子供は結構感情的になりやすいです。
赤ちゃんはとりあえず何かあれば泣きます。
転んだら泣きます。
泣く以外の感情表現の仕方を覚えると、笑うようになり、怒るようになり、自分の感情を体で表す術を身につけていきます。
赤ちゃんが最初にできる表現が泣くことだからか、子供はどう表現したらいいのか分からなくなると、最終的には泣きます。
友達と喧嘩して最初は怒っていても、気がつけば泣いているなんてことがあります。
色んな感情表現を身につけていっても、最終的には訳がわからなくなり、気がつけば泣いてしまうように、自分の今の気持ちをうまく表現できなくて困ることがあります。
僕はこれは言葉を覚えていくことで解決できるようになっていくと考えています。
自分の今の気持ちを感情だけで表現するには限界があります。
そこからさらに詳細に表現するには、言葉が必要になってきます。
言葉は沢山知っていれば知っているほど、詳細に自分の気持ちを表現することができるようになります。
「美味しい。」だけじゃなく、「まろやか。」とか「コクがある。」という言葉を覚えることで、どう美味しいのかを詳細に伝えることができるようになります。言葉で詳細に表現できることで、訳がわからなくなって感情が爆発してしまうことが防げるのではないかと考えています。
ですので、僕は学生にはもっと日本語の表現方法を教えてあげることが、学生の悩み解決につながるのではないかと思っています。
歳を重ねるごとに、色んな人と接したり、流行り言葉を耳にする回数も増えて、言葉をどんどん覚えていきます。なので先ほどの話から考えると、子供よりも大人の方が知っている言葉と使える言葉が多いので、大人の方が感情的になりにくいと考えられます。
では実際にはどうでしょうか。
30代の僕が今の50代60代を見ていると、結構感情的だなと感じます。
昭和が舞台の映画を観ていても、感情的になる男性が描かれています。
今の映画でも感情的になるシーンはありますが、今と大きく違うのは、昭和が舞台の映画に出てくる感情的になる男性は、自分の気持ちをうまく言葉にできずに感情が爆発しているように思います。
反対に、今の映画やアニメでの感情的になるシーンは自分の今の気持ちを言葉で表現できているように思います。そして言葉で表現できない時は、爆発せずに気持ちを抑える傾向があります。
映画やアニメを取り上げましたが、実際の私生活に照らし合わせてみても、50代60代の人と10代20代を比べると、結構映画やアニメと似ているのではないでしょうか。
この変化には学歴の問題があると思います。
平成初期1990年の大学進学率は約25%ですが、20年後の2010年には50%を超えています。
去年は57%だったそうです。
大学はほとんど遊んでいると思うので、大学に行ったから学歴に大きな差が生まれたわけではないでしょう。
それよりも高校生の時に大学に行こうとするかしないかで、高校の勉強に対する姿勢が大きく変わることが大きな差となっているでしょう。大学に受かるために勉強をするのと、高校を卒業するために勉強するのとでは大きく違います。
国語や数学、理科に社会の受験勉強を通して、言葉や考え方を沢山知ったので、昔の人と比べて感情を上手く表現できるようになったのではないでしょうか。
しかしその反面、サッカー初心者が上手いサッカーチームに混ざっても遠慮してしまうように、上手く表現できない場合は表現しにくくなるので、塞ぎ込んでしまうことも多くなったのではないかと思います。
アニメを観ていても、感情が爆発しているときはスラスラと自分の今の感情を言葉で表現できているシーンばかりなので、上手く感情を表現できなくて爆発して怒るという選択肢が頭の中にないのかもしれません。
アニメを意識してみてみると、今のアクション系のアニメは、戦いながら思考が音声で流れています。
子供は感情表現を上手くなりすぎて、中途半端な表現が出来なくなっているように感じますが、大人は大人になりすぎてしまっているように感じます。
泣くことしかできなかった赤ちゃんが、体で感情表現をすることを覚えて、言葉で表現することを覚えて、表現方法を増やしていきました。
大人になるにつれて、色んな感情表現ができるようになったはずが、その表現方法に世論が規制をかけてきました。
体罰が禁止になれば、学校でも家庭でも暴力をふるう大人は減っていきました。
学歴の話と関連してきますが、大人だって人ですから、感情が爆発することくらいあるでしょう。それが立場的に弱いこどもに感情をぶつけることが良くないのですが、感情をぶつけられる相手といえば、親か友達か立場の弱い人くらいではないでしょうか。
子供の教育も、会社に入ってきた後輩の教育も、怒らず注意しすぎずを意識しないといけないような社会の空気感になっていきました。
今はそれが当たり前で、昔なら街で子供に怒っている親がいても何も思わなかったのが、街で子供に怒っていると冷たい視線を浴びているように感じるそうです。
その人の思い込みかもしれませんが、そう感じてしまうほど、社会の空気は変化しています。
「人それぞれ。」と言って、頭では受け入れていないのに、受け入れなければいけないと考えている人がどれほどいるでしょうか。
自分は「それは良くないんじゃないかなあ。」と思っていても「まあ時代が違うもんな。」という一言で済ませることに慣れてしまっている人がどれくらいいるでしょうか。
気がつけば、沢山覚えた感情表現のほとんどが使えなくなりました。
最近は「人それぞれ。」なんですから、表現することも禁止されているように感じます。
色んな言葉に規制がかかり、自分の感情を表現することにも規制がかかっても、大人は反対せずに受け入れてしまっています。
大人は大人になり過ぎてしまいました。
いき過ぎたことに気づいている大人もいますが、これは修正されるのでしょうか。
おそらく、社会全体で修正するのは難しいでしょう。
足りなければ増やせますが、いき過ぎても減らすことは難しいです。
僕はこれからこういった意見で、1つにまとまっていた社会はバラバラに分かれていくのではないかと考えています。
化粧品研究者こまっきー
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