化粧品の研究をしていると、肌の悩み相談をいただくことがあります。
よくあるのは毛穴の悩みで「鼻の毛穴が気になって、色々してるんですが、あまり良くなりません。こまっきーのスキンケアを使えば良くなりますか?」という相談です。
僕は「どういう時に気になりますか?」と聞くと「顔を鏡に近づけて見た時に気になります。」と返ってきます。
「前から顔を鏡に近づけて肌荒れ確認しているのですか?」と聞くと、「いえ、鼻の毛穴の話をSNSで見て、自分はどうなんだろうと気になりました。」という返事が返ってきます。
つまり、SNSで毛穴に関する投稿を見るまでは、自分の鼻の毛穴がどうだったのか、見ていないわけです。見ていないと言っても、毎日メイクをするときなどで鏡を見ている訳ですが、そのときは気になっていなかったということです。
ただSNSの投稿を見て気になって鏡で自分の鼻を見てみようとした。
いつもなら顔全体を見ようとするので、鏡と顔の距離は離れています。アイメイクをするときは別かもしれませんが、その時は目に視線がいっているので鼻は見ていないでしょう。アイメイクをするくらい鏡に顔を近づけて鼻を見てみると、隣の頬の毛穴と比べて開いているように見えるので、「鼻の毛穴のケアをした方がいいかも!」と感じます。
このとき、まずは毛穴について知るべきです。
毛穴は普段何をしているのかと言うと、肌を整えることと、体温調節や老廃物の排出です。
肌が乾燥しないように毛穴から皮脂を分泌したり、暑い時には毛穴を開き寒いときには毛穴を閉じて体温調節を行ったりしています。
寒い冬でも暖房の効いた部屋にいると、暖かい空気は上に上がるので、足よりも顔周りの方が気温が高いです。顔周りは暖かく、足が冷えて巡りが悪くなるので、顔周りの熱が循環しないので顔が赤くなります。暖かいと言うことは顔に余分な熱があるので、毛穴などを通して顔の水分は飛んでいき、乾燥肌になります。
毛穴は乾燥しないように肌を整えようと、皮脂を分泌します。
特に鼻は皮脂腺の働きが活発なので、Tゾーンだけテカリが出たりします。
このことを考えてみると、毛穴に対して化粧品から出来るケアは保湿が良いと考えています。
巡りが悪くて顔に熱が集まることは化粧品ではどうすることもできませんし、毛穴がその熱の処理をしようとすることを邪魔してはいけません。
テカリがでるということは過剰に皮脂が出ている状態ですので、毛穴が過剰に皮脂を分泌しようとする状況にならないようにすることができればベストです。
部屋の温度や湿度をコントロールができれば、それが一番早いでしょう。
自分で足元だけ冷えないようにタオルケットや電気ストーブを当てるのも良いと思いますし、座っているとお尻周りで巡りが悪くなるので、1時間に1回は立ち上がって伸びをしてみるのも良いと思います。
また、水分は取らなさすぎると体は水分が出て行かないようにしますので巡りも悪くなります。水分をしっかり摂るだけでむくみが解消されるのはよくある話ですが、それと同じように水分をしっかり摂ることで巡りが良くなり、結果的に顔周りに熱が集まるのを防ぐことになります。
他にも肌の表面は皮脂などの脂質やタンパク質ですので、食生活が偏っていて、肉や油が極端に少ないと乾燥肌になりやすく、暖房で顔が赤くなりやすいです。
原因は空調や姿勢に食生活などの生活部分にあるわけですが、生活部分から改善しようとしてもすぐには改善しません。空調は自分だけのことではありませんし、体質というのもあります。
今まで話したの改善は空調にしても結果的には体の中の改善ですが、体の中だけではなく、外からケアすることで改善しやすくすることができます。
例えばアトピーを治すのに、いくら体の中を改善しようと試みていても、肌が痒くて掻き壊していては、体の中はなかなか治りません。肌は体の外側を覆って体温調節をしています。僕たちは寒いと着る服を重ねていきますが、一番最初の服は外側を覆っている肌です。
肌を掻き壊して肌の構造が乱れると、穴が空いた服のようにそこから体温が逃げていきます。
体温が奪われると体は体温を一定に保とうとするので、過剰に熱を生み出そうとします。
これが長期化して慢性疾患になり、範囲が広がっていくと、寒いのに肌に炎症がある状態になります。
体温と一緒に水分も奪われるので、肌はさらにカサカサします。
慢性疾患になれば、体の中から改善しないといけないのですが、同時に肌の悪化を防ぐことが、体の中の改善につながっています。
ですので、何かを塗って肌を整えようとすることは、根本の解決にはなりませんが、悪化することを防ぐことができます。
僕は肌に何かを塗って肌を整えようとすることが、化粧品の役割だと考えています。
毛穴のケアについて毛穴の役割をから考えてみると、毛穴の調節は化粧品で出来るものではないことが分かります。
ただ、悪くすることは出来ます。
洗いすぎて皮脂を落としすぎると、皮脂不足で毛穴は大急ぎで皮脂を分泌しようとし、それが皮脂の過剰分泌になります。
しかし洗いすぎ、毛穴ケアのやりすぎという加減がどこにあるのかの判断は非常に難しいです。
非常に難しいのですが、気になると過剰になりがちです。
気になる前の状態が悪くもないにも関わらず、鏡に顔を近づけて見ることで気になってしまい、やりすぎてしまいます。
毛穴の相談以外に、テカリの相談もあります。
テカリの相談も色々聞いた後、最後に気になったキッカケを聞くと、同じような回答が返ってきます。
僕は細かいことを気にしない、おおらかな性格の人の方が肌が綺麗だと感じています。
1点集中で物事を見ているのではなく、ざっくり見ているので、色んな意見に賛同できるのでしょう。結果、心が広いとも言われますし、大雑把で何も考えていないとも言われます。
深く考えすぎないことから、ストレスを溜め込みすぎず上手く処理できているので、肌が綺麗なのではないかと考えています。
1点集中ではないので、何かに極端に偏ることが少ないのではないかと考えています。
それくらいの方が肌が綺麗であることから、あまり気にしない方がケアが過剰になりすぎず、丁度いいのではないかと思います。
気にすると、何かしたくなります。
今の状態が良いか悪いかという判断を、自分の肌が綺麗な時を基準にして比べてみるのではなく、気になると今の状態が悪いと思いがちです。
今まで以上にじーっと見て、悪いところを探そうとしてしまいがちです。
もう見る前から悪いと決めつけているときもあります。
悪いと思うので、何かしたくなりますが、それが過剰になってしまうことはよくあります。
気づけば、色々ケアしているのに全然良くならないと感じることがあるかもしれませんが、それは悪くなっていないのではないでしょうか。
もしくは化粧品でケアすることではないのかもしれません。
僕は肌の綺麗を保つのに、一番必要なのは、気にしすぎずざっくり見ることだと思います。
気にすると、肌は悪くなりがちです。
これは僕も化粧品の研究者になる前に自分でもやっていた行動ですので、よく分かります。
今は色んな情報が飛び交っていますが、気になって悪影響になるなら、その情報は見ない方がいいかもしれませんね。
化粧品研究者こまっきー
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