今年は選挙でSNSの動向が反映されたこともあって、今まで以上に「マスメディアは終わりだ!」という意見に同調する人が増えました。
僕は元々ちゃんと新聞を見ていたわけでも、テレビのニュースを見ていたわけでもありませんので、「マスメディアはもう終わりだ!」と強く発信する人ほど、マスメディアに対して裏切られた感覚はありません。
興味があるものに時間を費やしていると、興味のない時事ネタを見ている時間なんてないと思っていましたので、時事ネタは上司や友達の話から情報を得ていました。
起業すると、興味があるものの中に時事ネタが入るようになって、自分でニュースを見るようになりました。
それは6年前の話なので、もう既に普段からテレビを観ることはなくなり、テレビ欄すら見なくなった新聞は熱いお皿の下に敷くコースター代わりになっていました。
新聞をコースター代わりにすると、新聞が濡れる時があります。
たまに、まだ新聞を読んでいなかった父は、濡れて読めなくなった新聞を見て怒っていました。
最初はニュースアプリで情報収集していました。
ニュースアプリは動画ではないので読まなくてはいけなくて、読む時間を作ることが難しいので、いつの間にかYouTubeでニュースの動画を聴き流しするようになりました。
各テレビ局のニュース動画は1,2分の短い動画が多く、それ以上知りたいときには、気になることについて喋っているアカウントの動画を観るようになりました。
YouTubeで知ったアカウントで、よく観るアカウントはXでもフォローするようになりました。すると、よく観るアカウントと同じ考えの投稿がおすすめ欄に表示されるようになり、そこから新たに情報収集をしたりしていました。
僕は過去にSNSから情報収集することはあまり良くないなんて言ったことがありますが、それは実際にやってみて良くないと気づいたので、気を付けながらもやってみた方が実感できていいかもしれません。
まずは1年くらいは観続けようと、気になったアカウントが発信する内容を1年くらい観続けました。すると、ずっと同じことばっかり言っている人や、常に批判している人など、ディベートみたいに、決まった立場から動かない人が多いことに気づきました。
起こった出来事を分析するのではなく、元からこっちの立場で意見を言うと決めているので、答えはいつも同じでした。
出来事が起こり、変化しているのに、1年間も同じ結論ばかり言い続けている人は分析しているのではなく、起こった出来事と決まっている答えまでの道のりを上手く繋げているだけのように感じました。
常に批判している人を見ていると面白くて、以前批判していた事でも、時間が経つのとその反対の意見も批判していることがあります。
つまり、両方の立場を批判していました。
「なぜだろうか。」とよくよく考えてみると、その人は常にマスメディアと反対の意見を言っているだけでした。
常にマスメディアと反対の意見を言う、つまり批判癖が身についてしまっているので、以前と意見が逆で、良いと言っていた側を批判していても気づいていないようでした。
Xでは、マスメディアが今まで報道していなくて、X界隈でずっと批判していたことがマスメディアで報道されると「マスメディアも変わった!」と喜びを発信する人がいました。
これも不思議で、マスメディアは株式会社ですので、株主の意向で発信する内容が決まっていると考えられます。発信する内容が変わったという事は、株主の意向が変わったという事になります。となれば「なぜ変わったのか?」について考えるべきではないかと思うのですが、マスメディアが発信内容をXでの発信内容に寄せたとき、なぜか「変わった!」と喜ぶ人がいました。
1年くらい、10人近くの政治系アカウントを見続けて気づいたことは、みんな情報の元ネタはマスメディアから情報収集しているということです。
マスメディアが発信した内容を批判するのは、まさにマスメディアの情報を見ている証拠です。あまり注目されていない情報をピックアップしているということは、それだけ人よりもマスメディアの情報をしっかり見ているということになります。
マスメディアが報道していないという発信も、マスメディアをちゃんと見ているから、何を報道していないのかが分かります。
つまりSNSはマスメディアを軸にして、情報発信しています。
おそらくXで批判している人は、マスメディアが情報発信をしなくなると、批判しなくなるでしょう。マスメディアが報道していない内容を「マスメディアはこんな情報を隠している!」と発信している人も、発信しなくなるでしょう。
マスメディアが無ければ、SNSでの批判や今年の選挙のような動きは起こらないでしょう。
マスメディアが無くなると言うことは、情報は噂話ということになります。
「僕が聞いた話によると・・・」から始まる噂話を、今の僕たちは信用しないでしょう。もしSNS界隈で今までのような発信をしても、噂話になって、信じる人が減るのではないかと思います。
発信する側だけではなく、情報を見ている側もマスメディアを軸にSNSを見ています。
マスメディアでは報道されていなかったり、マスメディアとは違う視点だからこそ、現状の不満からSNSでの発信内容を信じるのであって、マスメディアが無くなればSNSでの発信は伺いの目で見るようになるのではないでしょうか。
もちろん、SNSには自分で情報収集している人もいます。
自分で色んな人から話を聞いて、その内容をまとめて発信している人もいるので、SNSで発信している人が皆マスメディアを軸に批判したり、反対意見を発信しているわけではありません。
しかしSNSでよく見かける人は、見る側から注目されている人であり、マスメディアを軸に発信している人です。
SNS界隈は自分で情報収集している人が前に出てくることができれば、本当の意味でマスメディアとは違った情報収集ができるようになるのですが、前に出てこないので、自分で探さないとそういう人は見つかりません。
今はまだマスメディアも元気なので、SNSはマスメディアを批判し続けていますが、もしマスメディアの力が弱まっていったら、SNS界隈はどうなるのでしょうか。
一番良いのは批判ばかりしている人たちが黙って、自分で情報収集している人たちが前に出てくることですが、そうはならないでしょう。そういう人は時代が変わっても、前に出てくることはないと思います。個人の時代と言っても、大きな枠組みにハマる個人という意味ですので、自分で情報収集するような人が前に出てくることはないと思います。
一番良くないのは、マスメディアが弱まると同時にSNSもダメになって、何を信じて良いのか分からずに、社会全体が情報不安に駆られることです。
マスメディアを批判し、勢いのある人がいて、その人を応援していると、「その人は実はこんな人なんだよ。」と悪い人であることを発信している投稿を見ていると、「私はこの人を応援していていいのだろうか。」と次第に不安になってきます。
それでもマスメディアとSNSは違うと思っているので、不安になれば応援する人を変えたりしていますが、マスメディアが弱まるとき、SNSも弱まれば、なんの支えも無くなった状態になります。
SNSはどこまで影響力を持つようになるのか。
マスメディアはどこまで弱くなるのか。
マスメディアが弱くなったとき、SNSや、人々はどういう行動に出るのか。
社会全体はどんな空気感になるのか。
来年以降、この動きを気にしておこうと思っています。
化粧品研究者こまっきー
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