化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

昭和脳をやめなければ、人手不足は解消しない。

“失われた30年”という言葉をよく耳にするようになってから、給料が上がっていないことに注目が集まりました。
30年前と今を比べて、給料だけではなく、給料と物価のバランスなども取り上げて、こんなに生活が苦しくなっているという画像がSNSで広がりました。
しかし、その30年前というはバブル真っ只中の1989年でした。
バブルといえば、戦後日本が一番盛り上がったと言ってもいいタイミングです。
よく考えてみれば、一番良かった時と比べると、どの時代も良くなくて当たり前ではないでしょうか。

その後、平成の30年はバブルの時と比べると伸びることが出来ずに、むしろ下がっていったので、令和に入ってから、バブルの頃と平成を比べられて“失われた30年”と言われています。
ぼくも最初はそれに納得していたのですが、一番良かった時期と比べていること自体がどう比べてもマイナスに見えてしまうことと、その見方には生活の変化がないことに気づきました。

僕は1992年生まれで、バブルが崩壊し始めた頃に生まれたので、バブルの頃の社会状況を体験していません。生まれてからずっと“失われた30年”を生きていきました。
しかし、社会人になると、上司や得意先の社長がバブルの頃の話をよく話しました。

バブルの頃はとにかく夜の食事でどれだけ接待するかが大事だったこと、有名な社長の自宅まで車で送って、朝帰りは当たり前だったことなど、バブルの頃のサラリーマンがどんな仕事をしていたのかを聞いたことがあります。
「あの頃は大変だったけど、良かった。」と誰もが口にしていました。

今のサラリーマンと比べると、仕事ぶりが全然違います。
まず今のサラリーマンは“働き方改革”の影響で、あまり残業できる体制ではなくなりました。
会社によっては、夜の8時以降はビルが閉まるので、20時までに出ていかないといけなく、仕事が出来ない設定になっているそうです。
不景気ですから、会社は接待をたくさんやろうとはしませんので、夜の接待もかなり少なくなっています。
特に若い人は殆ど夜の接待してないんじゃないでしょうか。
部長とか常務クラスの役職の人が、よくお得意先を接待していることはあっても、若い人が自分の担当の人と食事に行くことは減っていると思います。

夜ご飯に行けば、食事して、スナックにいってお酒を飲んでですから、終電まで仕事をしていることになります。
それがバブルの頃の働き方だと考えると、今は働いている時間が半分近く短くなっているのです。

働けば働くほど、売り上げが伸びるわけではありませんが、30年間給料が上がっていないことを不満に思うなら、30年で働く時間がほぼ半減していることにも注目するべきでしょう。

働く時間が半減し、実質賃金でみた給料が半減しているなら、おかしくはないでしょう。
人口が減っているので、その分一人当たりの税金が増えるのも、嫌ですが、そうなるだろうなと思います。特にここ30年でネット環境が大きく変わったので、サイバーに対する防衛費用は増えていくだろうなと思います。むしろ増えない方が対策していないということで不安になります。
働いた給料から税金で沢山ひかれてしまうのは嫌な気持ちになりますが、一方で、減税をして、今の社会を維持できない、困っている人を切り捨てなければいけない社会になれば、治安も悪くなりますので、このバランスは難しいなと思います。

では、どうしたら30年前と比べて働く時間を半減しても、実質賃金を増やすことができるでしょうか。
それは、一人一人の能力を上げるしかないと思います。

働き方改革で、残業がやりにくくなりました。
すると、能力そのままで働く時間を減らしたので、どうやっても仕事が回りません。
そこで、人手を増やすか、外注するようになりました。
つまり、今までの仕事を、今まで以上にコストをかけるようになりました。

深夜まで働いていたこと自体が問題だったので、その時と比べてコストがかかるのは当然です。
それならば、少しでも時間内で効率よく仕事をこなせるようにすれば、まずは今までの仕事にかかるコストを抑えることができます。

給料が上がらない原因は内部留保だと言われています。
会社のせいにすればそこで話は終了ですが、どうでしょうか。
給料が上がらない、給料が低いと言えるほど、自分は日々テキパキ仕事をこなし、能力を上げようとしているでしょうか。

ある専業主婦の女性が、「旦那が子供が結婚して出ていったからって、毎月私に振り込む生活費を大幅に下げてきた。これでは足りひん。」と僕に愚痴をこぼしました。
僕は「それやったら、子供1人減った分の生活費を旦那さんにみせて、足りひんことを伝えたらいいやん。」というと、その女性は「家計簿をつけてないから分からへん。」と返事しました。
家計簿をつけていないなら、毎月どれだけ食費がかかっているのかもわからず、生活費の合計などわかるはずもありません。
なのに、「これでは生活費が足りひん。」と愚痴をこぼすのです。
これでは旦那さんと交渉することも出来ないでしょう。

僕はこの思考を給料にも当てはめるべきだと思います。
今時の会社なら、賞与のフローチャートがあります。
1年目よりも2年目の方が仕事ができるようになるのは当たり前ですが、その当たり前の基準以上に成長しているなら、それはアピールするべきでしょう。
それでも給料を上げないのであれば、「給料が上がらない。」「給料が低い。」と愚痴をこぼすのは理解できます。
しかし、果たしてそう言えるくらい1年で成長している人はどれくらいいるでしょうか。

僕は会社に勤めていた時、ボーナスを貰った後の社長との面談で「新しい処方を開発することが出来ました。この会社が持っていない原料を見つけて採用をしました。新規で売り上げをこれだけ上げました。これは2年目の基準以上の成果だと思うのですが、それでも賞与には反映しないのですか?」と聞いたことがあります。
そう言っても何も変わらなかったのですが、給料やボーナスの交渉には、会社の規定以上の成長を見せないといけないと思います。

“失われた30年”と言って、いつまでもバブルの頃と比較しても何も解決しません。
バブルは平成に入って崩壊したので、“失われた30年”という思考は昭和脳だと思います。
バブルの頃は今の倍くらい働いていました。
サービス残業だったとはいえ働いている時間が減っているのですから、給料が低いのは当然といえば当然かもしれません。
一人当たりの働く時間が減ったのですから、働き手が成長しなければ、その分は人を増やすか外注をして、コストをかけないと会社が回りません。
昭和の思考で考えていると、いつまでも働いている時間と給料のギャップを埋めることが出来ないでしょう。

そろそろバブルの頃と比較するのは辞めないといけないです。
今の働く時間でいかに効率を良くしていくかや、いかに1人1人の能力を伸ばしていくかに注力していくべきでしょう。
体罰問題、働き方改革、褒めて伸ばす教育などの影響で、会社は長く勤めてもらうために新入社員を怒らずに甘やかすようになっています。
注意するとパワハラだと言われそうなので、注意も出来ず、新入社員は失敗に気づけずにいます。自分がダメだと気づいていないから、成長していないのに「給料が低い。」と言います。
これも昭和脳の反省が裏目に出ている部分でしょう。

これから人口が減っていくので、一人当たりの税金負担は増えていきます。
仕事も一人当たりの負担が増えていくでしょう。
今みたいに、人手不足と言って、とりあえず人を入れようとしているだけでは、何も解決しません。
そういう体制にした国にも責任がありますし、そういう社内にした会社にも責任があるかもしれませんが、そこで働いている1人1人にも責任はあるでしょう。
そろそろ昭和脳を捨てて、比較をせずに、今の現状を見て考えていかないといけないです。

化粧品研究者こまっきー

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