化粧品から日用品まで、ありとあらゆるところで“天然系”が良いとされて、“天然系”なるものが流行り出したのは、2015年あたりからです。
その前から、化粧品業界では差別化として“天然系”の化粧品はありましたが、流行り出したのは2015年以降です。
2015年脱炭素のためにSDGsという17個の目標が立てられました。
その目標のために、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料ではなく、再生可能エネルギーを普及していこうという流れになりました。
化粧品に使われる石油系の成分といえば、ワセリンやベビーオイルに使われているミネラルオイル、界面活性剤など沢山あります。化粧品業界では以前から、これらを使わないほうがいいという主張があったので、2015年以降にいち早く脱炭素の流れに乗れたのではないかと思います。
当初は石油を使うことよりも、風力発電や太陽光パネルで発電したほうが環境に良いという主張のほうが強く、つい最近までその流れでした。
しかし最近は脱炭素は地球温暖化に繋がっていないという結果が出ているようです。
2050年にもし日本が二酸化炭素排出をゼロに出来たしても、気温は0.006℃しか上がらないそうです。
昨年にはイタリアで火山が噴火しましたが、その時に排出された二酸化炭素の量は、人類が今まで排出してきた二酸化炭素の量をはるかに凌ぐことが確認されました。
一発の火山噴火で、人類の今までの二酸化炭素の排出量を超えているのに、気温に大きな変化は見られていません。
また、そんなことは全然関係なく、地球には周期があってこれからは寒冷期にはいると言われています。
ここ数年でこう言った情報がどんどん出てきたことと、太陽光パネルを設置するのに山を切り開いている動画が拡散されたりしたことで、「脱炭素はほんまに環境に良いのか?」と疑問に思う人も増えたと思います。
今年の7月、中国は2024年末までに太陽光と風力で理論上は40%以上の電力を生産できる可能性があると発表しました。7月時点で太陽光と風力発電所の出力は火力発電所よりも高くなっているようです。
しかし8月時点では、火力発電所が実質消費量の61%を占めており、太陽光と風力は14%だそうです。太陽光と風力発電所の方が火力発電所よりも多く稼働しているのに、実際は電力全体の14%くらいしか賄えていないというのはいくらなんでも少なすぎるでしょう。
太陽光や風力発電は天候に大きく左右されます。それゆえに電力全体の14%しか賄えていないのです。風が強すぎると地域全体が停電する可能性もあるようです。
火力発電所は稼働を減らしても、実質消費量の61%を占めているので、こういうことからも化石燃料を使用した火力発電所の方が暮らしと環境のバランスで考えると良さそうだと考えられます。
さらにここ数年で大きく変わったことといえば、AIの普及です。
AIの消費電力は桁違いで、このままAIが普及していくと、消費電力量は倍以上になると言われています。
ChatGPTの生成AIが学習に使用する1時間当たりの電力は原発1基の1時間分を超えていますので、生成AIが学習し始めると原発1基では足りなくなります。他の生成AIならもっと消費電力量は低いのですが、今後機能が増えていくことを考えると、電気の消費と追いかけっこになると考えられます。
脱炭素に対して疑問に思い始めたところに、中国での太陽光パネルと風力発電の効率の悪さと、AIの普及でさらに電力が必要になってくることを合わせて考えてみると、やはり化石燃料と原子力発電が再び注目されています。
そして来年からアメリカの大統領はトランプになります。
トランプはアメリカで再び石油を掘るを言っています。
脱炭素の先陣を切っていたアメリカが石油を掘り始めるのですから、おそらく脱炭素もSDGsも聞かなくなるでしょう。
SDGsバッジをつけている人も見なくなると思います。
今、社会の天然系ブームは脱炭素から来ています。
ですので、アメリカが再び石油を掘り始めると、化石燃料の悪いイメージはどこかに行ってしまうでしょう。すると、化粧品業界でもイメージを気にせずに使うべきときに石油系の原料を使う会社が増えると思います。
この2、3年、世界で戦争が始まって石油価格が上がりました。
化粧品原料でも石油系原料は価格が上がるのかと思いきや、石油系原料はそこまで変化はありませんでした。それよりも植物系の原料のほうが価格が跳ね上がりました。
そもそも、石油などの化石燃料は天然系です。
そして石油は大昔の植物由来ですから、なぜ天然系や植物系に石油が含まれないのか不思議です。
ほんとただの差別化や付加価値に使われたイメージ戦略のひとつ、なんだろうなと思います。
石油由来のゴミ袋の使用も戻ってくるでしょう。
そもそもゴミ袋を作るのに使われていた石油は、石油のカスの部分です。
石油をガソリンや化粧品などの原料用に振り分けていき、余って捨てる部分をスーパーの袋やゴミ袋にしています。ゴミをゴミ袋にしているのですから、まさにエコなんです。
スーパーのゴミ袋を有料にして、エコバッグというものを新たに作って、ゴミ袋も有料にしている今の方が環境に良くないです。
生ゴミや資源ごみなど、ゴミ袋の見た目で仕分けしたいなら、スーパーと協力して、スーパーの袋をゴミ袋に活用できるようにデザインを考える方がエコです。
こういった、なんかズレていたものが、来年以降で修正されていくのではないかと思っています。
天然系という聞こえの良いワードの流行はトランプが大統領になると石油を掘ると言っているので、来年以降は小さくなっていくと予想しています。
その流れで、イメージ戦略ではなく、そこに必要だと思う材料を使用して物を作る思考に変わっていくと良いですね。
化粧品研究者こまっきー
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