化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

積み重ねで見えてくるもの。

最近はちょっとやっただけで出来ると思ってしまう人が増えているようです。

例えば、運転免許を取ったら「自分は運転が出来る。」と思うそうです。
おそらく今「えっ!?」と思った方は、運転免許を取ってからが練習の始まりだと考えているでしょう。まずは教習所のときに走った下道や高速道路で上手く走れるか、駐車場にすんなり止められるか、最初は不安なので助手席に親を乗せて運転していたことでしょう。
僕も教習所で走った道や自分の家付近や高速道路を一人でも走れるようになると、友達を車に乗せて海に行ったりBBQをしに行ったりしたものです。

本ではなく、YouTubeやSNSなどの動画で情報収集するからでしょうか。
ちょっとYouTubeで知った情報の分野を「自分は知っている。」と考えてしまうところがあるようです。
僕もYouTubeで情報収取することはありますが、観ていて感じることは、当たり障りない情報が多いことです。
YouTubeの規制が問題なのか、YouTubeで再生回数を上げることが目的になっているためか、当たり障りない情報をいかに満足感を生み出せるかにポイントが置かれているように感じています。なので、やはり本の方が情報量は多いです。

学校の授業もそうですが、人が話すと、話す人のテンポに合わせなくてはいけません。
なので学校の授業中に分からない部分が出てきても、先生を一旦停止することは出来ず、分からないまま先に進んでしまいます。
その点、動画だったら、分からない部分が出てきたタイミングで一旦停止して、自分で考えることが出来ます。巻き戻しして、何回も観ることが出来ます。

僕が高校生の頃に、東進という動画配信の塾が出来ました。
当時は実際に塾に行って、塾においてあるパソコンで授業を観るというスタイルでした。
動画なので何回も使い回せるのに、普通の塾より授業料が高かったので、「なんやこれ。」と思っていました。授業料が高い理由は有名な先生ばかりを揃えていたということらしく、東進に通っていた友達は「わかりやすい。」と言っていました。
ですがずっと座って画面を観ているだけなので、「すぐ寝てしまって、受付の人に起こされる。」とも言っていました。
今のYouTubeも同じだなと思います。

僕が実際にYouTubeで情報収集をしていて思うことは、どうしても流し見になってしまうことです。よく分からない単語が出てきても、いちいち動画を止めずに「後で調べよう。」と思います。そして動画を観終わった頃には忘れてしまいます。
巻き戻して観ることは、たまにしかありませんし、知らない言葉を検索することも少ないです。

その点、本は違います。
読むスピードは自分のペースです。勝手に次々進むことがないので、分からない言葉があれば、本の手を止めて意味を調べることが出来ます。一字一句読んで理解していかないと、読み進めると理解出来なくなるので、一字一句丁寧に読みます。
すると、YouTubeと同じ情報を収集していても、理解度が大きく異なります。
本の方が内容が濃いので、より深く知ることが出来ます。

YouTubeの方が動画なのでわかりやすいと思うかもしれませんが、本は文字のみで理解してもらおうとしています。身振り手振り、イラストなど色んな表現の仕方がある動画では、色んな表現の質が重要になり、どの表現をするかによっても観る側の理解度が変わってしまうので、表現のチョイスと質の自由度が高すぎます。
ましてやそこに、再生回数を上げなくてはいけないので、発信する側は「どの表現方法を使うか、どの表現の質を上げるか。」ということに悩むと思います。テレビのようにテロップなど動画作成の技術が必要になりますので、発信する中身のことよりも、発信のビジュアルの方に、エンタメよりに意識がいってしまうでしょう。

本ではたまに図や絵があっても、殆どが文字での表現になりますので、文字での表現の質を向上するだけでいいです。発信側の表現力が文字のみと制約されたほうが、他のことを考えなくていいので、発信の質は上がります。
「どうやって書けば読み手に伝わるか。」という、情報発信の本来の目的に直結してきますので、自然と中身が濃くなるでしょう。

なので僕は、YouTubeで知って興味を持った人の本は買ってみることにしています。
すると大抵はYouTubeで話していた内容よりも丁寧で分かりやすく、詳しく書かれています。
その本が面白いと思えば、作者の他の本を読めば、更に作者の考えやそのジャンルの知識を深めることが出来ます。
たまにYouTubeで話していることと同じこと書いている人がいます。そういうときはハズレを引いたと思うしかないです。またYouTubeと本で内容の濃さが変わらなければ、それ以上の情報はその人からは出てこないことが分かります。
誰から情報収集するかは大事ですから、失敗も勉強になります。

YouTubeでも自分が理解できない難しい話をしているアカウントもあります。
その場合はまずは自分がどこかで基礎を勉強しないからでないと、その動画を観てもチンプンカンプンです。
その時は大学などで取り扱われていそうな本を買って基礎の勉強をします。
基礎をYouTubeで知ろうとすると、情報が少なく、結局本を読まないと理解できないので、時間が勿体ないです。

YouTubeで知った人の本を読んで、またその人のYouTubeを観て気づいたのは、YouTubeの基礎動画は復習に使うといいということです。
本を読んだ後に、YouTubeを観て、分からないところが無ければ、自分はその情報をざっくり把握できていることになります。
簡単な小テストのように、YouTubeを活用するといいでしょう。

またリアルタイムの情報収取はYouTubeやSNSでの情報収集は有効です。
ですがそのリアルタイムの情報を理解するには基礎知識が必要になり、本が必要になります。

YouTubeの流し見で情報収集をすると、知ったつもりになりがちです。
僕も実際にYouTubeを観ていて自分でもそう感じることがあります。
内容は本より薄いのに、満足感を感じます。
それは見せ方のエンタメの部分であり中身の部分ではないのですが、テレビ以外にYouTubeという動画配信サイトが生まれ、色んなジャンルの発信が動画にされたことで、多くのジャンルがエンタメ化されました。
エンタメ化されたことで、エンタメ目線の面白さと知識が混ざってしまい、内容が薄くても満足度があるのだと考えています。
その満足度ゆえに、ちょっとYouTubeを観ただけで「自分は知っている。」と思ってしまうのでしょう。

先日ハリー・ポッターの映画と本の違いのことを書きましたが、まさにその状況が色んなジャンルで起こっています。ハリー・ポッターの映画と本は全然違います。映画は魔法アクションを楽しむエンタメです。本は思春期の子供の感情や行動を知り、教育について学ぶ、教育本です。同じストーリーでも、映像と文字で内容がこうも違うのかと、映画と本をみていただければ分かると思います。

最近、知り合いと会話しているときに僕がある有名な発信者の名前をあげると「ああ、あの人。笑」と小馬鹿にしたような返答がありました。明らかにその知り合いよりも発信者の方が知識は豊富なのですが、どこかのYouTuberがその人のことを批判していたのでしょうか。あざ笑うような返答だったことに驚きましたが、その知り合いはその人のことを知ろうともしたことがないでしょうし、本も読んだことがないのでしょう。

教習所に通って、免許が取れたら教習所で走ったところやお昼ご飯を食べに近くのラーメン屋まで車を走らせて練習をする。感覚として練習ですから、まだ自分は出来るとは思っていない状態です。
何回も何回も練習して、色んな場所の運転を経験して、ある程度自信がついてから友達を車に乗せてドライブに出かけるでしょう。
それでも「自分は出来る。」と思うことは、油断に繋がり、事故を起こしてしまいますので、なかなか「自分は出来る。」と簡単には考えないでしょう。

情報収集は底なし沼とも言ってもいいくらい、そこが見えないほど深いです。
そして深いところで色んなジャンルと繋がっています。
1つの情報を知ると、必ず疑問が残ります。するとその情報の基礎や過去の歴史を学んで疑問を解決しようとします。病気の治療や食事の話となれば、その時代の生活環境や時代背景を知らないと、現在の感覚で判断してしまうと間違った解釈になります。

僕は最近、山本七平さんの“日本人とアメリカ人”という本を読んでいます。
そこでは山本七平が体感した、日本人とアメリカ人の思考の違いが書かれています。
そこに書かれているアメリカ人の思考は驚きの感覚ですが、その感覚でアメリカの歴史を見ないと、間違った解釈をしてしまうのではないかと思いました。
今アメリカも大きな転換期を迎えていますので、この本で知ったアメリカ人の視点をベースにアメリカの変化を見てみると、今でとは違う理解が出来るでしょう。
すると、また今までは思いつかなかった疑問が生まれてくるでしょう。

なにか新しいことを始めるときに「自分に出来るかな。」なんて考えなくていいと思います。したいならすればいいんです。
それと今回話した「自分は出来る。」は違います。
知識や経験は底なし沼で、ゴールはありませんから「出来る。」という感覚になるのは相当の年月が必要です。
エンタメ化したことで、知識量以上の満足感を得れるようになってしまい、さわりだけで知っていると思ってしまうようになっています。

その満足感に騙されぬよう、積み重ねで見えてくるもの、積み重ねないと見えてこないものがあることを理解しておかないといけないでしょう。
みなさんも自分の過去を振り返れば、部活などでも積み重ねによる変化が合ったと思いますので、振り返って気づいていただき、エンタメ化された満足感に惑わされぬようにご注意ください。

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