今までも勉強はしていたのですが、今年は特に勉強の年であると感じています。
今までの勉強する分野はもっぱら化粧品関係でした。
僕は化粧品の研究をしながら、自社ブランドを出しています。
研究所に勤めていた時は研究しながら、新しい原料であったり論文は読んで勉強していました。
化粧品以外の分野に興味を持ちはじめたのは、独立してからです。
会社を立ち上げると、世間の流れが気になり出します。
研究所で働いていた時から起業するつもりはあったので、社会の動きは気にしていましたが、それは化粧品業界の動きでした。
僕が勤めていた会社は町工場のようなところで、営業マンがいませんでした。
研究が直接お客さんと商談するという、ちょっと変わったスタイルを取っていました。
とは言え研究兼営業をしていたのは、当時は部長と次長くらいでした。
僕は今後のためにも研究だけではなく、化粧品業界の色んな人たちと接してみたかったので、「研究兼営業やります!」と言って、担当のお客さんのところへ自分で作った試作品を持って行って商談をしていました。
下請けの化粧品会社で働いていた僕は、下請け目線での化粧品動向は分かります。
単純に会社に来るリピート注文の速さや回数などで判断できます。
色んなメーカーの商品を作っていますし、絶えず新しい商品の試作をしているので、今何が求められているのか、何が売れているのかは、試作依頼や注文の種類と量で知ることができます。
自社ブランドを持ったメーカーではないからか、商談した営業マンがポロリと口をこぼしていくこともあり、裏話みたいな情報も入ってきていました。
そんな裏話は営業をしていると入ってきます。
化粧品業界でも僕らとは違う商売をしている人の目線は、僕ら下請けにはわからない社会の変化がありました。
あるメーカーから新商品の依頼があり、試作を進めて、中身は合格、容器も決定しているのに、中々注文が来なかった時がありました。
「社内で何かあって頓挫してしまったのか?」と思って、商談に行くと、聞かなくとも向こうから話してくれました。
下請けとは違い、自社ブランドを販売するメーカーにはどんな障害があるのかと知りました。
そこで知った情報がのちのち、自分で起業して商品を出すときに役立ちました。
自社から分かることと、他社との商談で知った情報から流れを読み取っていると、僕が化粧品の下請け会社に勤め始めてから、1年単位で変化しているように感じました。
独立してからは化粧品業界の動きだけではなく、社会全体の動きを知ろうとするようになりました。
化粧品業界で感じた1年単位の変化は不況の兆しでしたので、それが社会全体ではどうなのか?というところが気になりました。
ずっと不況だと言われていますが、体感していた人は少なかったと思います。
僕も体感したのは8年前に研究所で働いていた時でした。
今では僕が数年前に感じた不況の兆しを体感している人は多いと思います。
1人ではありますが会社を経営している身として、この場合どうすればいいのかを考えます。
従来の社会のサイクルがちゃんと回っていれば不況にはならないでしょう。
多少不況になっていても、体感する人は少ないでしょう。
体感する人が増えているということは、従来のサイクルが上手く回っていないということです。その場合、従来のサイクルが正常に作動するまで待つべきなのか、新しい場所を探すべきなのか考えるかもしれません。
この数年で急にECサイトが増えたのも、助成金が出たということもあるかもしれませんが、従来のサイクルが上手く回らなかったからでしょう。
じゃあ新しい場所は仮にネット上だとして、自社ECでいいのか、AmazonのようなECモールに出店するのかでも変わってきます。
営業方法も、かかる費用も変わってきます。
調べて、勉強して、考えなくてはいけませんし、時には実際にやってみないとわからないこともあります。
新しい場所のことを考えながらも、従来のサイクルが回復するのか?従来のサイクルが崩れた原因は何なのかを知らなければ、新しい場所を選んだつもりが従来のサイクルの中だったりします。
新しい場所でも従来のサイクルと全く縁がないということにはなりませんが、一見同じようなECサイトでも、従来の社会の仕組みの中だったりします。
化粧品業界の流れを知ることから、社会全体の流れまで自分の興味は広がっていき色んな分野の情報を収集しました。
情報収集しながら、わからないところは本を読んで勉強するようにしています。
最近感じていることは、歴史を知らないといけないのではないかということです。
歴史といっても、僕たちが学校で習った“鳴くよ(894年)うぐいす平安京”のような年号と出来事ではなく、そのときの社会の動きの方です。
まだまだ歴史を勉強している最中なので、深い話ができるわけでもないのですが、時代が変化するときの動きは過去の歴史が参考になるのではないかと思います。
これは「だから、こうなる!」という話ではありません。
予測は大体外れるものです。
予測ではなく、大きく捉えてどうこうことになり得るのか、いくつかのパターンを想像しておきます。変化が大きい時は、まずは流れを眺めるというやつです。
歴史が参考になるのではないかと思うのは、基本的な思考が変わっていないと思うからです。
特定の宗教がある国でない僕ら日本人にはよくわからない部分ですが、宗教を信仰している国の人々は宗教をベースに生活しており、それゆえに今も昔も思考に大きな変化がないように感じています。
馬が車に変わり、電車が走り、対面で話すだけだったのが電話に携帯電話にスマホの時代になって、モノが変わってもヒトが変わっていないように感じています。
なので、変化のときに世界中の人がどういう行動に出るのかを予測するには、今起こっていることを読み解くには、宗教のことを知らなくてはいけないのではないかと思いました。
そう思って、この間佐藤優さんの著書“はじめての宗教論”右卷と左卷を読みましたが、ちんぷんかんぷんでした。しかしやはり宗教を信仰される人にはその宗教の考えがベースになっていることから、行動も影響されると考えています。
時代が変化する、不況を体感した時に「どうすればいい?」と答えを求めても、その答えを知る人は1人もいません。
株の予測があったり外したりしているように、未来のことは誰にもわからないでしょう。
変化する時は特に従来の方法で予想しても予測は外れるでしょう。
なので答えを求めるのではなく、その変化を理解するために勉強する必要があります。
目先の答えではなく、今の変化を理解するために必要なもの。
それが僕の場合は、歴史や文化、宗教ではないかと思っています。
人の思考の文化と言ってもいいかもしれません。
従来の社会サイクルが上手く回らなくなると、焦ります。
変化していると、新しいことをチャレンジしても上手くいかなかった場合は大きな損失になる可能性もあり、どうしようか悩みます。
こういう時に一番アテにならないのは“オススメ”です。
なので僕は今は特に勉強して、決断に迷いが出ないように知識を蓄えたい、今年はそういう年にしようと色んな本を読んでいます。
化粧品研究者こまっきー
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