僕が社会人になった頃くらいから、“好きを仕事にする”という言葉が出てきました。それっぽい有名人もたくさん出てきて、「好きを仕事にしてどうだったか?」みたいな記事も出てきました。好きを仕事にしている有名人は、最初からテレビに出ていたわけではなく、SNSで一部の人が知っている有名人でした。
今でもテレビやYouTubeのメディアアカウントに出演しない人もいますが、有名になっていくと討論するような番組に出ていくというのが1つの流れになっていると思います。
僕は高校生の頃から「化粧品の研究をして、自分の商品を出したい。」と考えていたので、好きを仕事にしている人が有名になっていくのを見ながら「そういう時代になっていくんだ。」と考えていました。
今思えば、SNSは有名人が「これオススメ。」と言った一言で急に商品が売れることがありますし、有名人が「次はこれが流行る。」と言えば、その有名人に注目している人は次に流行ると言われているものに注目をし始めるので、自ずと流行が起こります。
有名人が1年前に「次はこれが流行る。」と誰にも知られない場所で、タイムマシンみたいにメモしたものを保存しておき、1年後に流行ったらその予測は凄いと思います。
しかし実際はそうではなく、公の場所で発言しています。
有名な投資家が「次はこの会社の株が上がる。」と言えば、その会社の株価が上がるように、有名な人の発言には流行を作る力があります。
その後は「好きを仕事にした人の苦悩。」なんていう記事が出たりもして、その流行は去っていきました。流行が去る頃には有名人の発言は“好きを仕事にすること”から別の話題へと変わっていましたので、“好きを仕事にすること”は1つの流行だったんだなと思います。
そんな流行の1つだった“好きを仕事にすること”ですが、興味があって見ていると、「なんか違うな。」と思うことがありました。
僕も好きを仕事にした人ですが、僕の感覚となんか違うのです。
「何が違うのか。」と思って、SNSでの発言を見ていると、お金儲けがメインになっていることに気づきました。
好きを仕事にする流れから、何故か「お金がないなら投資家に投資してもらえばいい。」という話が出てきます。好きなことをするには、投資家に投資してもらい、お金の悩みを解決することが話題の中心になっていました。
確かに好きなことをしようとすると、機械などの導入が必要で、大金が必要になってくることもあるでしょう。しかし、「それは最初から必要なことなのか?」と疑問に思いながら、当時はまだ会社員だったので、流れを追いかけていました。
すると、案の定トラブルが話題になり、それが「好きを仕事にした人の苦悩。」でした。
好きを仕事にするために投資家から資金調達をして、ビジネスを始めたが、上手く行かない日々が続いた。すると、投資家から「もっとこうしろ。」と指示が出るようになり、せっかく好きなことを仕事にしたいと思って起業をしたのに、いつの間にかサラリーマン社長のちょうになっているというトラブルが相次いでいるとニュースになりました。
そりゃ、そうだろう。と思います。
どこの誰かもわからない、事業経験もない人に投資をするなんて、普通ならしないです。
ある程度事業が続いていて、過去を見て将来の事業展開も見て、これからも伸びるだろうと思われるところに投資すると思います。事業経験もない人に投資するのはお金をあげたいだけか、一攫千金を狙うようなものです。もし一攫千金を狙っているなら、投資家はコネを使ってその会社を広めて、会社のやり方に口を出さない限り、一攫千金は狙えないと思います。
お金を出せば、会社は勝手に成長する。なんてことはないことくらい、投資家はよくよく分かっているでしょうから、好きを仕事にしようとして投資家から資金調達すると、好きなことが出来なくなるでしょう。
僕は好きを仕事にする第一歩に資金調達を考えるのは違うのではないかと思います。
好きを仕事にするときというのは、サラリーマンの時と違って、お金よりも好きなことを優先したわけです。
なのに、お金のことを考えるのはおかしいと思います。
好きを仕事にした場合は、自分が好きなことを好きでいられることを軸に考えないといけません。好きという気持ちだけでは経営は成り立たないので、お金儲けとのバランスを考えながらも、決してお金儲けが好きよりも優先されてはいけないです。
好きを仕事にするということが、話題になり始めたとき、資金調達が最初に出てきてしまったために、好きを仕事にするということの良い部分が隠れてしまったなと感じています。
そもそも、好きを仕事にしてみるとどうなるでしょうか。
これは起業でなくても、サラリーマンとしてでも良いです。
例えば車を運転するのが好きな人が、自動車メーカーの技術職に勤めるようになります。
元々好きだったので、とりあえず就活して入社した人よりも入った時点で知識量が違います。入社前から自分の車の整備や改造をしていたら、各部品の名称も、仕組みも知っていて、そういう研修をせずに実践に取り掛かれてしまうこともあるでしょう。
入社してからも、興味があるので、積極的に車に触れようとしますので、自然と知識と技術を身につけていきます。
すると、若いながらに新たな技術開発に貢献できるようになる。
好きを仕事にすると、その人が成長するだけではなく、会社もその業界も成長するのではないでしょうか。
好きを仕事にすることを調べると、どうもお金がどうだとか、嫌なこともしないといけないとか、挙げ句の果てには「好きが長続きするとは限らない。」なんて意見まで出てきます。
好きなことは趣味でいいじゃないかという考えもありますが、趣味と仕事では使える材料も機械も全然違います。
好きなら仕事にした方が、趣味の範囲では手に入らない材料や機械を使うことが出来ます。
そうしたら今までで個人ではできなかったことができるようになるので、ますます楽しくなってきます。
そして会社やその業界からすれば、興味のない人よりも興味がある人が多い方が、新たな開発が進み、成長できていいはずです。
好きを仕事にすることは調べてみると個人的な話ばかり出てきますが、こうして考えてみると、社会全体に関係してきます。
すると今行き詰まっていた社会的な問題に解決の糸口が見つかるかもしれません。
今は給料や最低賃金とお金の問題ばかり注目されていますが、好きを仕事にして、熱心に取り組める人が多くなればなるほど、金銭的な部分以外から社会は活気づいていくでしょう。
化粧品研究者こまっきー
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