「じゃあ、どうすればいいの?」
これが口癖になっていないでしょうか。
もしくは、そのような思考になっていないでしょうか。
化粧品研究者ということもあって、肌の相談を受けることがあります。
肌というのは肌だけを改善すれば良いわけではなく、全身のことを考えないといけません。
「顔のココにニキビができたら胃腸が荒れているサイン。」と言われるように、肌荒れする部分と体の中は繋がっているので、肌荒れを治すのに肌だけを見ていても、改善しないこともあります。
体の中と繋がっているということは、肌が荒れている場所と胃腸が関係しているなら、胃腸が弱っていると考えられます。
胃腸とくれば、食べ過ぎと考えてしまいますが、胃腸が弱るのはそれだけではありません。
梅雨の時期に食欲がなくなるように、気候は胃腸に影響します。
仕事が忙しくて疲れすぎたら、栄養が必要なはずなのに食欲が湧かないこともあります。
食べ過ぎだけではなく、生活全体のどれか、もしくは様々なことが合わさって、胃腸に影響しています。
なので原因を探るには、自分の生活を振り返らないといけません。
振り返ってみると、「あー、あれかもしれへんな。」と思う、無茶していたことがいくつか出てきます。それは、残業が続いたことのように何日も連続していることもありますし、単発のときもあります。
だいたい単発の無茶はなんともないことが殆どなのですが、何かが重なると、単発の無茶が肌荒れの引き金になります。このとき、振り返ると単発の無茶だけがピックアップされることがあります。ですが実際は、単発の無茶の前から何かが続いていて疲れていたのです。振り返った時に注意しないといけないのは、単発の無茶が原因であると断定せず、いくつもあるし、続いていことにも注意するべきです。
単発の無茶だと断定すれば「あー、あれは仕方ない。」と思って、なんの改善にもなりません。単発の無茶の前から起こっていた、ちょっとした負担に気づかないと、生活の改善にならず、肌荒れを予防することができません。
このように、化粧品が合わなくて肌が荒れるというケースもありますが、肌荒れは生活からくるトラブルも考えられます。生活から来るトラブルで、体が弱っていて敏感肌になっているケースはよくありますので、化粧品が合っていないと断定するには、生活からきた肌トラブルではないことを証明できないといけません。
振り返ってみて、ここ数週間無理がなかったか、空気が乾燥していて喉に違和感がなかったかなど、生活からくる肌トラブルの可能性を排除しないと、化粧品が合っていないと決めつけることができません。
肌荒れしてから、日々のペースを落としたりして生活を改善して、体が元気になっても尚、肌荒れが続くなら、化粧品が合っていないと考えられるでしょう。
肌荒れの相談を受けると、僕はこんな話をするのですが、僕からは「じゃあこうすればいい。」と、具体的な対処方法をいうことはありません。
相談相手が原因をある程度わかっているなら、「じゃあこうすれば?」というアドバイスは出来ますが、それは化粧品研究者特有のアドバイスではなく、友達レベルのアドバイスになります。
ですので、明確な答えが得られないことを不満に思われる時もあります。
肌が荒れたら化粧品を変えて治すという思考が一般的なので、化粧品研究者に聞けば「これが良いよ。」とオススメしてもらえると思うのでしょう。
しかし僕は、肌荒れを化粧品でなんとかしようとするのは間違っていると思うので、肌荒れの時に化粧品をオススメすることはありません。
肌が荒れている時はいつも以上に敏感になっているので、変えない方が良いと思っています。まずは生活の方で改善をして、疲れているなら休んで、それでもダメなら化粧品の出番だと考えています。
肌荒れの相談の時に、自分のブランドのスキンケアすらオススメしないので、相手から「こまっきーのスキンケアはどうなんですか?」と聞かれたこともあります。
そのときはいつも、「肌を整える目的で作っていますし、自分が肌が弱いので、自分にも使えるものを作っています。成分も合わなくて、蕁麻疹が起こったこともあるので、実際に全部試して、刺激にならずに肌を整えれる成分の選定をしています。」とスキンケアとして良いものであることをアピールする一方で、やっぱり肌荒れをスキンケアで治そうとしてはいけないことを伝えます。
僕は化粧品を販売しながら、肌荒れを化粧品でなんとかしようとする思考を改善できたらいいなと思っています。化粧品が肌荒れ予防に役立つのは間違いないのですが、肌荒れ=スキンケアという固定概念を変えないと、いつまでも生活へ目がいかず、スキンケアを変え続ける悪循環に陥ってしまいます。
肌荒れを化粧品で改善しようとすると、「どれがいいのか?」という思考になります。
肌荒れに良いスキンケアを探そうとします。
そしてその時調べて「これが良いかも!」と思ったスキンケアを使ってみます。
そしてまた肌が荒れたら、スキンケアを変えようと考えます。
これではその時良いかもと思えるスキンケアを探し続けるだけで、本当に改善しないといけない生活部分はいつまでも改善されません。
自分のことを振り返ることに抵抗がある人は多いでしょう。
特に自分の失敗を振り返るなんて、楽しいものではありません。
なので、ついつい振り返って反省することを避けて、改善方法を自分からではなく、自分以外から探そうとしてしまいます。
その結果が「どうしたらいいの?」「なにがオススメなん?」と信じているアカウントや情報サイトから答えを得ようとしてしまいます。
これは化粧品だけに適用されるのではなく、思考ですので、生活全体に影響してきます。
自分が躓いていないときは自分の意思で選択できるのですが、ちょっと躓くと、「じゃあ、どうしたらいいの?」と化粧品以外でも信じているアカウントや情報サイトに答えを求めてしまいます。
しかし実際には肌荒れのように、まずは自分の生活を振り返り、そこから判断しないといけません。調べるにしても、「なにが良いか?」というざっくりした調べ方ではなく、もっと具体的に「こういうもの」とイメージを持って調べないといけません。
具体的なイメージをもつには、自分の生活を振り返って、改善に必要なものを考えないといけないでしょう。
面倒かもしれませんが、一度やってみると、失敗した時の思考が全然違うことが分かります。
「じゃあ、どうしたらいいの?」思考では、失敗した後も「どうしたらいいの?」のままです。
自分の生活を振り返り、「こういうもの」と具体的なイメージを持って調べた結果失敗すると、「じゃあ、もうちょっとこうすれば良いのかな?」と新たな改善策が自然と生まれてきます。
そして何回か失敗を繰り返していくと、自分の中でのベストな選択が出来るようになります。
自分の中でベストな選択ができるということは、自分の中で折り合いをつけて満足することができているということです。
それでも失敗するときはありますが、その失敗も次に活かせるようになります。
「どうしたらいいの?」思考では失敗は次に活かすことはできません。
ただ信じる相手を変えるだけ、信じれる相手を探すだけになってしまっています。
身の回りが誰かのオススメや流行のものなのと、自分のベストではどちらが良いでしょう。
自分のベストが良いと思う人でも「まあ、たまには流行も。」と思うなら、自分が好きなときだけ流行に乗ればいいんです。
流行のものであっても、自分の判断で選択すれば、それは自分のベストの選択となります。
どうも最近は情報が多すぎて「じゃあ、どうすればいいの?」思考になりがちです。
混乱して、今流行りの流れに乗る傾向があります。
流行が小さくなってきたと思いきや、政治などの流行と言われていなかった分野で流行を巻き起こして、「じゃあ、どうすればいいの?」思考を悪用しているように感じます。
「じゃあ、どうすればいいの?」思考は楽ですが、いつまでも改善されません。
楽なので、生活全体でこの思考になってしまいます。
肌荒れしないようにしたい人は、まずは肌荒れしたときに、自分の生活を振り返るところから始めて、自分で判断する思考に切り替えていってはいかがでしょうか。
化粧品研究者こまっきー
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