発熱があって病院に行くと、薬が処方されて、飲めば症状が楽になります。
だからか、病院に行って薬をもらえると病気は治ると思ってしまいます。
花粉の時期も鼻詰まりがあって、目がしょぼしょぼするので病院に行って、診察を受けると薬が処方されて、あまり効かない場合は違う薬が処方されて、自分に合った花粉の薬を処方してもらいます。
これも同じく、病院の薬をもらうことができれば、花粉の症状は楽になると思ってしまいます。
そう思ってしまう原因の一つに、市販薬の存在があります。
熱がある時に、ドラッグストアに行って風邪薬を買うよりも、病院で処方された薬の方が効き目がいいです。
花粉の時期も、病院が混んでいるのが嫌で、ドラッグストアで買ったりするのですが、効き目が全くないか、効き目はあるけどめちゃくちゃ眠たくなる薬しかなくて、やっぱり病院で処方してもらう薬の方がいいなと思います。
なので医者のことを先生と呼んだりしてしまうのですが、このとき、大事なところが見えていません。
それは、自分で自分の症状を理解しているかどうかです。
発熱があって、病院に行くと、最初は看護師さんから「今日はどうされましたか?」と聞かれます。その時に、自分の症状をわかっているから「熱が38℃あって。」と伝えることができます。改めて病院で体温を測り、問診したときに医者から聞かれたことに答えることで、医者はどういう状況で発熱が起こったのかが推測出来ます。
また、喉が痛いとか頭が痛いとか、症状を伝えることで、その症状を和らげる薬を追加で処方してくれます。
これがなんにも分かっていなくて、ただ「調子が悪い。」とだけ言った場合はどうなるでしょうか。看護師は一応、体温は測るかもしれません。医者は色々聞いてくるのですが、「分からへん。」と返事しているだけでは、処方する薬の選択に困るでしょう。
発熱があれば解熱剤は出すかもしれませんが、それ以外の薬は出さないかもしません。
発熱の場合は必ず解熱剤を出すのではなく、解熱剤を処方するタイミングを選んでいる医者だと、解熱剤すら出せないかもしれません。
医者は喉を見たり、聴診や腹診をしますが、「分からへん。」では薬の選択に困るでしょう。
そこに注意して問診をしていると、医者は患者の言葉を結構参考にしていることが分かります。
今は減りましたが、腹診はお腹を押して、体の状態を見ます。
医者も押していて違和感があるところがあれば、「ここ気持ち悪い?」と聞きます。
その時、患者が「気持ち悪い。」といえば、原因が分かって対処法も見つかって、すっと治ることがあります。しかし「分からへん。」だと、医者の見立てで薬を処方するのですが、案外外れます。
病院に行った時のことを振り返ってみると、皆さんにもこのようなことがあったはずです。
試しに親は診察室の外にいて、小学生の子供だけで診察室に入っていけば、医者は親を呼ぶと思います。
小学生やからという訳ではなく、聴診や腹診だけで判断出来るかもしれませんが、アレルギーや副作用が起こった薬がないかの確認も必要です。これも自分のことの1つですし、やっぱり親から症状が出る前後の出来事を聞いた方が、より的確な薬が処方できるので、親から問診を行うでしょう。
このことから、病院へ行って的確な薬をもらうには、自分で自分のことを分かっていないといけなくて、自分も治療に一役買っているのです。
これは病院で西洋医学の薬をもらう場合は、ある程度決まった薬がありますが、東洋医学の漢方などを処方してもらう場合は、自分のことをどれだけ理解しているかはかなり治療に影響してきます。
ある漢方医は、夫婦で来られ、頭痛で悩んでいる男性に、一般的に頭痛に効くと言われている漢方ではなく、イライラを抑える漢方を処方して頭痛を治した。という話があります。
問診中に、男性は、一緒に来た奥さんが口を挟もうとしてきた時、「君は黙って!」と急に怒ったらしいです。その後はゆっくりを話している男性を見て、頭痛の原因はイライラしやすいことにあると考えました。
もし、男性一人で来た場合は、このように急に怒ることはなかったでしょう。
奥さんと一緒に来て、奥さんが口を挟もうとしたから、このような態度に出たわけで、夫婦で行っていなかったら、また違った漢方を処方していたのかもしれません。
ちなみにこれは自分にも身に覚えがありますが、ピシャリと怒って、その後普通に話した場合、怒ったことはすぐ忘れてしまいます。
なので問診中に漢方医から「最近、イライラしやすいですか?」と聞かれても、普段は穏やかなので、おそらく「そうでもないです。」と答えるでしょう。
漢方で治療されている方の中では、いまいち効果が感じられない時は漢方医がダメだと考えて、違う漢方薬局を探すことがあります。
しかし、何軒か巡っても、最初は良い感じなのですが、続けていると以前とそんなに変わらないということはよくあります。
その原因には、漢方がダメなのではなく、漢方医がダメなのではなく、自分がちゃんと自分のことを分かっていないことが原因である可能性が高いです。
色々上手く聞き出すことは漢方医の技術かもしれませんが、患者側も自分のことを分かっていた方が、的確な漢方を処方してもらうことができます。
先ほどの話のように、漢方ではほんの一言で、処方する内容が決まることもあります。
それは「頭がいたい」という的確な症状を理解していることも大切ですが、「急にイライラする」という感情的な部分を覚えておくことも大切です。
他人から「最近、すぐイライラするな。」と言われると、言われることでイラっとしますが、そう言われた一言を覚えておくと、問診の時に役立つでしょう。
自分のことというのは、自分で感じていることと、周りの人が感じていることも含まれます。
とくに、感情的な変化は周りの方がわかっていることが多いのです。
僕は「最近、すぐイライラするな。」と言われると、腹が立ちますが、イライラするのは疲れている証拠ですので、少し時間が経った頃にその言葉を思い出して、少しゆっくりする時間を作るようにしています。
こんなことを話していると、「そんなん当たり前のことやん。」と思うかもしれません。
熱があるから内科に行くわけで、鼻が詰まるから耳鼻科にいくわけで、「自分の症状を理解して病院に行ってるんや。」と思うかもしれません。
しかし僕は慢性疾患が慢性になってしまう原因は、自分のことを分かっていないことにあると思っています。
自分のことがわかっていると、的確な治療を受けれる確率が上がるだけでなく、普段の生活でも気をつけるべきところに気をつけれるようになります。
なかなか治らない病気が薬の飲むだけでは治らないのは、普段の暮らしに何か原因があるからです。
ですが、なかなか治らない病気は医者に任せてしまいがちになります。
漢方は処方してもらえるので、特に任せてしまいがちになりますが、漢方こそ、自分のことがわかっているかどうかが大切なのです。
寒くなってくると、手荒れやお腹の冷えなど、寒さ特有の症状がひどくなってきます。
毎年恒例で、何年も困っている方は漢方を検討しているかもしれません。
冷えているので温めればいいという単純なものではありませんので、もしなかなか治らないのではあれば、自分のことを振り返ってみて、次の診断でお話されてみてはいかがでしょうか。
化粧品研究者こまっきー
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