「化粧品を売るなら。肌のことを語ってほしい。」
「化粧品以外の話をするなら、肌に良い食事を教えてよ!」
と肌に特化した話を求めるかもしれません。
そのほうが、記事は読まれるでしょう。実際に、肌に良い食事という記事はたくさんありますし、肌に良い食べ物みたいな話もたくさんあります。
しかし僕は、肌に特化した食事や肌に良い食事など無いと考えています。
食事を食べると、胃腸で消化吸収して、身体の色んなところに栄養を配り、それぞれの場所で必要な栄養が作られます。
ということは、まずは肌に栄養が届くには、胃腸や他の内蔵が元気に活動出来ていなければいけません。脳もちゃんと命令ができるように元気でなくてはいけません。
そして胃腸が消化と吸収をすればオッケーかというと、そうではなく、肌なら肌に栄養を届けなくてはいけません。今の運送業のように、人手不足であれば必要な場所にいますぐ届けることは出来なくなります。人手は足りていても、疲れ切っていれば、スピードは落ちてしまいます。
そして肌に栄養が届いて初めて、肌はその栄養を活用することが出来ます。
それが肌といっても、範囲はかなり広いです。身体の外側は全部肌です。ハンドケアといえば手の甲を想像すると思いますが、手のひらも肌ですし、足の裏も肌です。そのどこの肌にどれくらいの栄養が必要かを判断して栄養を分配する必要があります。それぞれの場所から報告書が脳に上がってきて、その報告書を読んでどうするかと考えるわけです。考えただけでも大変なことが想像出来ますが、これを肌だけではなく、身体の中すべてやっているわけですから、想像が出来ないくらいの激務が身体の中で起こっていることでしょう。
すると肌に良いものを食べたらその栄養は肌に届くなんて、そんな簡単なことではないことが分かると思います。
肌に良いものを食べたら、その栄養は肌に届く保証はどこにもないのです。
胃腸に使われるかもしれませんし、吸収されずに排泄されてしまうかもしれません。
吸収されても身体の色んなところに運ばれて、その栄養がどこに行くのかは分かりません。
そしてどこに栄養が運ばれるかの優先順位は人によっても違うんじゃないかと思います。
疲れたりストレスがかかったとき、すぐ肌が荒れやすい人がいますが、荒れない人もいます。
これは食事や家での環境など生活全体が全く一緒じゃないと、優先順位があるとは言えないので、僕の想像になります。
身体の仕組み自体は一緒だと思いますので、元々の優先順位が違うというよりは、ストレスの発散方法など日常の身体の使い方の違いによって優先順位が変わるのではないかと思います。
例えばストレスが溜まったときに、ご飯をたくさん食べる人がいます。すると胃腸は沢山働かないといけませんので、胃腸へ栄養補給が優先されるでしょう。嫌なことがあったときに、いつもより多く睡眠を取る人は寝ている間に身体が出来ることでストレス発散するでしょうから、寝ている間に働いているところへ栄養が優先的に届けられるでしょう。
身体を動かしてストレス発散する人は、運動によって消耗された部分へ優先的に栄養が届けられます。
ストレス一つ取っても人それぞれ解決方法が違います。
解決方法が違うと、身体の使い方や使う部位が異なるので、優先順位が変わってくるでしょう。
なので僕は肌に良い食事ではなく、身体に良い食事と、身体全体で考えたほうがいいと思っています。
身体のどこかに不調があれば、そこを早く治そうとしますから、その場所に優先的に栄養が届けられるでしょう。
すると、肌への栄養は減ってしまうかもしれません。
実際に肌が荒れる時は、何か不調があるときです。
体調が悪くて発熱があったり、すごく疲れていたり、花粉症で鼻が詰まっていたり、目がしょぼしょぼしていたりと、肌が荒れるときは、それ以外の場所で何かしらの不調があるはずです。
のぼせや火照りがあって顔が赤くなっていれば、顔の水分が飛んでいくので、乾燥肌の原因ははのぼせや火照りと考えられます。
しかしのぼせや火照りが起こる方は、のぼせや火照りは結果であり、原因は顔以外の部分で起こっていることのほうが多いです。となれば、やはり肌が荒れるときは身体のどこかに不調があると考えてみるべきでしょう。
身体のどこかの不調が、肌に影響するのであれば、肌荒れを防ぐためには身体全体のことを考えなくてはいけません。
それはつまり、きれいな肌を保つには健康でなくてはいけないということです。
健康とは身体全身の状態を指しますから、身体全身のことを考えないといけません。
健康を意識する時、肌に良い食事などピンポイントになってしまう傾向があります。
栄養は身体全身に巡ります。どこか不調があればそこに栄養が集まってほかが不足してしまうので、身体全身の状態を考えないといけません。
身体全身をそれぞれピンポイントで見ることは出来ませんし、未だに身体の仕組みはすべて解明されていませんので、ざっくり考えるしかありません。
むしろ、ピンポイントで見ようとすればするほど、気になるところばかりに目がいってしまいますので、ピンポイントで見ずに身体全身をざっくりと見ることが大切だと思います。
視野を広げるといってもいいでしょう。
視野が広がれば、肌が荒れた原因を見つけることが出来ます。
ときには複数出てくる時もあるでしょう。
原因が分かれば、「次は気をつけよう。」と考えることが出来ます。
ピンポイントで肌だけを見ていると、「スキンケア変えよ。」と原因とは違う行動を取ってしまいます。
健康というものをどのように捉えるかで、肌の考え方も変わります。
肌トラブルが起こったときの原因が分かれば、化粧品の考え方も変わるでしょう。
化粧品の表示方法は、多い順で1%以下は順不同です。
つまり配合%は書いていません。
配合%が書いていないとどれくらい入っているのか分かりませんし、そもそもその成分がどれくらい入っているのが良いのかは一般人には分かりません。
なので、化粧品の成分などを伝えて、化粧品のことを知ってもらうことよりも、そもそもの化粧品の考えが変わったほうが良いのではないかと考えています。
そのためには美容と健康は繋がっていますから、健康からもアプローチすることで、化粧品や美容の考えや取り組みが変わり、キレイな肌が維持できる人が増えれば良いなと思い、化粧品の話だけではなく健康の話もするようにしています。
もし肌が荒れたときに、肌が荒れた原因を考えている方は、身体全身をざっくり見たり、最近の生活を振り返って、無理をしているところがないかと、肌以外の部分も考えてみてください。
化粧品研究者こまっきー
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