化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

リーダーの役割。

リーダーとはどういう人であるべきでしょうか。

新卒で入社した会社の最初の研修では、近くの少年活動センターに行って2泊3日で様々な研修をしました。そのうちの1つにスタンプラリーがありました。
人事部の人は20人ほどいた新入社員を4つのグループに分けて、リーダーまで決められていました。
僕が何かと発言をすることが多いのは、大学で所属していたラボのセミナーでは必ず1回は発言しないといけなかったので、それが癖になっていただけなのですが、そういったところや入社前の研修での行動がリーダーっぽかったのか、リーダーに選ばれました。

当時すでに、自分のことは自分で決めていいけれど、グループになったら周りの意見を参考にしないとグループの意味がないという考えがありました。
ですが、いざ僕がリーダーに選ばれたそのグループは僕が仕切ってくれるというオーラに包まれていました。

なにかにあると、「これどうする?」と誰かが僕に聞いてきて、みんなが僕の回答を待つというのが好きではありません。
僕の中のリーダーのイメージは、みんなの意見を聞いてそれぞれの良いところ悪いところを考え、「これでどお?」とみんなの意見から最適解を提案する人です。
決してリーダーが「お前、この役な。」と勝手に決めて、戦略も勝手に組んで、周りから意見しにくいような空気を作るべきではないと考えています。
チームごとに分かれて、次の日のスタンプラリーについて話をしようとすると、ほぼ全員が僕が決めてくれるのを待っていました。

「これはマズい。」と思った僕は、みんなに意見を聞きました。
完全に受け身の体制だったみんなは、考え始めて色々な意見が出てきました。
スタンプラリーは山の中にある少年活動センター付近を探し回るというのもでしたが、1人の女子が遠慮がちに「私はあまり体力がないから、あまり走ったりはしないでほしい。」と言いました。

もちろん僕はそれを受け入れて、かといってスタンプラリーで順位を競い合うので、スピード感も大事です。各場所にはスタンプと一緒にクイズもあり、それが次のスタンプの場所になっていますので、スピード感だけではなく頭も使わないといけませんでした。
どれだけ体力がないのか分かりませんでしたので、「とりあえず、無理はせずに着いてくるだけでもいいから。」と一旦意見を求めた僕は、その子には考えなくていいことを伝えました。

結果は最下位でした。
みんなの前に立って、人事部の人に負けた理由の説明を求められました。
リーダーである僕は負けた理由を説明したのですが、人事部の人が言ったことは「気合いが足りないからだ!」でした。
「これが会社やったら潰れているぞ!」と僕たちを叱責しました。
入社3日目、この時点で僕の中で「この会社は自分には合わない。」と思いました。

僕が負けた理由に走れない子のことを一切取り上げなかったからか、その叱責があったからか、体力がないと言っていた女の子は次の日は走ったり一緒に考えたりと積極的に行動するようになりました。
やはり体力はなかったようで、途中で体調を崩してしまいました。
するとその日の夜に人事部の人は「体調管理もしてやれないなんて、リーダー失格だ!」とみんなの前で僕を怒りました。
スタンプラリー中は皆の意見を聞きたいものの、上手くことが進まないと僕はイライラしていましたから、みんなも意見が言いずらかっただろうなと反省しています。
自分ではある程度答えが出ているのに、周りが気づくまで待たないといけないというのは、もどかしい気持ちになります。
中間管理職の板挟み状態というのはこういう感じなのでしょうか。

僕は自分が勝手に決めることが好きではありませんが、仕切ってチームのやる気を上げて「よし、やるぞ!」と戦みたいな雰囲気にすることも違うと思っています。
やる気は自分自身であげるべきです。
やる気を自分であげずに他人の声に動かされていたら、自分自身が他人にコントロールされてしまいます。

ましてや会社の研修です。
営業で就職した僕たちは、チームで動くのではなく個人で動くことになります。
その為の研修であるならば、みんながそれぞれ自立して考えられるようにすることがリーダーの役目ではないかと考えました。
学生の頃はグループで動きがちです。すると大抵は仕切る子がいて、それに付いていくだけの子がいます。付いていくだけの子でも、営業職に就けば自分ひとりで飛び込み営業をしないといけなくなります。
そこから脱却することが学生から社会人への変化ではないかと考えて、スタンプラリーではグループの皆が考えて意見を出せるようにすることがリーダーに求められていることではないかと思ったのです。

2日続けてトップだったグループのリーダーは仕切るタイプでした。
人事部の人も「よくやった。」絶賛していましたので、この研修のリーダーの役割はグループのやる気を上げて、何がなんでも1位になるんだと必死にさせることだったのでしょう。
そういうリーダーシップを求められていたなら、僕とは全く正反対の考え方です。

実際に営業所に配属された後の実務は、サロンのオーナーのやる気を上げることでしたので、研修で求められていたリーダの役割と同じでした。
それならば全員にリーダーの役割をさせる研修をさせればいいのにと思いますが、おそらく同期の中で会社が思うリーダー気質の人を目立たせて、みんなの目標のようにしたかったのかもしれません。

2泊3日の研修結果は散々でしたが、リーダーというポジションがどうあるべきかについて、非常に勉強になりました。
1日目のスタンプラリーは全然意見が出てきませんでしたが、2日目は周りからの意見が増えて、1日目よりも正解を出す人の割合がばらつき、皆が参加したスタンプラリーとなりました。
1日目の夜にあった、人事部の人の叱責は多少効果があったかもしれませんが、その前のグループごとの反省会から良い流れはありました。
2日目のスタンプラリーの時はわかる問題は僕がある程度解いていきました。
すると解き方のコツを把握したのか、他のメンバーも答えを出せるようになりました。
「なるほど。考え方から分からなかったのか。」と他のメンバーが答えを出せるまでは僕が解決することで、考え方を伝えることができることを知りました。
待つことだけで、放置しすぎるのは良くないのです。

学校生活ではリーダーになったことは一度もありませんでした。ただそのリーダー感をみていて、「こうした方がいいのではないか。」と考えていただけでした。研修では、ただ頭で考えていたリーダーの役割を実践することができました。
実践してみて、僕は周りが積極的に動けるようにするリーダーのやり方が好きだなと思います。
そして周りが積極的に意見し、意見が多すぎてぐちゃぐちゃになった時にリーダーがそれをまとめます。

その気持ちは今も変わらず、リーダーをするときだけではなくお取引先と話しするときも、やる気を引き出すとか、士気を上げるとかそういった精神的部分には干渉しないようにしています。
リーダといえば、グループをまとめて、士気を挙げて、勝利に導くというイメージがあります。
これは結構独裁的で、基本的にはリーダについていかないといけません。
するとリーダー以外の人は考えることをやめてしまいますので、グループに所属している人数分の考えがあるのに、1つの考えしか生まれません。
たとえ助言をしたとしても、リーダーの思考がベースになっているので、それに沿った助言となり、全く違う方向の意見は出てきません。

みなさんのリーダーはどういう人でしょうか。
どんな人であって欲しいでしょうか。
それはこれからの社会のリーダーを決める時に役立つと思いますので、ぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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