学生の頃、学校の成績は先生の説明が分かりやすいか否かで決まっていた教科は多かったのではないでしょうか。
説明が分かりやすいと、初めて聞く内容でも理解できます。
理解できれば楽しくなってきますから、自ずとその教科でもっと良い点数を取ろうと勉強をします。
反対に何を言っているのか分からないと、復習しようにも理解が出来ていないので、ノートを開いたところで行き詰まってしまいます。
次の日には授業があり、英語で言うと助動詞から仮定法のように昨日の内容とは違う内容なら、昨日分からなかったことを一旦棚に上げておいて、仮定法に取り組むことができます。
しかし現在完了形から過去完了形のように同じような内容だと、昨日も分からなかったのに更に意味が分からない授業となり、意味不明な内容を50分を聞いておられず、頭が完全に拒否してしまいます。
以降、完了形と聞くだけで勝手に拒否反応が起こります。
これが増えていくと、苦手教科となります。
このときの感覚がいまだに残っているからか、大人になって勉強をしようと思うと、分かりやすい説明に惹き寄せられている人が多いことに気づきました。
自分にとっては初めて聞く内容ですので、大人でも説明は分かりやすい方が理解できます。
同じ分野でも、話が難しいなと思う人の話は何回か聞くと「勉強になりそうな話をしているのは分かるけど、内容はよく分からへんし、もういいか。」と思ってしまいます。
学生と大人の勉強方法の違いは、大人はマイペースで出来るという点があります。
カリキュラムがありませんので、自分のペースで勉強をすることができます。
テストもありませんので、よく分からなかったとしても、一旦スルーすることができます。
一旦スルー出来るのは結構良いです。
学生の場合はテストがあり、それを理解しないと点数が取れないのでスルーすればするほど成績が下がっていきますが、大人にはテストがないので一旦スルーしても何かが下がるわけではありません。
すると時間が経った頃に、他の人の話を聞いていた時に、スルーしていたことを理解できることがあります。
他の人の話から、以前に理解できなかった、空いていたパズルのピースが埋まり「そういうことか!」と納得できることがあるのです。
それもそのはずで、たとえば時事ネタで中東情勢を理解しようと思うと、毎日中東情勢についての解説を聞きます。分からないところは自分で調べる時もありますし、他の人が話す中東情勢の話を聞こうとします。
最初に観た動画と、同じような内容でも話す人が違うと内容が少し違います。その人にとって重要と思っている部分が違うので、丁寧に話す箇所が違います。すると最初の人はササっと話した内容を、次に観た違う人の動画では丁寧に説明されており、自分が理解できなかったことが理解できるようになるのです。
学校では同じ内容を毎日授業で説明するのではなく、次々進んでいくので難しいかと思いますが、同じ内容を違う人が話すと理解できることは結構ありますので、そういう取り組みで理解を深めるというのはアリなんじゃないかと思います。
僕も最初は説明が分かりやすい人、聞いていて面白い人ばかり聞いていましたが、理解できるようになってくると、最初は難しいなと感じていた人の話も聞くようになりました。
分かりやすい人の話は分かりやすい分、内容は薄いことが多いです。
最初は薄くないと理解できないので、それは有り難いのですが、わかってくるともっと深く知りたいと思うようになります。
ちょっと分かるようになってくると、学生の頃の勉強と同じように楽しくなってきます。
もうちょっと深く知りたいと本を買って読むようになります。
YouTubeはそういう意味では便利で、興味のある分野の話をまずはYouTubeで聴き続けて、耳慣れしてきた頃に本を買おうと思うと、誰のどんな本を読みたいのかいくつか候補が自分の中にあります。
本屋に行って「何にしよう。」ではなく、読みたい本の候補がちゃんとあります。
大人になってからの勉強で躓く時は、たいてい教えてくれる人がおらず、とりあえず手に取ってみた本が自分には理解できなくて諦めてしまうことが多いと思いますので、慣れるためにYouTubeを活用するのは良いと思います。
僕はYouTubeはウォーミングアップのように使い、更に基礎知識を学びたい時は本を買うようにしています。
僕は元々本を読むのが好きですし、興味があれば深く知りたいと思うので、YouTubeで難しい話をしている人の話を聞こうと思ったり、本を買ってみようと思います。
自分のペースで自分の興味のままに観る動画や読む本を選ぶのは好きですが、学校の授業のように決められたペースに合わせて学習するのは苦手です。
分からない時は置いて行かれて面白くなくなりますし、理解できている時は退屈な時間が多すぎて面白くなくなります。
理解できている時は自分は面白くなっているのに、その興味にブレーキをかけられているようで、もどかしいです。
しかし、学校の授業に違和感がなかった人はあまり自発的な行動を取ろうとしない傾向にあります。他の人の動画を観ることはあるのですが、深くというよりは説明が分かりやすいことが重視されているようです。
授業と同じで説明が分かりやすく、答えがある動画を選んでいる傾向があります。
株関連のアカウントで言うなら、「こういうニュースがあります。」と時事ネタを紹介しているだけのアカウントよりも「だからこの株を買うと良いよ。」と答えまで用意されている動画の方が人気があります。その言い方が強ければ強いほど人気があります。
高校までの勉強なら答えがあって当たり前ですが、未来のことは誰にも分かりませんから、答えはあるはずがありません。ただの予測です。
ですので、本当は時事ネタから自分で答えを決めて行かなくてはいけないのですが、答え付きの動画を見てその答えが正解であると錯覚してしまっています。
分かりやすくて答えがある動画、これを観るのが一番楽です。
何も考えなくても答えがあるのですから、めちゃくちゃ魅力的です。
しかし、それでいいのでしょうか。
それで自分に何が身につくのでしょうか。
最近、佐藤優さんの“いま生きる「資本論」”という本を読みました。
マルクスの資本論の解説です。
歴史に疎い僕はマルクスとか資本論という言葉を知ったのはここ数年の話で、読んでいてもよく分からない部分はたくさんありましたが、この本を読んでから時事ネタを観ていると、以前とは別の視点で観ていることに気づきました。
「ああ、こういう時に資本論の考えが反映されているのか。」と少し理解することができます。
内部留保が増えることとと給料が増えないことは関係ないことが資本論に書いてありました。
身近な問題が理解できると、資本論を深く知りたいと思うようになります。
勉強が楽しくなってきます。
これはここ1年、分かりやすい説明の動画ばかり見ていた時には感じなかったことです。
最初から難しい内容にチャレンジしても、躓いて終わりです。
僕も最初は分かりやすい説明から始めましたし、今は本を買って失敗して終わりという躓き方をせずに、まずはお金をかけずに学ぶことができます。
僕はその後、難しい話をしている動画を見たり、本を読んで勉強するようにしています。
大人になって勉強を始める時、まずはYouTubeを見る人は多いでしょう。
その時、ずっと分かりやすい説明をしているアカウントを巡回してしまっていないでしょうか。
1つのアカウントの動画を見続けて、飽きるとまた別の説明が分かりやすいアカウントの動画を見続けて、飽きたらまた別の・・といったふうになっていないでしょうか。
ゲームをし始めた時、操作方法で手間取っていた時よりも、慣れてきて、強いボスを倒した時の方が楽しいように、勉強も内容が深くなればなるほど面白いです。
説明が分かりやすく答えがある動画はついつい惹きつけられてしまいます。
半年か1年か、時間が経った頃に変わらず分かりやすく答えがある動画を観ている場合は、「ちょっと待てよ。去年も同じ内容の動画観ていたな。」と勉強方法を見直してみてはいかがでしょうか。
化粧品研究者こまっきー
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