでもなく、乾燥肌でもニキビは出来ます。
何が原因で肌が荒れたのか、その特定が難しいのに、トラブル用に分類するのは出来ないのではないかと考えています。
様々な原因が重なって、肌は荒れてしまいます。

となれば、「スキンケアで出来ることは“整える”ことしか出来ないのではないか。」と考えました。
何が原因で肌が荒れるのかはわからないので、脂性肌に偏らないように、乾燥肌に偏らないように、ストレスなどの影響で肌荒れが起こらないように、健康肌から外れないように肌を整えることがスキンケアに出来ることであり、スキンケアでするべきことです。

原因に左右されないにくいように、スキンケアではどんなラインナップにすればいいのか。
乳液やクリームは伸ばしやすいですが、水とオイルの混合で、水の割合が多いです。
保湿するとなると、伸ばしにくくともオイルの方が保湿力があります。
しかしオイルは「肌に合わない。」という意見が多くありました。
その原因を探り、研究を重ねて、オイルが肌に合わない原因を突き止めてみました。

肌でいうオイルといえば、思いつくのは皮脂でしょう。
スキンケアで出来る範囲といえば、角質層の細胞間脂質も含みます。
皮脂にはオリーブオイルなどのトリグリセリド系やホホバオイルなどのワックスエステル系など数種類のオイルがあり、細胞間脂質にはセラミドやコレステロールなど数種類のオイルがあり、それぞれ割合が異なります。その割合のバランスが崩れるとニキビが出来やすくなります。実際に、単体のオイルを塗り続けるとニキビができやすいなと感じました。

「オイルが合わない。」という方は、オイルそのものが合わないわけではありません。乳液もクリームもオイルを含んでいるわけですから、オイルそのものではなく割合の問題だと思います。
オイルがダメという人が乳液やクリームが使えるのは、乳液などに含まれるオイルの量が100%オイルに比べて少ないからでしょう。
皮脂や角質層の細胞間脂質のオイルの割合と、食事で摂取できるオイルのことを考えて、ちょうど良い種類と割合にしたのが“こまっきーオイル”です。

スキンケアを2STEPにしたのは、“そうなった”からです。
“整える”ために必要な、水に馴染む成分を“こまっきーウォーター”に入れ、
オイルに馴染む成分を“こまっきーオイル”に入れたら、他にアイテムは必要ありません。

防腐剤が肌に悪影響と言いますが、防腐剤は配合%上限が決まっています。
パラベンなどの一般的に使われている防腐剤の実際の使用量は配合%上限を大きく下回ります。
この辺は各社のノウハウ部分であるので様々だと思いますが、少なくとも僕の場合はそうです。
それでも1つの商品で配合量が大きく下回っていても、アイテムが増えれば肌に触れる防腐剤の量は増えていきます。
スキンケアだけでなく、その上から塗るメイクにも剤型によっては含まれます。
防腐剤の悪影響がもしあるとすれば、防腐剤を使うことではなく、肌に触れる合計量を気にするべきかと考えています。
そういう意味でも、防腐剤の必要な水系のスキンケアは“こまっきーウォーター”1つにし、乳液やクリームではなくオイルにすることは、“肌を整える”ことになっていると考えます。

“肌を整える”ということは、肌荒れに繋がるようなラインナップや成分の配合、またはその割合にしないということです。
肌に合う合わないは人ぞれぞれあるので、ワセリン単体でも合う合わないがあるように、みんなに合うスキンケアを作ることは不可能です。
それでも色んな人に使ってもらって意見を聞き、色んな人の生活と肌との関連も気にしながら、研究を重ねて商品化しました。

“こまっきーオイル”は一昨年リニューアルしました。
商品化したら研究は終わりではなく、日々研究と勉強をしています。
良いものができたらリニューアルしていきます。
何種類ものスキンケアを出すのではなく、良いと思うスキンケアを出してアップデートしていくようにしています。

スキンケアから出来ることは、それほど多くはありません。
その中で“出来ることは何か”を考えてスキンケアを作りました。

1週間のトライアルセットもありますので、よかったら試してみてください。

化粧品研究者こまっきー

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