最近、若さは戦略として使われているなと感じています。
俳優やアーティストなどはベテランもいながら、若手も出てきてという感じでしたが、最近は若手の推しが強いというか、どんどん出てくるなと思います。
どんどん出てくる分、昔のように手塩にかけて育てるというよりも「後は頑張ってね。」といった風で、営業活動の戦略をアーティストにやらせている感じがします。
昔はどうだったのか、今はどうなのかは知りませんが、傍から見ているとそう見えます。
アーティストが営業までしているからか、自分の言いたいことを曲にするというよりも、ウケのいい曲や共感を得れそうな歌詞が多いです。
賛否あると思いますが、僕にはそう見えています。
これがビジネス戦略はなく、有名になるかどうかは自然に広がっていくかどうかで判断しているのであれば、アーティストもこんなことをしなくていいです。
しかし実際にはそうではなく、流行というのは作られたものです。
今は皆が知っているような大きな流行は無くなりましたが、流行自体がなくなったわけではありません。
流行は細分化し、それぞれの界隈で流行は作られています。
なので以前は耳にはしたことがある、テレビで見たことがあるアーティストが武道館でライブ
をしたというニュースを観ると親近感が湧いたりしていましたが、今は「こんな子ら全然知らんけど、そんな子らでも武道館でライブするんや。」という感覚になっているでしょう。
流行やビジネス戦略というは1人や1つのグループでするものではなく、界隈を巻き込んで行うものなので、アーティストが自らそれをしてしまうと、歌詞や曲調に影響が出ると思います。
1人や1つのグループが職人と営業の両方をするのは無理です。
職人は「自分はこれが好きだ。」という自分の感覚を大事にして、1つの作品を作っていきます。
営業はそれを世に広める人です。世に広めるということは、皆が興味を持つようにその界隈の人たちに合わせて営業をしていきます。皆に合わせないといけないので、自分の好き嫌いは二の次です。
職人は自分の好き嫌いを考えて、営業は皆の好き嫌いや世に広めることを考える。
全然違う2つの思考を1人が、1つのグループが職人と営業を兼業してしまうと、どっちかに偏ります。
営業寄りになれば、職人の部分が減り、皆の目線で曲が作られるようになるでしょう。
その分、売上は上がるのですが、コアなファンからすれば「なんか変わった。」と感じます。
実際、曲でも小説でも、そう感じたことがあると思います。
職人寄りになれば、売れるかどうかは運次第です。
皆のことを考えて曲は作れないし、自分たちが嫌な営業は出来ません。
「口パクの歌番組でも出た方が曲は売れるよな。」と分かっていても、口パクが嫌なら歌番組に出ることすら出来ないです。
「融通がきかへんな。」と思うかも知れませんが、職人はそれくらい自分の考えがしっかりしていないと、職人として続けることは難しいでしょう。
職人は自分が考えていることを、皆にどう伝えられるかということまでは考えられても、皆が好きそうなことは出来ないのです。
職人を有名にするには、営業マンが必要です。
営業マンが説得し、いやいや口パクして番組に出ているくらいが丁度いいのです。
「最近はSNSがあるから、職人でも上手く発信すれば良いじゃないか。」と思うかも知れません。
しかしそのSNSで上手く発信するには、SNSのアルゴリズムに合わせて発信しなくてはいけません。昔だったら投稿は質より量だったり、流行りの言葉を使ったり、流行りの動画を投稿したりと、個人で発信できるツールであっても、営業寄りにならないとSNSで注目を浴びることは出来ません。
SNSで若い子達が有名になり、その分野が注目を浴びるということは、以前からありました。
TwitterやFacebookが出てきた頃から“若い起業家”がもてはやされました。
“若くても有名になれる”と、有名になることだけが夢ではないはずなのですが、「若い子たちにも希望が持てるように。」と言いながら、投資家たちは若い起業家に投資をして、メディアに露出させました。
その後「夢を抱いて起業したのに投資家の意向を聞かなくてはならず、自分のしたいことはまるで出来ない。」という若い起業家の声がニュースになっていました。
SNSを観るのは若い子が多いという印象があります。
今ではYouTubeは殆どの年齢層が利用していますが、やはり多いのが10-30代です。
若い世代が観るSNSにベテランが活躍している動画を観るよりも、若い子が活躍している方が「自分もなりたい。」と思います。
昔はこれがサッカーや野球などのスポーツでした。
サッカーや野球で有名になろうと思うと、小学生や中学生の頃からやり始めます。
有名になれるのは早くて20代前後で活躍できるのは30歳くらいまでで、有名になれるのはごく僅かでした。
10年以上練習に励んで、有名になれるのがごく僅かでした。
社会が押し出す子供の夢が今と昔では随分変わってしまいました。
スポーツ選手になれなくとも、野球やサッカーなどの厳しい練習を積み重ねてきたことは、今後の人生で躓いたときに踏ん張れる体力となるでしょう。
なんだかんだで自分を鍛えています。
今はだいぶエンタメ化しています。
社会の流れに乗らないと有名になれないのですから、流行関係なく練習を積み重ねるのではなく、常に社会の流れを読まなくてはいけません。
自分の感情もペースも上手く掴めていない状態で、流行に乗って有名になることばかり考えていると、知らず知らずのうちに精神的な負担が積み重なっているのではないでしょうか。
大人が子供に、一般的にスポーツ選手に憧れをもたせるのか、今のような職業に憧れをもたせるのかで、子供の頃に鍛えられるものが変わってきます。
スポーツ選手に憧れを持つことが当たり前だった時代が良いとは思いませんが、子供の頃に上手くなるには積み重ねが大切であることを体感しておくことは必要でしょう。
特に今のような、なんでも簡単に出来そうな社会であるからこそ、積み重ねの大切さを知っておく場所も必要です。
若けりゃいいんってもんじゃないはずですが、“若い”っていうだけで注目されてしまいます。
自然と注目されるから、それを使ってビジネスを仕掛ける、戦略を仕掛る人が必ず出てきます。
そんな中で育つものはエンタメ思考ですから、仕掛ける側の餌食になってしまいます。
インターネットが普及していくたびに、20代の起業家、高校生の起業家、若いYouTuberと若さの推しが強くなっていったなと感じています。
何か新しい策を練るときに“若さ”を推していくパターンが増えていると感じています。
すると若い子はビジネスの駒になります。
ビジネスを誰が動かしているのかと言えば年配の人たちですから、若者へ世代交代といいつつもビジネスが変わったわけではないでしょう。
これはビジネスだけじゃなく、どの業界でも若い子を出してきています。
普通に考えれば、無理そうな経歴の人もいます。
バックに誰かがサポートしているとしか思えません。
音楽ならジャンルを変えて、ファッションならジャンルを変えて、政治なら政策を変えて新しさを見せてきましたが、方法ではなく年齢が使われているなと思う今日この頃です。
若さが最近の戦略なら、若いというだけで判断してはいけないでしょう。
化粧品研究者こまっきー
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