化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

同じような情報ばかり入ってくるときは。

SNSでの情報収集が流行ったのは、テレビなどの従来のメディアでは報道されない内容が知れるようになったからだと思います。
「テレビは本当のことを教えてくれない。」
そう感じている人たちが、SNSで自らの意見を発信し始めて、「確かにそうかも。」と思う人達がテレビからSNSへと流れていったのでしょう。
発信する時は、記事を引用リツイートしたほうが注目を浴びやすく、拡散されやすいので、なんだかんだで大手メディアの記事を引用して批判します。
ということは、なんだかんだで大手メディアを見ていることになります。

従来のメディアといえば、週刊誌も従来のメディアです。
SNSで「メディアは本当のことを教えてくれない。」という人達は、何故テレビや新聞は批判し、週刊誌には同調するのか分かりませんが、だいたいこの傾向があります。
「メディアは本当のことを教えてくれない。」と思うならば、信用出来ないメディアに週刊誌も含まれるでしょう。
特に週刊誌は陰謀論的な側面があります。ホンマか嘘か分からないような芸能人の実話?や、スキャンダル、あの話題の出来事の裏側など、人々が興味をそそりそうなタイトルの内容が書いてあります。
ですが、実際本当かどうかは分かりません。週刊誌を読むと興味のそそる話の内容は断定せず、ぼやかして書いています。嘘は書いてはいけませんが、“かもしれない話”は書いてもいいので、読み手は“かもしれない話”でも興味がそそれば「ホンマかあ?」と思いながらホンマであると思いたくなります。

週刊誌のかもしれない話に嘘が混ざってあることは、芸能人のラジオを聴くと良く分かります。
芸能人や芸人の、オールナイトニッポンみたいな大きい番組ではなく、地方のラジオ局で放送しているような、他愛もない話をしている番組で本音は語られます。
芸人が週刊誌で取り上げられると、そういう地方のラジオ番組で本音を語ります。コンビの一人が週刊誌に取り上げられた場合、もう一人が聞くわけです。「あれ、ホンマなん?」と。すると、「ここはホンマやけど、これは嘘。」と週刊誌の文書を1つずつ訂正していきます。
それを聞いて、僕は「週刊誌ってすごい上手にホンマと嘘を織り交ぜるんやな。」と関心してしまいます。

僕はメディアは嘘をついているというよりは、メディアは1つの視点から報道していると考えた方がいいと思っています。
例えば子供の頃に喧嘩をしたとき、先生から「最初に殴ったのはどっちか?」と聞かれたりします。一方的であれば「何故殴ったのか?」と聞くでしょう。「殴ったらアカンやろ!」と理由も聞かずに怒鳴り散らす先生は最悪です。

最初に殴った、もしくは一方的に殴った側は殴った理由があります。
むしゃくしゃしていたという勝手な理由も立派な殴った側の理由です。
先生は殴った側には理由を聞くでしょう。
殴られた側はたいていは被害者になりますから「大丈夫か?」と声をかけられることが多いです。「なんか殴られるようなことしたんか?」と聞く人が多ければいいのですが、そう聞く人は少ないために、殴られる側になることが多い子は被害者面をするのが非常に上手です。
そしてその喧嘩を見ていた子もいるはずです。
ですが、先生はまず喧嘩を止めると、周りにいた子どもたちに「あっちに行ってなさい。」と言うでしょう。

喧嘩が起こった場合、殴った・殴られた・見ていた、の少なくとも3つの視点があります。
後から来て止めに入った先生はこの3つの視点の意見を聞いて判断しないといけないのに、一方的に殴ってれば、殴っている子が悪いと決めつけます。
そして親に報告をします。

これがメディアと僕たちの関係に似ていると思います。
先生がメディアで親が一般市民です。
メディアが色んな視点を報道すると、見ている側は混乱すると思いますので、仮に1つのメディアが3つの視点から情報収集していても、メディアの視点でまとめた1つの情報を報道します。
それがどのテレビのチャンネルでも同じ内容ばかりだった場合、ある人は納得し、ある人は不審感を抱いて、週刊誌を読んだりSNSに発信したりします。

しかし不信感を抱いて週刊誌を読んで納得してしまう流れは、自分が腑に落ちる答えが書いてある記事を探しているだけになります。自分が思っている内容の記事がどこにも書いていないと「メディアは本当のことを話さない。」と思ってしまいます。
書いてあることから推測して「こういうことかもしれない。」と自分で試行錯誤するのはいいですが、自分が思うことが書いていないなら不信感を感じてしまうと、そういう人たちが納得するような記事を書くサイトが生まれます。
ではそれは、当初感じていた「メディアは本当のことを話さない。」の解決になっているでしょうか。

そもそも自分自身のことですら、言えることと言えないことがあるはずです。
ある出来事に対して、言える部分と言えない部分があるはずです。
人一人でもそういう事があるならば、政府という大きな組織になれば、言えることと言えないことの両方は必ずあるものでしょう。
そして僕たちの耳に届く情報は全て“言えること”だと考えられます。

なので大事なのは発信者の立ち位置です。
メディアがどういう立ち位置から報道しているかが理解できれば、大手メディアの報道に不信感を持っている人でも、大手メディアから情報収集するのは十分出来ると思います。
むしろ同じ立ち位置の発信者からの情報ばかり収集していると、偏った情報になり、“本当の情報”からは大手メディアだけを見ているときと同じように、遠ざかるでしょう。

子どもの喧嘩で、殴った・殴られた・見ていたの3つの視点があれば、子どもの喧嘩には3つの真実があると考えられます。先生はその3つの視点、3つの真実から、自分なりの真実を見つけないといけません。
真実は人によって変わりますから、真実や本当のことは教えてもらうのではなく、自分で考えて導き出すものだと思います。

大手メディアはどこも同じ視点の発信ですが、SNSも同じ意見の人の情報ばかり入ってきます。
SNSのおすすめは普段見ている人と同じような投稿が上がってくるので、同じような考えは集まりやすいです。すると、それが真実であるように錯覚してしまいます。
それでは“本当のことは”見えてこないでしょう。
ただ大手メディアからSNSの一部の意見に横滑りしただけです。

なので僕は色んな視点から情報収集するようにしています。
自分にはしっくりこない考え方の人の情報は毎日みるのはシンドいですが、たまになら見ることができます。
たまに見て、自分とは違う視点を取り入れるようにしています。
例えばこれから円高になるという人の意見と円安になるという人の両方の情報をみるようにしています。

これは化粧品の研究をしていて出来た癖かもしれません。
「今自分はこれが良いと思っていても、もっと知識を増やせば、考え方が変わり、今良くないと思っている成分も使い方次第では良いと思えるかもしれない。今の自分の知識が間違っていて、悪いと思っていた成分も良い成分かもしれない。」と今の自分の知識や先入観を半分疑いながら、研究をしています。
なので、自分と同意見の情報よりも違う情報があったときのほうが、「読んでみたい。」と思います。
そうやって、出来るだけ色んな情報、色んな視点を学び、研究して作って試し、1つの商品を作っていきます。

大手メディアと週刊誌だけではなく、SNSで個人の発信者が沢山生まれ、1つの出来事に沢山の視点が生まれました。
毎回全部の視点を情報収集するのはシンドいと思いますが、同じような情報ばかり入ってくるときは、自分から別の視点の世界へ行かないと、知りたい“本当のこと”には一歩も近づけないでしょう。

化粧品研究者こまっきー

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