化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

広がっていくエンタメ化とその影響力。

俳優といえば、ドラマや映画ではあんなに演技ができるのに、バライティに出れば全然喋れなくて、そのギャップにビックリしたことがあります。
ドラマや映画を見ていると「凄いなあ。」と思うシーンを見ていると、日常でもリアクションが大きいのかと思っていたら、全然違って、バライティではむしろ急なシチュエーションに対応できていなくて困っている姿を見て驚いたものです。

昔から、俳優の中でもバライティで活躍する俳優はいたのはいたのですが、最近の、30代から下の俳優からは随分変わってきたなと感じています。
今まで通りの俳優もいるのですが、バライティでめちゃくちゃ活躍する俳優が増えました。
しゃべくり007に出ても、その場のノリに対応出来るし、明るいし、めちゃくちゃ喋る人がいます。
元々そういう人なのかもしれませんが、今までしゃべくり007に出ていた俳優とはあまりにも違いすぎて、これもまた驚きました。
おじさん世代の俳優から見ると、今の若い俳優はハイブリットだと感じるそうです。

これはSNSの普及が関係していると思います。
昔はマスメディアからの露出でしか人気になる道がなかったので、俳優と一般人の間にはマスメディアがありました。
SNSが普及したことで、間にSNSが入っているものの、SNSは交流の場なので、俳優と一般人の距離はグッと近くなりました。
すると、フォロワーが多い俳優の方が視聴率が高くなる傾向があるので、視聴率低下を気にしているテレビからすれば、フォロワー数も俳優を選抜する時の項目に組み込むことでしょう。
マスメディアだけの時でも、何かしらのしがらみがあったとは思いますが、SNSの普及によって、そのしがらみにフォロワー数が追加されました。

フォロワー数が増えればメディア露出が増える可能性があると、SNSを頑張るようになります。SNSを上手く活用できた人が、メディア露出が増えるようになります。
それが今の、俳優がハイブリット化した流れではないでしょうか。
「俳優が演技で認められるわけではなく、人気集めで役が決まるのは、どうなんだ。」と思うかもしれませんが、昔から演技だけで決まっていたわけではないようですから、やっぱり演技以外の部分はいつまでも反映してくるのかもしれません。

この動きは芸能関係に関わらず、色んな業界に広がって行きました。
筋トレ好きなお笑い芸人がジムを開設し、芸人がパーソナルトレーニングをするというジムがあります。お笑い芸人=バライティや漫才ではなく、SNSで人気を集めれれば、趣味で仕事が出来るようになりました。
芸人ですから、話すのは上手いでしょう。途中で笑いやコントなどがあるんじゃないかと想像するだけで、普通のパーソナルトレーニングよりも楽しそうです。
今までとは違う仕事が出来るようになったことは、SNSのおかげだと思います。

一方で、SNSで人気を集められるかどうかが成功の秘訣になりました。
SNSで注目を浴びるには、そのSNSのアルゴリズムに合わせて発信しないといけません。
その時に流行っている音楽を使ったダンスの動画を投稿したり、まずは流行りに乗らないと注目を浴びることは難しいです。
反対に、注目を浴びようと思えば、大量のアカウントを作って、同じことを発信すればトレンドになることもできます。
どちらにしても、上手くSNSに合わせることが出来なくてはいけません。
SNSの普及で違った仕事ができるようになりましたし、観ている側からすればYouTubeでトレーニングや料理の動画などが観れるようになりましたが、人気集めができないと成功しないというのが大前提になりました。

マスメディアだけだったときは、会社やマネージャー任せだった部分が、自分でしなくてはいけなくなりました。
それはつまり、俳優だったら演技の勉強だけをしていれば良かったのが、人気集めも意識しないといけなくなったということです。
共働きになって、家事が疎かになったように、何かやることを増やすと今までやってきたことが疎かになります。
人気集めを意識しすぎると、演技の勉強が疎かになってしまいます。
人の目線ばかりが気になってしまいます。
おじさん世代の俳優は、若者のことをハイブリット俳優と言うように、SNSの普及によって、演技と人気集めのバランスを自分で制御しないといけなくなりました。

SNSで人気になるかどうかは、政治にも広がって行きました。
SNSでフォロワーが多い政治家が当選する。
SNSで人気の政治家が当選する。
それはつまり、SNSで人気集めを出来た政治家が当選するということです。
これは俳優などに言える話ですが、政治家は人気集めが出来ていればいいのでしょうか。
SNSで人気になろうと思えば、炎上や批判をすればいいんです。
現状の批判、最近の政治家のニュースをピックアップして「こんなことじゃダメだ!」と言い続ければ、一般人の小さな不満がその投稿を見ると勝手に膨らみ、「そうだそうだ!」とその政治家を応援するようになります。

特に20代は物心がついた頃からSNSを利用していましたから、人気集めには抵抗がないでしょう。むしろSNSでフォロワーが少ない人はダメな人で、フォロワーが多かったり注目されている人は凄い人だと短絡的に考えているかもしれません。

そう考えてしまうくらいに、今年の選挙はSNSでの動向通りになりました。
東京都知事選は現職の小池さんが当選しましたが、石丸さんがあれだけ投票数を集めたのは、SNS界隈で彼を推したからでしょう。
その後の衆議委員選挙もそうですし、兵庫県知事選挙もそうだと思います。
東京都知事選ではYouTubeなどで取り上げて、注目を浴びるという戦略でした。
衆議院選挙の時も同じでしたが、東京都知事選の時よりも、SNSでの活動が活発になっていました。実際に、僕は国民民主党の動画を見たことがなかったのに、おすすめに沢山上がってきていました。

兵庫県知事選挙の時は、YouTubeやXで斉藤元彦さんの演説の時にはこんなにも人が集まっているという動画が投稿されていました。僕は今までの日本人の動向からして、あんなに人が集まるは変だと思っていますし、内容よりも人気度ばかりが注目されていました。
選挙中に斉藤元彦さんが誕生日だったこともあって、Xでは“さいとうさん生まれてくれてありがとう”がトレンドになっていました。
朝6時にはトレンドに上がっており、すでに1000件を超える投稿がありました。たった6時間で1000人以上の兵庫県民が投稿したのでしょうか。

僕はいま、SNSでどれくらい一般人の動向をコントロールできるのか測っているのではないかと考えています。
どこまで過激にやると変だと思われるのか。というラインを見極めるようとしているようだと感じています。
選挙は多数決なのですから、注目を浴びて人気集めができれば勝ちなのです。
おそらく殆どの人が、今回の衆議院選挙で政党が出していたあの長い公約を読んでいないでしょうし、党首討論をまともに見ていないでしょう。見ているのはSNSで人気の投稿や動画の方ではないでしょうか。
ある政治家のことを批判する動画を見る前に、本人が話している内容を確認しないといけないです。

テレビは国民を洗脳する装置だなんて言われていますが、SNSも変わらないです。
むしろSNSの方が国民との距離が近いので、信じやすいです。
それはもう、芸能界やインフルエンサー界隈で立証済みです。
今年は3つの選挙で立証されました。
今の政治が良いとは思いませんが、今変化を起こしている流れや作り出している空気感はかなり怖いものを感じます。
SNSを見る時は見るべき内容と見ない方がいい内容を考えないといけないでしょう。

化粧品研究者こまっきー

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