化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

テレビからSNSに移動しただけ。

人々が観るものが、テレビなどのマスメディアからSNSに変わっていくと、時代が変わった気がします。
時代が変わった気がするので、SNSは今までとは違うもののように考えてしまいます。
しかし僕は、マスメディアもSNSも同じようなものだと思います。

テレビや新聞は、自分たちの視点でニュースを発信していました。
それが今や、偏向報道であるとか、真実を話さないと言われていますが、僕はそもそも真実は1つではないと考えています。

子供の頃に喧嘩をして、先生に呼びだされて別室でそれぞれが先生に話し、僕が「向こうが先に殴ってきた。」というと、先生は「向こうはそっちから先に手を出してきたって言ってるで。」と言われたことがあると思います。
手を出すことだけではなく、喧嘩した相手と言っていることが異なっていたことはよくあります。
つまり、僕と喧嘩した相手とでは、真実が違うのです。

さらに、それを見て止めに入った人は見たタイミングからの解釈になるので、「もうすでに殴り合っていた。」もしくは「誰々が一方的に殴っていた。」と言うでしょう。
「誰々が一方的に殴っていた。」という言葉だけを切り抜けば、殴っていた相手が悪いと思うかもしれませんが、キッカケを作ったのが殴られた側なら、殴られた側も悪いです。
「誰々が一方的に殴っていた。」という話す人の真実は僕とも喧嘩した相手とも違う真実です。

さらにさらに、先生の聞き出し方でも真実は変わってきます。
誰が何をしたのか。という行動の部分だけを聞き出していれば、先に手を出した方が悪いとか、怪我させた方が悪いという結論になります。
そこに、先に手を出した子に「なぜ手を出したのか?」と聞けば、先に手を出した子の心境を知ることができます。すると、先に手を出した子ではなく、その子に嫌な事を言った子も悪いと言うことになります。

ではこの喧嘩を誰から聞いたら真実を知ることができるでしょうか。
当事者である2人の意見が違い、それを見て止めに入った人も意見も違います。
その場にいた人がそれぞれ意見が違うのに、真実を1つに絞って、誰が悪いかを決めることは、よっぽど一方的でない限り難しいでしょう。

そして当事者である2人と止めに入った人の合計3人の話を聞いて、話をまとめる先生は、先生のまとめ方によって誰が悪いのかという結果が変わります。

この先生の立ち位置は、まるでメディアと同じ立ち位置です。
メディアは解決する役割はありませんが、話を聞いて、話をまとめて情報発信します。
ですので、先生の質問内容や先生が悪いと思っている基準によって、怒られる対象が変わるように、メディアの基準次第で情報の内容が変わるのです。

これは、偏向報道と言えるのでしょうか?
真実を話していないのでしょうか?
反対に、SNSで発信されている内容は偏向報道ではなく真実なのでしょうか?

僕はマスメディアもSNSで情報発信している人たちも、自分が真実と考えていることを発信していると考えています。
マスメディアは株式会社なので、株主の意向で発信内容が変わってくると思うかもしれませんが、個人だって、それなりに活発に活動しようと思えば、支援者はファンが必要ですから、結局はその人たちの期待が反映されていると考えるべきでしょう。

なんだかややこしいので、マスメディアの内容もSNSの内容も、全て偏向報道と思っていた方がいいかもしれません。
すると、何を信じればいいのか分からなくなるかもしれませんが、信じるべきは自分の感覚です。自分が今まで生活してきた中での良し悪しを基準に判断して、情報は全て偏向報道で、色んな偏向報道から組み立てて、自分が納得できる内容を作ればいいんです。

色んなところでも共通している部分は信憑性が高いと考えられます。
SNSである人が発信する内容を聞いていても、全て納得したわけではなく、疑問が残る部分もあるでしょう。その疑問がすぐに調べられそうなら、調べてみて、難しそうであれば、違う人の発信をみてみます。そこでまた納得できる部分と疑問が残る部分に分けて、それらをつなぎ合してみて1つの物語として筋が通っているか確認してみます。
もし自分の納得できる部分を組み合わせたはずなのに筋が通っていない場合は、パズルのピースが足りないように、情報が足りていないか、そもそもの組み立てが間違っているのでしょう。
どちらにしても、パズルは完成形が見えていて、ピースもあらかじめ何個あるか分かっていますが、現実に起こった出来事は情報が何個出てくるのか分からないので、うまく辻褄が合わないのであれば、すぐに判断せずに新しい情報が出てくるまで待ってみるといいでしょう。

こうして考えると、マスメディアはマスメディア視点で報道をして、SNSでは個々の視点で情報発信して、それでいいじゃないかと思います。
わざわざ、「マスメディアはもう古い!」なんて言わなくていいはずです。
「マスメディアはもう古い!」と言って、マスメディアを批判しながら、自身の主張に注目が集まるようにするそれは、まるでマスメディアの立場になろうとしているみたいです。

SNSは色んな人の意見が聞ける場所なのですから、何かを批判して、何かを蹴落として、自分が前に出る場所ではないはずです。
それをしてしまったら、マスメディアと同じです。
「マスメディアはもう古い!」「マスメディアは真実を話さない!」と言って、自分の発信内容を主張し、他のSNSアカウントの発信内容を貶し、自分に注目が集まるように活動するなら、マスメディアを悪く言うことはできないでしょう。

しかし現実はそうなっています。
SNSではマスメディアを批判し、マスメディアに出ている人や自分と意見が違う人を批判し、自分と意見が合う人を集めて、自分の主張が主流になるような活動をしています。

なので、僕はテレビからマスメディアに移動しただけだと感じています。
なんだかんだでSNSで発信する人の情報源はマスメディアですから、SNSは結局マスメディア頼みです。一部、自分で情報収集している人もいますが、よく目にするのはマスメディアの報道内容批判です。

それはマスメディアが偏った視点の情報を発信するように、1つの偏った視点を発信しているに過ぎません。
それが「こういう考え方もあるよ。」ならまだしも、大衆の意見を、マスメディアから自分の意見に塗り替えようとするくらい、強い発信になっています。

色んな意見を聞ける場所ではなく、大きな流れが生まれてしまうなら、SNSはマスメディアと同じです。
ネットが普及して、殆どの人がスマホを持つようになったので、テレビの偏向報道ではなくSNSで注目されている偏向報道を見るようになっただけで、今のところ、ただ見るものが変わっただけで、特に変化なしではないかと感じています。

化粧品研究者こまっきー

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