化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

子供には家事と仕事両方の観点を伝える。

僕の母は専業主婦です。
なので子供の頃は、朝「いってきます。」をするときも、家に帰ってきて「おかえりなさい。」をしたときも、家には母がいました。
僕は男なので、家事に関してはそこまでうるさく言われませんでしたが、姉妹は色々事細かく注意されていました。そもそも、僕にはそんなに家事を手伝えとは言わなかったように思います。
姉妹はそんな僕を見て「母は僕には甘い。」と言っていたそうですが、考えてみれば高校は部活をしていても受験勉強をしていても遅くまで学校にいたので、帰りは夜でしたし、大学には片道2時間かけて通学していましたので、朝は5時半に起きて6時半に家を出て、夜はバイトで深夜に帰宅していたので、家事を頼もうにも僕は家にいなかったのではないかと思います。

それ以前は、時々おつかいを頼まれることがたまにありました。
小学生くらいのころは、「キャベツ買ってきて。」と頼まれてキャベツを買いに行っていました。キャベツを買って帰ると「えー、そんな小さいキャベツしかなかったん。そんなんやったらいらんわ。」と言われることがあります。
つまり、広告にキャベツ100円と買いてあったので、キャベツを買ってきてもらおうとしたのですが、100円でもそのサイズなら自分は買わないのに、と言いたいのです。
「そんなんやったら、自分で買いにいけよ。」と、僕はおつかいをしにいってあげたのに、なんで怒られるんやと思っていました。

これは今になると分かります。
いま自分がスーパーに行って100円のキャベツを買う時は、見た目の大きさと持ってみた重さで買うかどうかを判断しています。
小さくて、軽いのに100円やったら別に安くないので買いません。
「子供の頃に母が言っていたのは、こういうことか。」と今はそう感じれる一方で、「もう少し分かりやすい説明が出来ひんかったんか。」とも思います。
おつかいに行けば、おやつを1つ買っていいことになっていました。
しかしキャベツで失敗すると、おやつはお小遣いから天引きされることがありましたので、おつかいに失敗するとただ損するだけでした。
母の買い物基準を教えてもらったことは今役に立っているのですが、もう少し分かりやすい説明をしてくれれば、お小遣いに響くことがなければ、あんなにプレッシャーを感じずにおつかいに行くことができたのにと思います。

子供は掃除を手伝うこともありました。
僕の家では、毎朝拭き掃除をしてから掃除機をかけていました。
平日は母が一人で掃除していたのですが、休日は姉妹が手伝っていました。
僕は掃除は殆どしていなかったのですが、家にいれば声が聞こえてきます。
「うわー、全然拭けてないやん。」と掃除機をしながら、掃除機の音に負けないくらい、母の大きな声が聞こえてきていました。
今では殆どの人が掃除機しかかけないと思いますが、拭き掃除で大きな埃を取った後に掃除機で細かいほこりを吸い取ると掃除機だけよりも綺麗になるそうです。
その後水拭きをするとより綺麗になるらしく、僕の家では水拭きまでやっていたような気もします。
掃除に関してはその声から、どんな掃除をしないといけないのかは何となく想像が出来ます。
実際に手伝っていなかったので掃除はそこまで影響をしていませんが、丸く掃除していると母の声が聞こえてきそうで、面倒だと思う時でもちゃんと掃除するようにしています。

皿洗いは曜日で振り分けられていたので、僕も毎週土曜日に夜の皿洗いをしていました。
ぬるぬるだとすぐに言われるので、ぐちぐち言われるのが嫌で洗いとすすぎを意識してしていました。ぐちぐち言われ続けていると、綺麗に洗おうとするので、どうやって洗ったら綺麗に汚れが落ちるのかという技術は身についたと思います。

洗濯物を干すことは姉妹だけが手伝っていましたが、僕の部屋はベランダに通じていましたので、洗濯物を干す時は僕の部屋に入ってきていました。
なので、「洗濯物はこうやって干さな乾かへんやろ。」という声が聞こえていたので、洗濯物の干し方も掃除同様、耳で覚えました。

定期的に布団を干していたので、定期的に布団を干すことも、かかさずやっています。
晴れていたら「今がチャンス!」とお昼に布団カバーを洗い、朝干した洗濯物を取り入れて布団カバーを干すという行動は、友達には「そんな面倒臭いこと。」と言われるので、どうやらこれも母の家事の思考が伝染しているようです。

スーパーで食料品を買う極意から、掃除洗濯まで、家事の大部分は僕も姉妹も言われ続けていたので、耳にタコができて、大人になった頃には母の思考はわかるようになり、たまにおつかいを頼まれても、失敗しないようになりました。
その後は母の思考をベースに自分が思うところは改良をして、自分なりの家事の形を作っていきました。

最近は「人それぞれ。」とか「時代が違う。」と言って、子供に自分の意見を言わない方がいいという風潮があります。
子供を怒るのではなく、褒めて伸ばすんだという方向になっているので、自分が子供の頃よりも、自分は子供にあまり何も言わないようになっているのではないでしょうか。

しかし、人には本能はないと言われています。
他の動物は生まれながらにして、自分はどういう風に行動をして、どうやって繁殖していくのかが身についているのですが、人はそうではありません。人は人から教えてもらわないと、知ることができません。
今はネットで調べれば、家事の方法が載っているかもしれませんが、それよりも慣れているのは実家の家事のやり方です。ですので、母の家事のやり方をベースにネットの情報を取り入れていった方がいいと思います。子供からわざわざ「教えて!」というものではないので、子供にとってはやりたくないことだし、親としては面倒かもしれませんが、僕はぐちぐち言いながら伝え続けることが大切だと思います。

父は仕事一筋で、家ではあまり話さない人なので、仕事の方はよく分かりませんでした。
仕事は自分がアルバイトをし始めたり、社会人になって働き始めて、仕事というものを知っていきました。ブラックな職場環境でも「これって当たり前なんかな?」と思いながら働くこともありました。働き始める前から何か知っていれば、すぐに判断できただろうなと思います。
特に僕らが新卒で働き始めた時は、まずは「学生の頃とは違うんだ!」と言われて頭を空っぽにさせて、会社の思い通りにしようとする会社もありましたので、社会人になる前に家事のように何か基準があればいいなと思います。
そしてそれは家事のように、一番身近な人から話を聞けた方がいいです。

最近では小さい頃からビジネスの感覚を身につけさせようと考える親もいるみたいで、確かに少しでも知っていた方が、就活の時の会社選びで失敗がなさそうです。
働いてから「これはおかしいぞ。」と気づくことができるようになると、「これは当たり前なんかな?」と悩みながら働いて体調を崩す前に対処することが出来ます。

今はネットで調べれば何かしら情報がある時代ですが、調べていくつかのサイトやSNSの投稿を見てわかる通り、殆ど同じ内容です。
コピペじゃないか?と思うこともあるはずです。
自分と全然違う考えであることもよくあるはずです。
そんな時、親から教わっていれば、その教えを基準にネットの情報を見ることができますが、教えがないとネットの情報をそのまま鵜呑みにしてしまいます。
そしてネットの情報が基準となってしまいます。
しかしネットの情報はビジネス目的であることが多いので、ネットの情報がコロッと変わることがあります。基準が親の教えだと、その変化に気づいてどう判断するか考えることが出来ますが、ネットの情報が基準では基準そのものが変化するので受け入れざるを得なくなってしまいます。

何か判断する時には基準となるものが必要です。
それはネットの情報がいいのか、親の方がいいのか。
基準は変わらないものの方がいいと思うので、面倒でも、嫌がられても、子供には家事と仕事両方の観点を耳にタコができるくらい伝えたほうがいいと考えています。

化粧品研究者こまっきー

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