化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

無くなっていく大きなお家。

一昨年くらいから、僕が住んでいる街では家の工事が盛んになりました。
それも大きなお家の取り壊しが多いです。
大きなお家ですから、それなりの資産家を家だと考えられます。
なのでその前を通る度に「次はどんな家を建てるのかな。」とブルーシートみたいな現場シートで覆われた敷地を見ながら、勝手に楽しみにしていました。

日本は街に統一感がなく、そこがヨーロッパと違うところです。
旅行でパリに行った時、街並みに惚れ惚れして、「なんで日本は・・・」と思うことがありました。日本に帰ってくると、「建物に統一感がないから街並みが美しくないのでは。」と思い、「日本も日本の文化を大事にした方が、街並みが美しくて、生活が楽しくなるのでは。」なんて考えたこともあります。
今まで古民家の良さなんてちっとも感じていなかったのに、そんなことを考えたのは、ちょうどその頃から古民家のリフォームが流行り出していたので、その流行りにも影響されていたのでしょう。

今では、機能面で昔の家をベースにした方がいいと考えています。
今の家は機密性が高く、隙間風が入らないくらいピシッと作られているので、冬は暖かいのは良いなと思います。しかしその影響で、カビやダニが発生しやすく、シックハウス症候群になりやすい環境だと言われています。
そこで各部屋に換気扇が義務付けられています。

これは不思議な話だと思いました。
昔の家は土壁で、壁が呼吸をしていると言います。
土壁は室内の水蒸気を吸ったり、外の空気を取り入れたりしてくれるので、自然と換気が出来ます。換気扇は取り付けてある部分からでした換気が出来ませんので、壁全体が換気できる土壁は換気扇よりも換気出来て、カビやダニの対策になります。
新しい技術を取り入れて密閉性を高くした結果、換気不足で病気になるので、各部屋に換気扇をつけないといけないというのは、果たしてその技術は良いのでしょうか。
また土壁による換気に電気代はかかりませんが、換気扇は電気代がかかりますので、今までタダだった部分にお金をかけるものバカらしいです。
それなら土壁をベースに断熱効果を上げる技術を普及していった方が良かったのではないかと思います。

ヨーロッパの街並みから、日本の古い家について考えた僕ですが、最近はまた街並みについて考えることが多くなりました。
なぜヨーロッパの街並みが美しいと思うのかというと、建物に統一感があるからです。
一方で日本は建物に統一感がありません。
これを美しさとは別の視点が考えてみると、ヨーロッパは建物のデザインを自由に選ぶことが出来ず、日本はヨーロッパよりも自由に選ぶことができると考えられます。
日本では並んで立っている建売住宅を見ても、デザインが微妙に違います。
街を歩いていても、家のデザインが多彩であることが分かります。
日本家屋、アメリカンハウス、洋風建築に、最近の住宅メーカーのデザインと色んな家のデザインがあります。
なので、街を歩いているときに家のデザインを見ながら歩くのは結構面白いんです。
これはヨーロッパの美しさにはない面白さだと思います。

そういうこともあって、家が取り壊されているのを見て「次はどんな家を建てはるんやろ。」と興味をもってしまいます。
僕自身は土壁に魅力を感じていますし、今の家のデザインよりも昔の方が好きなので、古い家をリフォームしながら住む方が良いんじゃないかと思っています。
なので家を壊しているのを見て「あーあ。もうあんな家を今は建てられへんのに。」と残念な気持ちになるのですが、大きなお家だと期待感もあります。
「じゃあ次はどんなお家を建てるのだろうか。」と。

ここ2年くらいで近所の大きなお家が数軒立て続けに工事が始まり、残念な気持ちと期待感を勝手に抱いて、前を通る度に工事を見ていました。
まだ工事中のところもありますし、新たに解体工事が始まったところもあります。
今のところ、完成した建物はどれも期待はずれです。

他人の家なので、その人の勝手と言われればそれはそうなんですが、新しく建った家をみると、明らかにグレードダウンした感が否めません。
前の方が重厚感があって、大きなお家ならではで、持ち主の意向が反映されているようなデザインだったのですが、新しく建った家はどれも建売と変わらないようなデザインです。
ほんと勝手な意見なんですが「新しくせん方が良かったのでは?」と思ってしまいます。

更に勝手に残念に思うのは、そこにマンションが建つことです。
3階建で真ん中に階段があり、1フロア2世帯のマンションが3棟建つほどの広さだった大きなお家が取り壊されて、マンションが建つというのはなんだか寂しい気持ちになります。
建つマンションもどこにでもあるデザインのマンションです。
おそらく子供はもうそこには住んでいなくて、空き家になったタイミングでマンションにしたのでしょう。
土地も売ってしまって、住宅メーカーが買収した可能性もあります。

更に更に勝手に残念に思うのは、新しく建つのが家よりもマンションの方が多いことです。
ほんとビックリするくらい、大きなお家の跡地にはマンションが建つことが多いです。
跡地に建ったマンションを見て、人口は減っていくのにマンションばかり増やしてどうするのかと思う気持ちと、オリジナリティ溢れる大きなお家が無くなっていく残念な気持ちになっています。

このまま進めばヨーロッパのように統一感のある街並みになるのでしょうか。
別にデザインは大したことないので、統一感があっても街並みの美しさは感じないでしょう。
美しさがなければ、ただ同じものが建ち並んでいるだけです。
同じものばかりになるというのは、昨今の大きな流れの1つです。
無くなっていく大きなお家を見ながら、街並みからも個性が無くなり始めていると感じています。

化粧品研究者こまっきー

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