「第一印象は3秒で決まる。」という話はずっと前からあります。
第一印象を重視することは一時的な流行り物かと思えば、定番になりつつあります。
最近ではルッキズムという言葉を耳にするあたり、年々重視されているのかもしれません。
第一印象があまり良くない僕は、大学生の頃に第一印象を良くする系の本を買ったことがあります。買って試してみましたが、全く効果がないどころか、余計に警戒されました。
当時の僕はバンドをやっていて、ヴィジュアル系バンドが好きでしたので、そういう服装をしていました。
僕の世代のヴィジュアル系バンドといえばシドやJanne Da Arcですが、僕が好きなのはLUNA SEAやXjapanでした。なので服装はちょっとキレイめの(?)ヴィジュアル系、お兄系ファッションでした。ブランドでいうと、5351 POUR LES HOMESやGalaabenD、ato、kiryuyrik、Roenなどです。
ビジュアル系の服装というよりは、LUNA SEAのメンバーたちが着ているような服を探していましたので、どちらかというと、全身真っ黒のキレイめモードではないかと思っています。
すでにビジュアル系ブームを過ぎ去っていて、僕らの世代で人気のバンドは、ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPSでした。
そんな中、LUNA SEAを知らない世代で真っ黒でちょっとヴィジュアル系っぽい服装をしていると、いくら本の通りに第一印象をよくする行動を取っても何の効果もありませんでした。
キレイめモードは一歩間違えればホストに見えますので、変に明るく喋ると余計に警戒されました。
大学の頃の第一印象の悪さは服装のせいにできますが、おそらく中高生の頃から第一印象は良くなかったと思います。
中高生の頃は皆と一緒の制服を着ていましたので、見た目に違いはないですから、なにか変なオーラを発していたのでしょうか。
高校3年生の春に仲良くなり、大学生や社会人になっても時々遊んでいて、昨年は結婚式に呼ばれて出席したくらい仲の良いその友達は、僕のことを高校1年生の頃からクラスは違うけど知っていたと言い、1年生の頃の僕は「怖かった。」と言います。
チビでクラスではパッとしない存在だったはずなんですが、取っ付きにくいではなく怖いという印象だったようです。
社会人になってからはサンローランが好きでしたので、服装は細身のジーンズにシャツにジャケット、秋冬はシャツの上にニットを着て、チェスターコートを羽織っていました。
髪色も明るいわけではなく、大学生の頃は襟足が長いのが流行っていましたが、社会人の頃から襟足は短く重ためのヘアスタイルが流行っていましたので、僕のその流れに乗っていました。
韓流のような前髪重ためのヘアスタイルにデニムシャツに黒いデニムパンツというファッションで、友達に誘われた合コンに行ったのですが、女性からえらく警戒されました。
お互いダンマリではしんどいですから「何か話さなあかんやろ。」と思って話しかけても警戒心は解けずに会話が成り立ちませんでした。
その合コンは友達が企画し、複数のテーブルで行っていたので、自分のテーブルで楽しむことを諦めて、主催者のテーブルで友達と喋っていました。
どうやら僕は何をどう頑張っても第一印象は悪く見えるようです。
「そこでそもそも第一印象はそんなに大事なのか?」と自分が仲良くなった、仲が悪くなった子のことを思い返してみました。
学生の頃、第一印象が悪くて近寄りがたいと思っていた子が話してみると第一印象よりも良くて仲良くなったことがあります。
反対に第一印象が良くてすぐに仲良くなった子が、結構だらしない子で一緒にいるのが嫌になったこともあります。
学生の頃を思い返してみるだけでも、第一印象は全く役立っていないどころか、付き合いが続けば第一印象とは反対になるのがよくあったなあと気づきます。
むしろ第一印象のままでいることは殆どないです。
付き合いが続くと良くも悪くも色んな部分が見えてきますから、第一印象からはずいぶん離れていくと思います。
第一印象のときは「あの人はこういう系の人ね。」と分類しても、その分類に当てはまらなくなっていきます。
そもそも全く同じ人は1人もいないので、分類できるものではないのでしょう。
なので3秒で決まる第一印象はあまり信用するべきではありません。
第一印象はこっちが決めつけた勝手な相手のイメージ像です。
相手のことを何も知らないのに、「ああ、この顔とこの服装はあっち系の人か。」と過去の自分の経験から作られた先入観です。
過去の経験から、警戒するべき印象の場合は警戒するべきでしょうが、第一印象で感じた警戒をしながら、その人のことを見るべきです。
でなければ、仲良くなれるはずの人と仲良くなるチャンスを逃してしまいます。
話してみればすごく気が合うかもしれないのに、第一印象を重視していると、気が合う人と出会えなくなります。
第一印象はいくら良くしようとしても、僕みたいに裏目に出ることがあります。
第一印象が良くても、話し始めてボロが出れば終わりです。
必要なのは第一印象という、3秒をどうするかを考えることではないでしょう。
第一印象を良くしようとすると、出会って3秒というかなり表面的な自分しか磨くことができません。
1日の活動時間は限られていますので、同じ時間で3秒を磨く人ともっと内面を磨いている人には大きな差が生まれます。自然と3秒という表面的なことに意識がいくので、他のことでも表面的に解決しようと考えてしまいます。
第一印象が良い人で判断してしまうと、失敗する確率は上がるでしょう。
その人を知る前の印象なのですから、「こんな人だとは思わなかった。」と感じるのは当然といえます。
第一印象を重視することは双方にとって良くない結果になりがちです。
そんなことよりも、話す機会ができたのだから、30分でも1時間でも話してみて感じる部分を重視した方がいいです。
一体、すぐ潰される3秒の第一印象はいつまで大事にするのでしょうか。
化粧品研究者こまっきー
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