化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

人生100年時代洗脳。

人口減少がもはやどうしようもなくなった時、自分がトップだったら何をするでしょうか。
人口増加の策を色々やってきたけれど、どう考えてもこれからは減少の可能性が高く、増加が見込めない。

その場合、まず気になるのは労働市場でしょう。
働き手が少なくなれば社会が回らなくなりますから、長い目で見て働き手を増やさないといけないです。
これから人口は減少するけれど、平均寿命が伸びている場合、働き手の年齢を引き下げるよりは引き上げることを考えるでしょう。
1975年頃は定年が55歳だったそうです。それが1986年には60歳まで定年努力義務化、1990年には65歳までの継続雇用措置が努力義務化となりました。
その後は定年の上限ではなく、下限の引き上げがあり、1994年に60歳を下回る定年が禁止されました。
2013年に施行されたらしい高年齢雇用安定法によって、来年4月からは65歳までの雇用確保が義務付けられるそうです。また2021年からは70歳までの雇用確保が努力義務となっています。こうしてみると努力義務化は「今後こうなるよ。」と言っているようなものです。
つまり1975年頃に就職した人は、どんどん定年が伸びていく、ゴールがどんどん伸びていく非常に嫌な感覚を味わっていたことでしょう。
余談ですが、こうしてみると、今年に入ってからの希望退職者募集が増えていることは、金利の引き上げや景気の悪化だけではなく、65歳までの雇用確保義務化も影響しているのかもしれません。

定年の延長と平均寿命は関係あるのかと思って調べてみました。
定年を55歳から60歳に上げた1975年と1986年の平均寿命を比べてみると3歳伸びています。
定年を60歳から65歳に上げた1985年から1990年と1994年は、1、2歳しか変わりませんでした。
この頃は努力義務ですし、人口も増加傾向でしたので、今のような働き手不足を懸念した定年引き上げではないから努力義務程度だったのでしょうか。

この平均寿命というは、勘違いしやすいです。
おそらく平均寿命が伸びていると聞くと、長生きできていると感じると思います。
しかし平均寿命は人が亡くなった年齢の平均値なので、子供も含みます。
昔は今ほど設備が整っていなかったので、子供の死亡率が今より高かったです。
なので昭和から平成にかけて子供の死亡率が下がったので、平均寿命が伸びたともいえます。
インフラ整備されて、子供が体の面で健康に育ちやすくなったとともに、高齢の方も元気に長生き出来るようになっているので両方の側面で平均寿命が伸びていると考えられますが、平均寿命が伸びた=長生き出来ているという事ではないことに注意しないといけません。

平均寿命が伸びた=長生き出来ているという先入観を利用して、発信されているのが“人生100年時代”です。
2019年には平均寿命が男性81歳、女性87歳となり、2040年には男性83歳女性89歳になると予測される今、ライフスタイルの見直しをするべきであると言われています。
今までも平均寿命が伸びたことを理由に、定年を伸ばしてきました。
今までの平均寿命は約80歳で、教育は20年、仕事は40年、老後は20年の割合になっていました。
2040年の平均寿命予想は83-89歳なのに人生100年時代というスローガンは不思議なのですが、平均寿命80歳での割合を100歳に置き換えて考えているように感じます。
すると教育は25年、仕事は50年、老後は25年となり、教育と仕事合わせて75歳になります。
そこでまずは年金受給開始の年齢が65歳から70歳の案が出ているのでしょう。
これをすんなり受け入れてもらうには、“人生100年時代”というキャッチフレーズを連呼することで、洗脳するかのように「70歳、75歳まで働くのが新しい人生設計」であると思い込ませなくてはいけないでしょう。

一体“人生100年”はどこから来たのか。
平均寿命が100歳になるわけでもなく、そもそも平均寿命は子供も含んだ平均寿命であり、今データとして出ている平均寿命は2019年のものです。
2020年以降は死亡者数が増えていますから、2019年とは状況が変わっているはずです。
自分が何歳まで生きられるのか分からないのに、とりあえず60歳まで頑張って働けば、ゆっくり出来ると思っていたら、65歳、70歳とどんどん働く期間が伸びていく。
どんどん老後のゆっくり出来る時間は狭まっていっています。

僕が就職した頃は65歳まで働くのが当たり前になっていましたし、まだ32歳の段階で65歳が70歳に伸びてもあまりピンと来ませんが、1980年頃から働いている人からすると、たまったものじゃないでしょう。
僕なら終わりの見えない労働に疲れ切ってしまいそうです。

今は「65歳を過ぎても元気な人が多いから、働きたい人は働けるような環境づくりを。」と言っていますが、年金受給開始の年齢が70歳に引き上げられようとしているあたり、70歳までの労働は強制のようなものになるでしょう。
“人生100年時代”の洗脳が上手くいけば、教育と仕事で75年ですから年金受給開始は70歳から75歳に上がるでしょう。
平均寿命が100歳にならないのに、“人生100年”としているのは、それだけ広げて年金の支払いを増やし、受給を減らさないとやりくり出来ないからではないでしょうか。
正直に「お金がない。」と言えばいいのに、こういう誤魔化しは何回か繰り返すと癖になります。
今の政府の信用の無さはこういう誤魔化しの積み重ねでしょうに、連呼すれば上手く誤魔化せると思っているのでしょうか。

化粧品研究者こまっきー

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