2018年に「越路吹雪物語」というドラマが放送されていました。
このドラマは名曲“愛の讃歌”を日本に伝えた、有名なシャンソン歌手である越路吹雪さんの物語です。
当時、僕は越路吹雪さんのことは知らず、お昼ご飯を食べている時に母がこのドラマを見ていたので一緒に観ていました。
僕は今人気の有名人にも疎いので、過去の有名人となると殆ど分かりません。
ドラマを見て“愛の讃歌”が流れてもピンと来ることもなく、ただ面白いから観ていました。
その時、印象に残ったのは越路吹雪さんとマネージャーの岩谷時子さんとの関係でした。
ドラマも二人の関係を表現することに重点を置いていたので、印象に残るのは当然と言えば当然なのですが、まさに二人三脚の関係でした。
ドラマでは有名になり何回も舞台に出るようになっていた越路吹雪さんは開演直前に「今日は舞台に出たくない。」と言い出すシーンがあります。
楽屋で駄々をこねる越路吹雪さんを岩谷時子さんはおだててその気にさせるシーンです。
その時のシーンは今言葉では表せないほど大変で、その時の越路吹雪さんはまるで言葉の通じない子供のように駄々をこねるのです。
開演前で、もう数分後には舞台が始まるのですから、そんな我儘が通るはずがありません。
普通なら「子供じゃないんだから。」と嫌な顔をしてしまいそうな状況です。
正直、面倒臭いと思うでしょう。
そんな子供みたいで面倒臭い越路吹雪さんの我儘を全身で受け止めて、褒めちぎって、越路吹雪さんをその気にさせるシーンはグッと来るものがありました。
それが何回もあったそうですから、めちゃくちゃ大変だったでしょう。
そして、越路吹雪さんが駄々をこねるのはマネージャーの岩谷時子さんの前だけでした。
越路吹雪物語は岩谷時子さんも有名な方であったからか、二人の関係を描いた物語でした。
こういう伝記のような物語では、スターである越路吹雪さんにスポットが当たって、いかにこの人が素晴らしかったのかを描くのが普通だと思います。
なので、スターとマネージャーとの関係を描いた物語を観たのはこれが初めてだったと思います。
越路吹雪物語はスターの物語だけではなく、マネージャーという職業の本質を見たような気がしました。
テレビに映っている有名人はキラキラして憧れの的です。
「いいなあ。あんな風になりたいなあ。」と誰もが一度は憧れることでしょう。
テレビを観ている時は、有名人を支えているマネージャーの顔なんて、誰も知らなければ、マネージャーのことを考えることもありません。
しかし、有名人がテレビであのように振る舞えるのはマネージャーのサポートあってのことだというのを、越路吹雪物語でマネージャーの岩谷時子さんに八つ当たりしている越路吹雪さんと八つ当たりを受け止める岩谷時子さんの関係を観ていて感じました。
僕たち一般人でも、疲れたり、ストレスが溜まるとイライラします。
すると時に八つ当たりしてしまったり、普段は怒らないようなことでも声を荒げてしまいことがあります。
普通の日常生活を送っている僕たちでも、そんな時はあるのですから、有名人は僕たちの何十倍何百倍もの疲労とストレスを抱えているでしょう。
そしてそのイライラを僕たちは誰にぶつけているか考えてみると、家族や仲の良い友達などの親密な関係の人であると思います。
他の場所では出来るだけ平然を装い、グッと抑えるからこそ、気を許せる相手といると溜め込んでいた分が爆発してしまいます。
抑えているものが大きければ大きいほど、爆発も大きくなるでしょう。
有名人になると普通に街を歩くことも出来ず、私生活は制限されます。
最近はさらにSNSでも営業活動をしないといけなくなり、表舞台の幅が広がっています。
時間や場所で区切られることが無くなり、切り替えが難しくなると、ストレス発散はしにくくなります。
さて今回、急に出てきた橋本環奈さんの出来事ですが、事務所側は全面否定しているようです。知り合いのような人も「そんなことするような人じゃない。」と言っていますが、越路吹雪物語を観て偏見を持っている僕からすると、橋本環奈さんがもし爆発できるなら、マネージャーくらい親密でないと無理でしょう。
表舞台では常に橋本環奈を演じないといけませんから、楽屋のような場所でしか爆発できないのではないかと思います。
今回のこの記事が本当か嘘かということは正直どっちでもよくて、僕はこの話を取り上げる側に対して批判的な感情を抱いています。
もう何十年も芸能関係のパイプがあるのですから、こういう話は沢山入ってきたことでしょう。芸能界の内情もよくよく知っているはずです。
一般人がどこかから今回の話を聞いて噂を広げたのではなく、玄人が広げたところに驚いています。
昔は仕事でも何でも辞める側がダメだという風潮がありましたが、最近は人が辞めてしまうような状況であることがダメだという風潮に変わっています。
それゆえにこのような記事が出てくるのでしょう。
一般人が今回の記事を読めば「まあ、なんて酷い。」と思うかもしれません。
それは芸能界の内情やスターにのしかかるストレスを想像できないからです。
普通に暮らしている僕たちの感覚で理解しようとすれば、酷いと思って当たり前です。
一般人と芸能人の世界観のギャップを鑑みて記事を書くべきではないかと思うのですが、この記事は考慮されているとは思えず、発信側の良心を感じません。
そして越路吹雪物語を観た僕からすると、「スターのストレスを受け止められるのはマネージャー以外に誰がいるんだ?」と思います。
一般人と有名人とは状況が違うのですから、一般人と同じパワハラ基準ではダメだろうと思うのです。
その業界ごとに見直すことはいいとしても、なんでもかんでも、どの業界でも同じような基準にしようとしていると、どこかで無理が出てくるでしょう。
この記事がどのような展開になるのかはわかりませんが、もしこの話題が広がっていき、芸能界でも一般人と同じような基準になれば、スターは生まれなくなるかもしれませんね。
化粧品研究者こまっきー
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