化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

昭和の活気はお金だったのか?

令和に入ってから平成のことを“失われた30年”と言われていることに慣れてしまったからか、お金のことばかりに目がいくようになってしまっていることに気づきました。

なぜ失われた30年と言われているかというと、バブル崩壊以降、経済の低迷が続いたままだからです。
一番大きく取り上げられているのは賃金が低下していることです。物価と賃金の関係を表した実質賃金がこの30年の間で、イギリスやアメリカ、ドイツなどは130%くらいまで上昇しているのに、日本だけは横ばいになっています。

このデータも統一性がなく、実質賃金と検索すれば、海外では実質賃金が130%まで伸びているのに、日本では104%しか伸びていないというデータが出てきます。
伸びていないと言っても100%を超えているのであれば、生活が苦しくなったり、こんなに共働きが増えないのではないかと思います。
実質賃金は物価と賃金の関係ですから、104%ということはお父さん一人の稼ぎで4%余裕ができているということになるはずです。
しかし実際はそうではなく、共働きをしている家庭が増えている現状を見る限り、30年前は1人で家族を養えていたのが、今は2人必要ということになっています。
片方が時短であることも考えると、その時短で稼いでる給料分くらい実質賃金はマイナスになっているのではないかと思います。

そもそも、海外の130%という伸びはおかしいです。
普通に考えて、そんなに給料を渡す会社があるでしょうか。
物価に対して30%も余裕のある賃金をもらっているのに、海外ではストライキが多発しています。

他のデータでは日本はこの30年間で実質賃金が10%低下しているというデータもあります。
実質賃金が104%か90%かは全然違います。
90%なら、10%分補わないといけないので、共働きの必要性が出てくるでしょう。
僕はこの実質賃金の物価の項目は現実に反映されていないのではないかと思います。

他にも少子高齢化で、子供の数が減ったことも給料低下の原因だと言われています。
これに関しては反対の意見もあって、将来の教育費などを考えると子供は少なくなる傾向があるので、大人が賢くなったという意見もあります。
ですが、よく言われるのは賃金が上がらないので、子供を産む余裕がないという話でしょう。
後は円安だとか労働時間の短縮だとか色々ありますが、“失われた30年”はお金のことばかりです。

目に見えている景色だけをみてみれば、30年で建物はどんどん新しいものができています。
決して30年間変わらぬ景色だったわけではなく、開発は進み、商業施設は増えました。
タワマンも増えました。
家の中を見てみると、生活水準は上がっているはずです。
便利な機能がついた生活家電が次々出てきて、家事への負担が減りました。
スマホが出てきて、スマホを持つ人も増えてきて、現実とは違う世界が新たに構築されました。
賃金以外をみれば、この30年は決して時が止まっていたわけではなく、海外と比べてスマホなどの新しい技術の取り入れが特別遅れているわけでもなく、変化しています。
ニュースやSNSを見ていると、お金のことばかりが目につきます。
“失われた30年”と言われれば、日本は取り残されていると感じるかもしれませんが、良い悪いは別として、結構最先端を取り入れられていて、一般に普及している方ではないかと思います。失われて取り残されているなら、スマホを持っている人の方が珍しい社会になっているでしょう。
“失われた30年”は決して何も変化がなかった30年ではないのです。

平成の30年と比べられるのが昭和の頃です。
しかし比べられるのはいつも昭和の終わり、バブルのことばかりだと思います。
僕は平成生まれなので、昭和の暮らしはわかりませんが、現在76歳で北海道出身の鈴木宗男さんは「冬は鼻水が凍って目が醒めた。」なんて話をしていました。僕の祖母は毎朝走って学校まで通っていたそうで、取引先の社長は「明け方まで仕事をしているのが当たり前だった。」と話しています。
色んな暮らしの側面をピックアップしてみましたが、今そんな状態になれば、どれも嫌だと思うのではないでしょうか。
また昭和の頃を描いた映画を観ていても、裕福そうにはみえません。
つまり、昭和の活気はお金の問題ではないと思います。
なぜ昭和の頃は活気があったのでしょうか?

僕は振り返るなら、「なぜ昭和は活気があったのか?」ということを、お金の部分を無しにして考えないといけないと思います。
昭和=バブルというイメージがあり、バブルの頃と比べるから“失われた30年”という言葉が出てきて、「バブルの頃よりも・・・」という話になります。
そもそもバブルは一瞬だったのですから、あの時がおかしかったわけで、あの頃と比べても仕方ないでしょう。

なぜ昭和の頃には活気があったと感じるのでしょうか?
みんな、お金持ちだったんでしょうか?
お金はないけど、活気があったのでしょうか?
昭和の活気はどこから出てきていたのか。
一旦お金から視線を逸らせて、考えた方がいいのかもしれません。

化粧品研究者こまっきー

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