化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

読書で自分のペースを取り戻す。

春は社会のペースに合わせる季節です。
新入社員が入ってくると今までと環境はガラッと変わります。
去年は教えてもらっていた新入社員は、今年は教える側に変わります。
部署が変われば、人も仕事内容も変わります。
自分は部署も役職も仕事内容も特に変化がなくとも、部署の誰かが入れ替わると環境は変わります。部署関係なく営業所内で誰かが入ってくると、それだけで環境は変わります。
各部署のトップが変われば、「あれやって、これやって。」の基準が変わるからもう大変です。

学生は新学期にクラスが変わります。
どこのクラスに行くかは文理の選択以外は選べないので、去年友達だった子と別れることもあります。
2クラスしかなくても、50%の確率で離れてしまいます。
去年仲良かった子と離れてしまったら、また新たに人間関係を作らないといけません。
これは結構大変で、家に帰っても親も同じような状態で大変そうなので誰かに話すことが出来ずに、GWが来てホッとして、5月病になるのではないかと思います。
ですが僕たちが生きている社会は人と人の社会ですから、こういうことに慣れていかないといつまで経っても社会に馴染めません。

大人になると仕事に行ってお金を稼がないと生活が出来なくて困りますから、無理やりにでも動こうとします。
子供の場合はお金を気にしなくて良いのですから、“いつでも逃げれる精神”で、とりあえず1年やってみたらどうかと思います。1年やってみてダメだっても、来年にはクラスが変わりますから親は「今回はいけるかもよ?」と励まして、「とりあえず1年やってみたら?」と声をかけてまた1年学校に行かせてみてみる。
繰り返してもダメだったら他の策を考えてみるしかありませんが、一人では生きていけませんし、いつまでも親が面倒をみれるわけではありませんから、子供のうちにコツを掴んでもらうしかないでしょう。
子供の頃はクラス替えはドキドキするし「出来れば同じままがいい。」と思うわけですが、1年ごとに環境が変わることは、子供の人間関係の勉強になることでしょう。
そういう意味では、英数特進クラスはクラスのメンバーチェンジがありませんので、学校教育としては1つ欠けているなと感じています。

このように、春は社会の大きな変化に流されながら、社会の中での自分のペースを作っていく季節です。

夏は夏に流される季節でしょう。
春とも秋とも冬とも違う明るさが夏にはあります。
実際に冬休みやシルバーウィークよりもお盆の方がアクティブに動く人は多いです。
アウトドアも夏が盛んですし、夏の明るさは自然と体が動きます。
なんか分からないけど、どこかに行きたくなる。
この気持ちは夏特有のものです。
どこかにお出かけをするのは年中あるはずですし、冬休みでもシルバーウィークでも旅行に出かけているはずなんですが、夏休みのお出かけは特別記憶に残っていたりします。

冬は社会の1年の集大成の季節です。
年度で言えば3月が最後ですが、皆の気持ちは12月が最後でしょう。
4月に始まり、12月で終わる。
1月から3月は今年度の整理と次に向けての準備のような雰囲気があります。
忘年会に新年会と大きな集まりなら別に夏もやっているでしょうに、年の変わる冬の時期の集まりにはお盆のときとは違う特別感があります。
「そりゃあ年が変わるんだから。」と思うかもしれませんが、カレンダーでは1月が新しい年の始まりで、会社は4月が新しい年の始まりで、2つの社会のルールが平行して存在しているのはなんだか不思議な感じです。
僕は昔から、「年が新しくなったって自分は自分のままで急に変わるわけでもないのに、この1秒の差でなんでこんなに喜ぶのだろう。」と不思議に思っていました。

自分が何か目的を達成すれば、分かりやすい節目となります。
誰かとお付き合いをするとか、結婚することも、実感できる節目です。
しかし12月31日から1月1日の変化は特に何も感じません。
学生の頃だと、去年やっていなかった冬休みの宿題がなくなるわけではないし、去年の借金は年が変わってもそのままでしょう。
なので僕は今でも12月31日から1月1日に何が起こって、社会がこんな雰囲気になっているのか、年末年始になぜそんなにも集まろうとするのか、よく分からずに毎年ついていけていないのですが、冬は社会の1年の集大成の流れに流される季節となります。
完全に流されて色んな忘年会に参加していると、体調を崩します。

そんな中、秋は唯一、自分のペースを考えれる季節です。
夏の終わりで皆が名残惜しくなっていて、夏の思い出に浸って周りのことが見えていない今の時期は、社会に大きな流れがありません。
学生だと体育祭や文化祭がありますが、それは10月や11月ですので、もう少し先です。
なので特にこの9月は大きな流れが何もなく、唯一社会的に自分のことを見つめることが出来る時期です。
そこで、読書の秋なんて言われますが、自分のペースを見つけるために読書をオススメします。
映画やドラマ、YouTubeはダメです。
ラジオもダメです。
映像や音声があると、その映像や音声のスピードに自分が合わせなくてはいけません。
世界各地を飛び回っているアクション映画を観ていて、わざわざ一旦停止してその場所をスマホで調べるなんてことしないと思います。
映像や音声は次々に情報が入ってきますので、ちょっと気になった事もすぐに忘れてしまいます。「後で調べて、今はとりあえず観よう。」と思っていても観終わったら忘れています。

その点、本は違います。
自分で読んでいかないと新しい情報は入ってきません。
物語は進んでいきません。
ながら見や流し見が出来ないのが、本です。
自分で意識して文字を読んでいかないと、進まない本は自分のペースで読むことが出来ます。
つまらない本は全然話が進みませんし、面白い本は次々にページをめくってしまいます。
分からない意味の言葉があっても、調べやすいのが本です。
スマホの画面をタップして止める必要はなく、本から視線を逸らすだけで一旦停止出来ます。
一旦停止しやすいので、調べたいときに調べやすいです。
僕は本を読みながら、すぐ隣にスマホを置いています。
意味の分からない言葉や、歴史背景を知らないと理解できない内容になったとき、すぐに調べます。
本は自分のペースで情報をみることができます。

よく速読についての意見がありますが、僕は速読は結果だと思っています。
勉強の本でも、自分が知っている内容であればスラスラ読めます。
知らないジャンルで言葉の意味もさっぱりであれば、全然進みません。
その時は言葉の意味を1つ1つ調べていかなければいけません。
ただ本を読んでいても、理解していなくては意味がありません。
速読さえできていれば良くて、内容がさっぱりでいいのであれば、誰だって出来ると思います。
パラパラ漫画みたいにめくってしまえば数秒で本は読み終わります。
中身の理解が出来なければ、パラパラ漫画と動作は同じです。
なので速読よりも、中身の理解の方が大事だと考えています。
とはいえ勉強の本は1回では全部を理解できませんので、何回も読んで理解すれば良いと思います。すると、初めて読んだときよりも、早く読み終わります。

自分のペースは、自分の呼吸とも言えます。
映画やドラマやYouTubeは相手の呼吸です。
YouTubeで誰かが話している動画を観ることは、話している人の呼吸に合わせて観ています。
相手の呼吸と自分の呼吸が一緒であれば、理解も出来るし観ていて気持ちがいいです。
相手が自分にとって早口であれば、自分の呼吸が留まって全然理解できませんし、ゆっくり話されると呼吸をするタイミングが分からなくてイライラします。
そういう意味で呼吸とペースは近いものがあります。

本を自分のペースで読んでいると、自然と自分の好きなリズムで呼吸をしています。
クライマックスでハラハラしていても、次々ページを捲ってしまうあのスピードは、作者につられながらも、自分のペースで読んでいます。
決して作者が勝手にページを捲っているわけではありません。

昔は家に帰れば、自分の部屋には誰もいませんでした。
家には自分と家族しかおらず、社会との繋がりはテレビくらいで、自分の部屋にテレビがあるのは珍しいことでしたから、自分の部屋はまさに自分の部屋でした。
今は1台のスマホがどこにいても社会との繋がりを作ってきます。
自分の部屋にいても映画やYouTubeを観ていては、自分のペースを取り戻すタイミングがありません。
今の若い子達は自分のペースを持ったことすらないんじゃないかと思います。
子供の精神疾患が増えている原因の1つに自分のペースが作れていないことはあるはずです。

9月は1年で唯一社会的に自分のペースを取り戻しやすい、見つけやすい時期です。
自分のペースを取り戻すには、本は非常に役立ちます。
本の内容は自分が興味があるものであれば何でも良いので、ぜひこの時期に本を読んで、自分のペースを取り戻しましょう。

化粧品研究者こまっきー

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