化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

決断するタイミングはいつも、良い。

「やろうか、辞めておこうか。」と悩んで、決断した後に、後悔することってあると思います。
転職の広告を見ているうちに今働いている会社の悪い部分ばかりが目に付くようになり、いざ転職してみると、前の会社の方が良くて「転職しなきゃ良かった。」と思ったり、反対に「転職しようか、どうしようか。」と悩んでいるうちに、そんな話をしていた同僚が転職していき、SNSで転職先で楽しんでいる姿をみると「一緒に流れに乗って転職すれば良かったかなあ。」とタイミングを逃したことに後悔したことがあると思います。

仕事関係だけではなく、服や家電などの物を買う時もそうです。
僕は高校3年性の時にシーズンごとに送られてくるパンフレットを見て「ここのブランドのレザージャケットが欲しい。」と思いました。
「受験が終わったら買いに行こう。」と考えていたら、思っていたよりも受験が長引き、第一志望の大学を目指していると、3月にある後期の入試まで受験することになりました。
第一志望はダメだったのですが、「やれるだけのことはやった。」と気持ちを切り替えて、レザージャケットを買いに行きました。
すると、欲しかったレザージャケットは売り切れていました。
欲しかったのはブルゾンのレザージャケットでしたが、お店にはテーラーのレザージャケットしかありませんでした。
季節は3月ですから、店内は冬物から春物に切り替わっていたのです。

散々悩んだ末、テーラーのレザージャケットを買うことにしました。
あれだけ欲しいと思っていて、受験勉強をしている時も休憩中には「あのレザージャケット買ったらこんな風なコーディネートで・・・」と妄想を膨らませていたのですが、「あそこまで求めていたのに、売り切れているということは縁がなかったんや。」と感じて、今目の前にあるテーラーのレザージャケットを買いました。

テーラーのレザージャケットで妄想を膨らませたことがなかったので、「使いこなせるかな?」と思っていましたが、その後大活躍しました。
家に帰りクローゼットを開けると、綿の素材でブルゾンが一着ありました。
ブルゾンの形は綿ですが一着もっていることに気づき、同じ形の素材違いよりも、形違いの方がコーディネートの幅が広がるので、「テーラーのレザージャケットを買って良かった。」と思いました。
大学生になると、気づけばシャツばかり買っていたので、ブルゾンよりもテーラーのレザージャケットの方が着る頻度が多くなりました。
そのレザージャケットは今でも着ています。

考えたこともなかったテーラーのレザージャケットでしたが、「これも縁。」と思えたのは、それまでによく考えていたからだと思います。
ブルゾンのレザージャケットでも、レザージャケットのことをよく考えていたからこそ、思わぬ展開に対応できたのだと思います。

他にも、L'Arc〜en〜CielのTETSUなどの有名アーティストが着ていたガラアーベントのナポレオンジャケットが欲しいと思って、お金を貯めて買いに行くと、その年のナポレオンジャケットはドラマ“黒執事”の衣装となっており、全然違う形のナポレオンジャケットでした。
その時も「これも縁や。」と考えて形の違うナポレオンジャケットを買いました。
何回も着ていると、買ったナポレオンジャケットの方が自分が持っている服と合わせやすいことに気づきました。
ナポレオンジャケットも「こっちを買って良かった。」と思いました。

新卒で営業職として入った会社を辞めて転職活動をした時、「やっぱり研究がしたい。するならスキンケアかヘアケアの研究がしたい。」と思っていましたが、そもそも研究職の募集が少なく、その中で面接までスムーズに進んだのがメイクのOEM会社でした。「メイクは考えたこともないけど、まずは研究職に就くことが第一。」と考えてメイクの研究職に就きました。
この選択は大成功だったと思っています。

その会社は営業を設けておらず、研究が営業も兼ねていました。
営業をしていたのも部長2名でした。
面接の時「営業もしてくれる人を探している。」と社長が言ったので、「僕は研究も営業もやりたいです。」と言って、その場で採用が決まりました。
僕の意欲を汲み取ってくれた上司は入社半年で、担当を持たせてくれました。
1年経った頃には、自分で研究したグロスや口紅の処方を商品化しても良い品質であるとお墨付をもらいました。
上司が作った処方の色違いを作るだけだったのが、担当のメーカーの商品の中身は僕の処方による商品に変わっていきました。
会社には置いていない原料もサンプルをとって研究をし、良いと思った原料は採用していきました。
メイクの研究は効果効能ではなく、メイクする目的と同じように使用感や色味などに関する研究です。これがすごく面白くて、転職活動をしていた時には考えてもいなかったメイクの研究にハマっていきました。

「同世代の研究者との交流がしたい。」と考えていた僕は、勉強会で知り合った同世代に声をかけてご飯会を企画しました。若いタイミングなら、処方の話をしやすいと思ったのです。
スキンケア、ヘアケア、メイクとジャンルが違えば使う原料も考え方も異なります。
その違う視点の意見を取り入れることで、それぞれの研究に役立つのではないかと思ってご飯会を企画したのですが、同世代でこんなにも自由にしている研究者はいませんでした。
30歳を過ぎるまではアシスタントのように上司が書いた処方を作るだけのようでした。
30歳を過ぎた頃に役職をもらい、そこでやっと処方が書けるという話を聞き、「それでは30歳になった頃には研究の意欲が消えているだろう。」と感じました。
人はだれしも楽をしたがるもので、言われた通りのことをしていればいい状態が何年も続けば、それに慣れてしまいます。
他にもシャンプー部門に配属されれば3年くらいずっとシャンプーの研究をするという話も聞きました。
僕の会社では部門別に別れるほど人数がいなかったので、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、チーク、シャドウ、口紅、グロスなど全てのアイテムを部門分けせずに担当していました。
するとアイシャドウでの経験が口紅やグロスのキラキラ感の研究に役立ったりしていました。

他の研究者の話を聞いて、自分は恵まれた環境にいると感じました。
町工場でしたので、他の研究職よりも給料はうんと低かったですが、給料が低いことはあまり気になりませんでした。
もちろん、給料は高いに越したことはないです。
服も欲しいですし、旅行にも行きたいです。それにはお金が必要です。
ですが僕の転職理由は「研究がしたい。」でしたので、目的の研究が自由にできれば、給料が低くて他のことが出来なくても、気にならなかったです。

考えて考えて、いざ動いてみれば、思っていたことと違うことや物が目の前にあることはよくあります。
その時、的外れでない場合には目の前の流れに乗ってみることにしています。
それは結構、良い結果になることが多いです。

反対に後悔するときは、あまり考えずに流れに流された時であることが多いです。
転職サイトの広告を見ているうちに転職がしたくなったとか、友達につられてノリで服をかったとか、そういう自分の意思がベースとなっていない状態で流されたときに、後悔することが多いなと感じています。
それは決断とは違います。

思い返してみれば、僕は決断するタイミングはいつも良かったと思います。
服を買う時のような小さな出来事から転職まで、たとえ失敗した服があっても、その時の失敗が役立つことは結構あります。

皆さんはどうでしょうか。
流れに流されると言っても、そこに自分の意見があるのとないのとでは、後悔の度合いが違うのではないかと思います。

何か悩んだときは自分で考え決断をすれば、決断し行動するタイミングはいつも良いタイミングであると、過去の経験からそう感じています。

化粧品研究者こまっきー

↓こちらへどうぞ↓

www.komacky.com