化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

次の時代へ進むには。

今は時代の転換期と言われています。
平成から令和に年号が変わったということは、平成時代が終わって令和時代が始まったのですから、時代はもうすでに変わっていると考えられるでしょう。
今が転換期であると考えているのは、だいたい時代が入れ替わるときは、ぱっと入れ替わるというよりは、前の時代の末期と新しい時代の初期にはごちゃごちゃしたことが起きる傾向があるからです。
そのごちゃごちゃしたことは、前の時代で無茶をしていたことになります。

例えば昭和から平成に入ったときは、バブルが崩壊しました。
バブル絶頂期には東京の山手線内の土地の価格でアメリカ全土が変えたそうですから、今考えれば、国民が頑張って日本を活性化した以上の何かがあったと考えられるでしょう。

昔は深夜残業は当たり前で、手当がつくのかも怪しいけれど、働いた分だけお金が増えるといった雰囲気がありました。
なのでバブル経験者は今でもとにかく動きます。その反面、バブル経験者から20年くらい下の僕は動く前に下調べをします。動かないと何も始まらないのは分かるのですが、体を動かす前にネットで調べます。ネットの情報はリアルタイムではなく、発信者の先入観が反映されているので、実際に自分で見てみないと見えないことがあるのは分かっているのですが、まず最初に動くことに抵抗があります。

「なんでもっと動かへんのや。」
バブル経験の社長に聞かれたことがあります。
その社長から見れば僕はやる気がないわけではなく、むしろ頑張っているので助けてあげたいと思ってくれていたのでしょう。なにかあるたびに僕に仕事の話をしてきてくれたその社長には、動き回らない僕に違和感を感じたのでしょう。
その時は仕事についてや自分の病気についての話をしましたが、そういった個人的な話以前のことがあるように感じています。

それは、僕たち世代は動いたら入ってくるお金が増えるという経験が全くないからです。
アルバイトは時給ですので、働いた時間分の給料が入ってきますが、いくら頑張っても成果を出しても成果に合わせて時給が上がることはまずありません。若い店長が営むお店であればあるほど時給を上げようとせず、いつまでも研修価格で雇おうとします。
社会人になって最初は美容サロンの営業職に就きましたが、毎月の目標金額に達成出来なければボーナスは減額、達成できて普通のボーナス、更に成果があれば通常以上のボーナスが入ることになっていました。しかし、毎月の目標金額は前年の1.2倍ですので、目標金額自体が頑張らないとクリアできない設定になっています。前年8月に新規の売上が立ち、スターターセットが導入されれば、今年の8月には最低1件の新規契約が必要となります。すでに他の商品が導入されているところに営業をして、他のメーカーの商品と入れ替えてもらうことは結構難しいです。新規契約が出来たとしても、相手の都合もありますから、前年と同じ8月に契約を結ぶことは至難の業です。
上司たちも「ボーナスを減らすために、目標達成させないようにしている。」と愚痴をこぼしていました。

「だったら、頑張らずにまあまあで働いて、まあまあの給料でいいじゃない。」という思考になっていきます。
頑張った分が給料に反映されないなら、頑張るだけ損である。
そういう思考になる人が増えたのも、営業の経験から理解は出来ます。

今でも一部の会社では、売上に対してきちんと給料が反映されている会社もあります。
その会社では、営業マンは頑張り、目標達成すればご褒美に美味しいごはんを食べに行ったり、ブランドもののバッグを買ったりしているそうです。
ですが、“今どき珍しい会社”と誰もが思うでしょう。
昭和から平成へかけて、例えば仕事の1面では、こういった変化がありました。
これは徐々に変化していきましたが、バブル崩壊からすでに始まっていたと思います。

僕は独立してから「動かなあかん。」という気持ちで毎日飛び込み営業をしていました。
ですが成果は殆どなく、毎月の会計処理のときに動いた分の交通費を見て、「これは続けられへん。」と思いました。
動けば成果が出る経験がない僕には、動いても成果が出ないのが当たり前で、バブルという経験がないので元手もあまりなく、まあまあで飛び込み営業を続けるか、続けないかと営業方法を見直し動き方に修正を入れる傾向があります。
続けられるのは、あまりコストのかからない営業くらいです。
コツコツやるのは得意ですが、そこに出費が絡むと足取りが重くなります。
それでもやり続けないと成果は出ませんので、広告費など出費がかさむ営業方法は最低でも半年はやり続けて見直すようにしています。

家庭では、夫は深夜残業に出張に単身赴任が多く、家に居ないのが当たり前だったでしょう。
平成初期までに社会人になって結婚された家庭の多くの奥さんが「家に旦那がいないほうが気が楽。」と思っているのではないでしょうか。
僕が学生の頃、部活の応援に来ていた母同士の会話でも「今日と明日は出張で旦那おらんねん。」と誰かが言えば「えー、ええなあ。なんか美味しいもん食べれるやん。」という会話が聞こえていました。

今では深夜残業はなくなりましたが、女性も働くのが当たり前になりました。
深夜残業が無くなり、できるだけ定時で帰れるようになり、残業も何時以降は建物が閉まるので、仕事を強制的に切り上げて帰れるようになりました。
世間では女性が働ける社会を目指すことが平等であると言いますが、働く時間が短くなった分、人数を増やして女性にも働いてもらうようにしたとも考えられるでしょう。
夫は家事や子育てを手伝うようになりました。
一部の会社では男性にも育児休暇があります。
ですが、男性女性と体格や感性に違いがあるように、女性の力仕事には限界があり、男性の育児にも限界があるでしょう。
1つの家庭で大人二人が仕事が終わって家事をするという同じスケジュールをこなしていると、家庭の方が疎かになりがちです。安い日にスーパーには行けないし、食事も時短がベースになってしまいます。掃除も毎日行う家庭は殆ど無くなったでしょう。
男性は働き女性は家事をする時代から、男性も女性も働きながら家事をする時代に変わった後、令和ではこの2つの時代の経験からバランスを取ることが必要とされるでしょう。

バブル崩壊をキッカケに、仕事も家庭も大きく変わっていきました。
平成から令和にかけては、バブル崩壊のような出来事はあったでしょうか。
あの3年間がそれに当たるのでしょうか。
もうすでに大きな出来事を経験していたとしても、ニュースに大きく取り上げなければ、時代の変化は人々に認知されないでしょう。

平成から令和に時代は変わったのです。
今回は平成の天皇がご存命のうちに変わったのですから、年号の変化は天皇基準ではなく時代の変化なのでしょうか。

今のところ、平成から令和への大衆にも分かる変化は無いように思います。
それなりの出来事があったものの、問題提起もオチも特になく、起承転結の起の部分しか起こっていません。起承転結が進んでいないのであれば、まだ起すら起こっていないのかもしれません。
それでは人々の記憶に残りません。一部の人の記憶には残っても、殆どの人が時間が経てば忘れていってしまいます。
印象深い、面白い映画は、しっかり盛り上がりちゃんと起承転結して映画が終わります。
今回上映される映画の内容は、平成時代の無茶の崩壊であります。
人々の記憶に残るようにするためには、平成時代の無茶を、面白い映画と同じくらい印象深いストーリーにして上映する必要があるでしょう。

上映が始まれば、間違いなく令和時代の幕開けとなります。

化粧品研究者こまっきー

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