2年前にWalk to Earnと言って、歩いて稼ぐというゲームが流行っていました。
web3関連のゲームだったので、「Web3ってなんなんやろう。」と普段ゲームを全くしない僕は、簡単に出来そうなWalk to Earnのゲームをやってみることにしました。
ゲームをしようと思ったら、まずはゲーム内に指定の仮想通貨を入金しないと始めれないゲームもありました。2年前は日本の仮想通貨取引所には無い仮想通貨は海外の取引所に登録して、日本円を入金し、仮想通貨を購入して、ゲームへ送っていました。
現在、銀行で海外へ送金する場合、反映されるには1週間かかると言われています。
それがweb3で解決出来ると言われれいることが素人の僕でも理解できるくらい、仮想通貨取引所の入出金は早く、数分で入出金が反映されます。
銀行のようにメンテナンスで利用できないことなどなく、24時間いつでも利用可能です。
ゲーム内へ入金が完了すると、その仮想通貨をゲーム内通通貨に変換して、キャラクターを購入してゲームを始めます。
スマホのアプリはアップデートしないとアプリが開けないものもあり、このゲームもアップデートがあるとアップデートしてからでないとゲームが出来ないようになっていました。
ゲームをやり始めて2日目、アップデートされて開くとキャラが消えていました。
「えぇ、ゲーム出来ひん!」となったものの、Twitter界隈でも同じような投稿があったので、
「まあ、アップデートで消えたバグなのであれば、次のアップデートで修正されるか。」と、新しいシステムなんだからこういうこともあるだろうとアップデートを待っていたら2日後にアップデートされました。
「結構修正されるの早いなあ。」
そう思ってアップデートをしてゲームを開けると、キャラは戻っていませんでした。
その3日後にもアップデートがありましたが、キャラは戻らず、
1週間待っても、キャラは戻ってきませんでした。
運営に問い合わせしても返信なく、徐々に諦めモードになっていた頃、Twitterでアプリを一度削除すると解決できるという投稿があり、その通りにしてみると元に戻りました。
スマホのアプリは何かトラブルがあって何をやっても治らなければ、アプリを一度削除することで解決出来る時があります。
初期からキャラが消えるというバグが起こっているアプリだと、「アプリを削除すればキャラも戻らないのではないか?」と心配になりましたが、アプリを消して再ダウンロードすると解決しました。
やり始めてすぐにバグが起こってゲームができなくなり、解決するのに1週間かかりました。
普段からゲームをせず、スマホゲームもちゃんとやってみようと思ったのは今回が初めてくらいです。
なので「立ち上げ当初のアプリではこういうバグもあるもんだなあ。」と思いました。
こういうバグがあって、ふと子供の頃にゲームボーイで遊んでいた頃を思い出しました。
昔の持ち運べるゲームは充電ではなく電池です。
そしてリアルタイムでセーブしてくれるような機能はなく、電池が切れたら、セーブしてない部分のデータは消えてしまいます。
かといって、余裕を持って電池を変えるなんてもったいないので、みんな電池が切れるギリギリまで使っていました。
電池が切れそうな時は何回も何回もセーブして、いつ電池が切れてもいいようにスタンバイしていました。
するとたまに、いいところで電池が切れる事もありました。
何回もセーブしないといけないのは分かっていても、いい場面でつい熱中してしまうとセーブするのを忘れてしまいます。するとボスを倒した後に電池が切れて、「うわ!ボス倒せたのに!!」とめちゃくちゃガッカリしたこともありました。
それでも電池が切れることはわかっていたわけで、電池を入れ替え、「まあ、あそこまでは一回やったし、すぐできる。」と電池が切れても前向きに考えて再チャレンジしていました。
今回のゲームのトラブルでそんなことが昔は何回も何回もあったことを思い出しました。
ゲームカセットが反応しなくてフーフーやったこともありますし、急にデータが全部飛んでいたこともありました。
ガッカリと怒りの両方が湧き出て、両方の気持ちを落ち着かせて、再チャレンジをしていました。
今のゲーム機は充電式でコンセントがあれば電源が切れることはないらしいです。
だから、電池切れによる無念を味わうことはなく、
ゲームで不備があれば、アプリ側の不備となり、クレームとなるのでしょう。
便利。というものに対して僕はいつも「これで良かったのか?」と考えるようにしています。
確かに、電池切れやバグによるデータ飛びは本当に残念な気分になります。
めちゃくちゃ腹が立ちます。
しかし、便利でそれを取り除くことによって、バグがあるものだと思っていた社会から1つでもバグがあればクレームになる社会へと変わりました。
便利で人の心が狭くなったみたいです。
そしてクレーム対応に追われるので、クレーム対応用の部署を作り、そこに人件費をさき、パソコンや電話などを揃えていると、今までと同じ売上では利益が落ちてしまいます。
すると無駄に物価は上がります。
なにかしらバグや不備は必ずあります。決してゼロにはならないでしょう。
化粧品下請け工場の研究所で働いていた頃、研究兼営業でしたので、新商品の際は工場へ立会に行っていました。
すると、まずお客さんから送られてきた資材に不備があります。化粧箱のインク汚れ、容器の傷は必ずあります。それも資材工場の基準でNGになるはずのものが入ってある時があります。工場では一定の基準を設けて不良品にするかどうか判断していきますが、工場で働く人はぱっと見ただけでは分からない傷に指を指して、「この傷、どうする?不良品扱いにする?」と立会に行った僕に聞いてきます。
僕は「え、どこ?」と聞き返し、目を凝らしてやっと見えるような傷でも、工場で働く人は瞬時に見つけます。凄いなと思います。
市場に出回った商品に不良品があるように、そんな人達がチェックをしていても不備は必ずあるのです。
便利な世の中になり、消えていったのは「嫌なこと、煩わしいこと」だったはずです。
嫌なことや煩わしいことが減っても、人は更に小さいちょっとした部分に目をつけ、昔より強くクレームを言うようになりました。
減ったことで、身近でなくなり、不備が特別で、とんでもないものに進化してしまいました。
普段からリモコンの調子が悪いとか、フーフーしたら直るとか、そういう感覚で生活していれば起こらなかったことに苛立ちを覚えるようになりました。
便利になったことで、短気が増えたようです。
これならば少々不便な社会で、電池切れでデータが飛ぶような社会だったほうが、諦めがついて、そのほうが社会の空気も良かったのではないかと感じてしまいます。
便利になれば、不便な部分への苛立ちは無くなると思っていたはずです。
それが、無くなったら他で苛立つ部分を探し、小さな小さなことに苛立ちを覚えるようになりました。小さくなりすぎて、どうしようもない事やもはやワガママと言っても良いようなクレームが問題視されるようになりました。
僕たちは便利になったことで小さいことに目が行き過ぎているのではないでしょうか。
自分の100%思うようには行かないことを、忘れてしまっているのではないでしょうか。
「これで良かったのか。」と
ゲームのデータが飛んでふと思いました。
化粧品研究者こまっきー
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