化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

これからくる不況に若者は耐えられるか。

街を歩いていると、大通り沿いや駅近くの綺麗なマンションから出てくるのは若者が多いことに気づきました。
僕は今32歳ですので、32歳の僕が若者と思うということは、20代なのでしょう。

そういえば、今年の4月には社宅が汚過ぎて新入社員が入社を辞退するというニュースが話題になりました。
入社後に案内された社宅があまりにも汚過ぎたので、新入社員の9割が辞退するという話です。
このことが週刊誌に取り上げられるのと同時に、SNSでは新入社員であろう人のアカウントで辞退したことと社宅の画像が投稿されました。
話題になった後、注目が他の話題に移ると今注目のニュースを追いかけなくなるもので、このニュースもそれ以降追っていなかったのですが、今調べてみると、その情報は間違っていたようです。

会社側は、これから改装する予定であり、改装前を見せていることを説明しながら社宅に案内したようです。
となるとSNSに投稿した人も、新入社員9割も説明をちゃんと聞いていないことになります。
また他にも職種の違いで3万円の差があることを、3万円減額されると勘違いしていました。

このニュースを見た時、40代50代の人は「そりゃあかんやろ。」という気持ちと「昔はもっと汚かったけどなあ。」という気持ちが頭で交差して「まあ今の時代には合ってないな。」と結論づけたのではないかと思います。

ニュースになった時は改装する前だったことは知らなかったのですが、10歳しか違わない僕は「贅沢やな。」と思いました。
社宅なので家賃は殆どないはずです。調べてみると家賃の80%が会社負担でした。
そしてHPには他にも社宅はあったので、おそらくは研修中は一番古いシェアハウスに住むということなのではないか?と考えています。

というのも、僕が新卒で入った会社にも、新卒の人用の社宅がありました。
殆どが営業職なので、研修が終わったら新入社員は全国に散らばります。
研修2ヶ月のわずかな期間に、自宅から通勤できない人が住む場所としての社宅があったのですが、ボロボロだというのが新入社員の中で話題になっていました。
そこも確かシェアハウスのような形になっており、朝起きてこない子がいれば、誰かが起こしに行って、みんなで通勤していたようです。
今年話題になったボロ社宅もシェアハウスだったみたいですが、初めての社会人生活で実家から離れている場合にはシェアハウスは良いのかもしれません。

僕らのときでも新入社員の中で話題になったボロ社宅ですが、みんな笑いのネタにしていただけでした。
そのボロ社宅には女性もいましたが、入社して数日後にボロ社宅だから辞めるなんてことはありませんでした。
辞めた後、仕事はどうするのでしょうか?
10歳差の僕らでも、新卒ですぐに辞めると良くないという気持ちはありました。

今年話題になったボロ社宅は何軒かあり、そこに住んでいる人もいたそうです。
おそらく家賃がめちゃくちゃ安いのでしょう。
僕の頃も研修が終わり、各営業所へ配属された後、一緒の配属先になった同期の子の1人は3万円代のアパートを借りていました。
「家に帰っても寝るだけやから、安くていい。」と家賃補助3万ちょっとに合わせて、住む場所を選んでいました。その子のアパートに遊びにいくと、見た目もかなり年季がは入っている、全室和室のアパートでした。
何度も言いますが、これは10歳差の僕らが新社会人だった時の話で、2013年の話です。
昭和後期でも平成元年でもありません。
たった10年でこんなにも変化があるものなのでしょうか。

そう思って10年の差を考えてみると、90年代生まれと2000年代生まれではかなり違うなと思いました。
2000年生まれが中学生になるのは2012年、高校生になるのは2015年です。
もうこの頃には携帯電話ではなく、スマホに切り替わり始めていた頃で、高校生から何かを持つとすれば、携帯電話ではなくスマホになっていたでしょう。
つまり、2000年生まれ以降は携帯電話世代ではないのです。
携帯電話を持っていた人もいるかもしれませんが、それは少しの間ですぐにスマホに切り替わっていったでしょう。

携帯電話を持つようになった変化よりも、スマホを持つようになった変化の方が大きかったことは30代以降の人ならわかると思います。
携帯電話ではネットで検索しても見にくいので、あまり検索をすることはありませんでしたが、スマホになるとたくさん検索をするようになりました。SNSが普及したのもスマホになってからです。持ち運べるもので、映画やドラマやアニメを観る人が増えたのも、スマホが普及してからです。テレビが見れる携帯電話はありましたが、別料金がかかることもあって、そこまで普及していかなったと思います。

携帯電話からスマホになっていた変化を知っている人からすれば、「便利になったなあ。」という感覚ですが、スマホしか知らない人はこれが当たり前と思うのではないでしょうか。
「昔はグーグルマップなんてなかったから、紙の地図で自分の位置を把握して・・・」なんて話をしても、昔話を聞いている感覚で、懐かしい感覚はないでしょう。
いま新社会人になる世代は、携帯電話を知らず、スマホ以前の時代を体験していない世代なのです。

僕が子供の頃は冬になると屋根に氷柱ができていました。
夜に雨が降ると、翌朝水たまりは凍っていました。
小学校の教室は一番前に石油ストーブが一台あるだけでしたので、冬の席替えは珍しくみんなが一番前に行きたがりました。
それが10年経つと、教室にはエアコンが導入されていることが当たり前です。今ではエアコン導入していない方が問題視されています。
道路が凍らないように整備されているので、水溜りが凍ることはありませんし、都会では雪が積もって歩きにくくなることもありません。

2000年代生まれには、昭和の名残みたいなものがないんです。
変化はある程度完成された変化で、90年代から2010年にかけて起こった町並みの変化や携帯電話からスマホに変わっていくなどの風習の変化を知りません。
だから、1人暮らしするときは便利で綺麗なマンションを選ぶし、ボロ社宅だったら入社を辞める決断が出来るんです。
ボロ社宅のニュースで驚いたのは、それで入社を辞退することを決断したことです。
そんな感覚10歳差の僕らにはありませんでした。
子供の頃にニュースで話題になったボロ社宅のような家に住んでいた子もいましたし、そんなアパートを借りていた新入社員の子がいました。
2000年代生まれの子からすれば、こんな状況なら辞退してもいいと決断できるくらいに、ボロ社宅は非現実的になっているのです。

1人暮らしをする子でも駅近を選べば何かを断念していました。
立地と家賃と綺麗さや設備のバランスをとって、まあまあで妥協していました。
駅近で築数年の綺麗なマンションに住んでいる1人暮らしの子は僕の周りにはいません。
結婚している子でも家賃は2LDKで8万円台なんて言っています。
それは、それよりも悪いものを知っているから、理想のマンションとボロボロのアパートの間をとっているのです。

今の若者は生活の基準がかなり上がっています。
理想のマンションは新築で、最低基準が綺麗なマンションでしょうか。
確かに2000年生まれが高校生になって自分で何かを買い始める2015年以降は、アベノミクスで経済は盛り上がっている空気でした。
失われた30年といわれたのは令和に入ってからです。
なので、悪いものの耐性がないのではないかと思います。

もうここ数年で不況はすでに来ていますが、今後はもっと不況が露わになってきます。
来年はさらに体感する人が増えるでしょう。
そんなとき、ぼろぼろのアパートで、バブル崩壊後の不況を知っている世代は、もっと悪いものを知っているので、なんとかやりくりできるかもしれません。
どこまで生活をきりつめるのかということを考えて、いざとなれば下限を下げることができるでしょう。
僕はすでに毎年修正をして、生活費が上がらないように工夫しています。
常に修正出来るところを探しています。

それを今の若者にできるでしょうか。
悪いものをみておらず、便利になっていく社会を生きてきた若者は、これからくる不況に耐えられるのでしょうか。
生活を切り詰められるのでしょうか。
ボロボロの社宅で新入社員が入社を辞退したニュースを見たときは、会社を責めたと思います。しかしこれからの不況で、若者が困っていることがニュースになったときに、会社側になんとかするべきだと思う人はどれくらいいるでしょう。
それくらい自分に余裕がある人はどれくらいいるのでしょうか。

いまの若者に生活の基準を下げろと言っても、僕たちとは生活の基準値が違うので、下げても下げ足りないのではないでしょうか。

今は最低賃金がどうとか、103万円の壁と社会の改善点を指摘していますが、流石に社会や経済の方ではどうしようもない状況になったら、会社側に給料アップを訴えてもどうしようもありません。自分たちも生活を改めなくてはいけません。
もしそんな状況になったとき、目先の対応として、僕たちは不況の中で生きていく方法を若者に伝えなくてはいけないのではないかと思います。

化粧品研究者こまっきー

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