化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

変わりゆく家計簿の中身。

過去に何回か「お金を稼ぐことだけではなく、出費内容に目をむけるべきではないか。」というブログを書きました。

2年ほど前に岸田首相が副業を促進したのをキッカケに、“スキマ時間”と言って仕事の空き時間や通勤の時にちょっと副業するということが広がりました。
ポイ活という商品を紹介して収入(ポイント)を得ることや配達することなど、”スキマ時間”にちょっとやって、ちょっと稼ぐという話をSNSでたくさん目にしたと思います。

その後、投資することも浸透させようと、政府は2018年から始めていた積み立てNISAをさらに普及させようとしました。
「働かなくてもお金が増える。」という不労所得である投資は、ポイ活などをやった人が「ちょこちょこやってても、全然稼がれへん。もっとなんかないかな。」と更に他の副業に手を出すと思ったのでしょうか。またはポイ活などで副業する感覚に慣れさせたかったのか分かりませんが、僕からすれば絶妙なタイミングで積み立てNISAの情報が広がったなと感じています。
しかしポイ活はかなり広がりましたが、投資の方はあまり広がっていない印象です。

そもそもスキマ時間は、スキマではなく休憩時間であったり次の準備時間であるので、その時間に違うことをしてしまうと、本業の仕事に支障が出てしまいます。
休めないと疲れてしまいます。休憩はこまめにしたほうが体調を崩しにくくなるので、スキマ時間といって何かをしていると、変な疲労が溜まってしまいます。
本業だけでも疲れ果てて、それゆえに外食やお惣菜頼みになってしまうことが多い家庭もあるそうですから、そこに副業を追加すると益々外食頼みになってしまうでしょう。

本業と比べて、副業は稼げる金額を考えたらかなり効率が悪いことに気づいたのか、疲れて出費が増えていることに気づいたのか、最近は副業をすること自体を考え直している人が多いように思います。

副業で稼ぐための知識を習得するためのセミナーなどをSNSで目にすると、「お金かけないと稼げないんやったら、するだけ無駄やん。」と思うのかもしれません。

行き過ぎると流石に気付きます。
稼ぐことばっかり考えて良いのだろうか?と。

ファストファッションが流行して、毎年毎シーズンごとに何枚も服を買う、コートを毎年買うという習慣が定着していました。毎年何着も買うということが一般的になると、毎年流行のファッションが変わり、シルエットが異なり、去年の服が今年は着れないということが起こるようになりました。

または春夏の服が秋冬に活用できないということも起こっています。
例えば夏に当たり前のように買っている、オーバーサイズのカットソーは最近出てきたアイテムです。オーバーサイズだと袖がジャケットに通りにくく、無理やり着ると、脇周りが気持ち悪くなります。
オーバーサイズに合わせてジャケットを買えば更に出費となり、前まで着ていたジャケットが着れなくなるのはもったいないので、オーバーサイズのカットソーは春夏用となってしまうことが多いでしょう。
そのことに気づいたのか、最近男性がオーバーサイズのカットソーを着ているのを見なくなりました。

大衆向けのファッションで、夏に買ったカットソーがそのまま秋にはインナーとして活用出来ていたのが、出来なくなった辺りから「この流行の流れはどうなんやろう。」と思っていました。
毎年変わるファッションで何着も買う習慣が生まれ、服が積み重なってきた頃、ミニマリストと言って断捨離を勧めて、何着も買った過去を無かったことにするということが推奨されました。
家に服が沢山あると、「服結構あるしな〜。去年結構買ったしな〜。」と物欲にブレーキがかかりますが、断捨離すれば無いなら買うしかないと自分に言い聞かせることが出来ます。

まるで雑貨屋さんで好みのヘアゴムを見つけて「あ、これ可愛い!」と言って買うような感覚で服が買われるようになったなあと感じています。
これは一体、どこまでいくのか。そう思っていたら、これも行き過ぎていたことに気づき始めたのか、最近は服にかけるお金に対して見直されているようです。

先日、化粧品業界では消費者は「オーガニックかどうかは気にしていない。」と考えていると聞いて驚きました。自社ブランドだけでなくプロデュースもしていますが、いまだに天然系に拘る商品開発の依頼は多いからです。
最近は値段だったり効果だったり、分かる部分を重視する方が増えているようです。

驚いたものの、僕はオーガニックなどの天然系と言われるものは、天然系だから売れたわけではないと考えています。
天然系の先駆者であったロクシタンやジョンマスターは百貨店で取り扱われているものの、デパコスほどは高くなく、ドラッグストアにある高価格帯コスメと同じくらいの価格であることが、成功の秘訣だったと思っています。
お高いイメージのある百貨店にはなかった、デパコス内でのお手頃価格だったからこそ、天然系のジャンルが普及したと考えれば、天然系かどうかを気にしないという考えは前からあったのでしょう。
天然系だけではなく、成分云々も気にしない傾向にあるのかもしれません。

「オーガニックかどうかは気にしていない。」という言葉を耳にするようになったということは、それだけ化粧品業界または小売業界全体がオーガニックなどの天然系を推しすぎたからかもしれません。
化粧品業界では、天然系とかオーガニックという言葉ではなく、自然指数という言葉に変わっていくみたいですがどうなるのでしょう。

人々が節約よりも稼ぐことを考えるようにする戦略も、平成後期から過剰になった言葉遊びも、行き過ぎたようで、その行き過ぎに物価高が合わさって、家計簿の見直しが行われています。

とくに食費はわかりやすく上がっています。
米は去年の今頃と比べて10kgで1000円アップしていますから、お子さんのいるご家庭なら、かなり工夫していても工夫の頑張り以上に上がっていることでしょう。
今までのように「今日は疲れたし、外食かお惣菜にしよう。」という感覚ではいけないと、流石に家計簿の見直しをしないと、稼ぐことから節約することへと思考がシフトしているように感じます。

今月から電気代が上がるそうですから、これから色んな出費を見直して、食費や光熱費などの生活費のやりくりをどうするかという円卓会議が各家庭で開かれていくことでしょう。
昨年から何回か発信していた「稼ぐことよりも、出費内容に目を向ける。」ことは、もうまもなく当たり前になるんだろうなと感じています。

化粧品研究者こまっきー

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