独立する前に勤めていた研究所の上司はよく「デスク周りを整理しろ。」と言っていました。
目の前に机の上がごちゃごちゃしていたがいて、その人はいつもあっちの仕事をちょっとすれば、こっちの仕事をちょっとしてという風に、仕事の効率が良くなかったので、すごく説得力のある言葉でした。
「汚いけれど、どこになにがあるかわかっている。」
なんていう人もいるらしいですが、そんな人はまれです。
デスク周りが整理出来ていない人は、終わった仕事を片付けられていないことが多いです。
並行してたくさんの仕事があるわけではなく、ただ終わった仕事の資料を整理せずそのままにしています。
そして終わった仕事の資料の上に、新しい仕事の資料を置き、時に混ぜて、どこに行ったのか分からなくなります。
終わった仕事や資料の整理をして、デスク周りを綺麗にしておくことは、自分の頭の整理にも繋がります。「ああー、これはもう終わった仕事や。」「これは、あそこのファイルに入れておく書類や。」と考えることで、書類の整理だけではなく、頭の中の整理にも繋がります。
終わった仕事の内容は消えていき、整理されることで、頭の中に空き容量が生まれます。
デスク周りが汚い人は、お客さんからの電話についていけないです。
「えーっと、はいはい。」と言いながら必死に自分のデスクからお客さんが話している内容の資料を探しています。
その間は会話を聞いていませんし、資料をみつけても何の話だったか思い出すのに時間がかかるので、結局いい返事ができません。良く分からない返事をしています。
すると「この人と話していると話が前に進まないな。」と思われてしまいます。
今は資料をすべてデジタル化し、パソコンの中で管理している会社も多いですが、整理する。という意味では同じです。
見た目のデスク周りがきれいでも、パソコンの中で整理できてなければ意味がありません。
机の上に資料が山積みになっていれば、「整理しろ。」と注意できたのですが、資料がデジタル化してパソコンの中に入ったことで、注意できなくなりました。
デスク周りの見た目はキレイなので、みた感じは整理できていそうな人でもパソコンの中はぐちゃぐちゃな人がいます。
特にデジタル化したことによって、整理整頓が苦手だった人だけではなくパソコンが苦手な人も書類の整理が出来なくて書類がぐちゃぐちゃになっているようです。
会社ごとにクリアファイルを作り、そこに書類を入れて、クリアファイルの1ページ目に目次を作っておく方法に慣れている人からすると、フォルダの作成は自由度が高くて整理が難しいのかもしれません。
会社ごとにフォルダを作って、さらにその案件ごとにフォルダを作っても、微妙に重なるものもあったり、フォルダが増え過ぎてごちゃごちゃになったりします。
フォルダもどこまで細かく分けるべきなのかについて悩みますし、フォルダを作る基準がブレると、整理整頓の基準が変わるので、書類の行き先も変わります。
すると、書類を探すときにどこに行ったのか分からなくなります。
これは僕もよくあります。
HPに載せる写真とチラシの写真が共通の場合に、チラシに写真を貼り付ける時はHPの写真フォルダから写真を選択していました。
すると、時間が経ってチラシを修正しようと思った時に、チラシのフォルダに写真がなくて「どこからこの写真を引っ張ってきたんや。」とパソコンの中を探すことになります。
最初にチラシを作った時に決めた基準を忘れてしまっているのです。
そして見つけた時に、「今度から重複してもそれぞれのフォルダごとに写真を置いておいた方が分かりやすいな。」と思って。基準の修正します。
しかし、修正したのはそのチラシのフォルダだけですので、他の仕事をするときには「あれ、これは・・・」とどこにあるのか分からなくなります。
どのフォルダも同じ基準にして、整理しなおせばいいのですが、それは結構大変です。
もう終わってる仕事のフォルダはしなくて良いだろうと思っていると、そのフォルダを参考にしたいときも出てきます。
パソコン内の整理は、リアルの本棚より整理整頓が難しいです。
今までは性格的に整理整頓ができない人が整理整頓できなかったのが、パソコンをうまく扱えない人まで整理整頓できなくなりました。
整理整頓のことを考えると、アナログのほうが目に見えて分かるので良かったのかもしれません。
上司は注意することが出来ますし、注意して整理できていれば部下の仕事の効率も良くなります。
デジタル化して目に見えなくなったことで不便なことは結構あります。
目に見えていたからこそ、悪いと判断できていた悪いことが見えなくなりました。
デスク周りやパソコンの中は整理出来ていた方がいいです。
終わった仕事を書類の整理と共に終わったと感じることで、頭の整理に繋がります。
頭が整理されていないと、新しいことを取り入れる余裕がなく、新しい情報が入ってきても、古い情報と一緒になって頭の中がぐちゃぐちゃになります。
なのでもし部下がいて、仕事が出来る人に育てたい場合はデスクまわりを整理させたほうがいいかもしれません。
パソコンの中の整理は難しいかもしれませんが、無理やりそういう時間を取ってみるのはどうでしょう。「来週月曜日の15時からはパソコンの中の整理の時間にする。」とグループで決めてみんなで整理の時間にすれば、整理整頓をしやすくなるでしょう。
商談しているとき、整理できている人は的確な情報を出してきますし、返事が早いです。
整理できていない人は笑って誤魔化してばかりです。
知識は勉強して吸収していかないといけませんし、相手が何を求めているかはある程度は場数を踏まないと得れませんが、そういう経験も整理できていなければ上手く活用することは出来ないでしょう。
それが、同じように経験しているのに、仕事ができる人とできない人の違いではないかと思います。
「デスク周りが整理できていない人は仕事ができない。」
ありきたりで、当たり前の言葉だけれど、こういう昔から口うるさく言われていることは大事にしていきたいです。
化粧品研究者こまっきー
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