学生の時は、頑張れば頑張るほど良い結果が出ることが多かったです。
勉強はすればするほど成績が上がりますし、部活も自主練などを頑張っている人のほうが上手でした。
センスや飲み込みの早さという個人の差もありますが、それでもまずは頑張らないと何も変わりません。
部活や習い事では頑張っても良い結果が出ないことや上手くならないことがありましたが、それはそれで考えて、やり方を変えてみたりすることで、良い結果に近づきますので、やっぱり部活は頑張れば頑張るほど、良い結果に繋がります。
とくにスポーツは目の前に相手がいるので、負けたときに自分の頑張りが足りないことがなんとなく分かります。
相手が見えず、自分の頑張りがどう影響するのかが読めない最初の出来事は受験です。
受験勉強は頑張れば頑張るほど解ける問題が増えていきますが、だからといって合格するわけではありません。
英検や漢検のように“何点以上は合格”というラインがあれば、その点数以上取れるかを過去問で勉強すれば、油断しない限りは合格できるか予測できます。
しかし受験はその点数以上の人は皆んな合格するという点数の基準がありません。人数が決まっているので、成績の良い順から決まった人数だけを合格にします。
なので、模試でA判定が出ていても、自分よりも成績の良い子が学校が決めた人数よりも多ければ、自分は合格できません。
これはまるで、個数限定販売に並ぶときみたいです。
100個限定の商品をゲットするために、開店より1時間前に並ぼうと朝早く起きて頑張っても、それよりも早くに100人並んでいれば限定商品をゲットすることはできません。
お店に行くまでは状況がわからないので、相手の状況が見えず、自分の頑張りがどう影響するのか読めないという点では、受験と似ています。
お店に行って、すでに100人を超えて受付終了していたら、「1時間前じゃ遅かったんか。」と反省して、次はもっと早く行こうと思います。
そしてさらに早く、2時間前に行ってもゲットすることが出来ず、並んでいる人に話を聞いてみると、前日とか始発という言葉が返ってきて、到底自分には無理な時間であることが分かると、諦めがつきます。
しかし受験には次という感覚はなく、前期と後期では合格人数も受験生の質も変わるので、“次はもっと早く行こう”感覚で対策できるものではありません。
また試験を受けた時点で合否がわかるわけではなく、「問題解けなかったな。」と思っていても、合格する時もあります。
似ているのは人数が決まっていて、どれくらい頑張ればいいのかは結果が出てからでないと分からないところです。
この辺が学校の普段の勉強と受験の違いだと思います。
学校の試験なら、大体これくらい覚えたらこれくらいの点数は取れるだろうとなんとなく分かります。受験は模試の判定が良くても、どれだけ勉強をしても、どれだけ本番で自分が解けたと思っていても、周りが自分以上に解けていたら合格できないのです。
つまり100個限定の商品をゲットするように、他の受験生という周りの影響を大きく受けます。
そういう意味では、目標は「○○大学合格!」ではなく、「このレベルの難しい問題を何分以内に解けるようになる!」の方が、自分の頑張りによって目標達成できるかどうかが決まるので目標設定に適していて、そのときの運も絡んでくるどこの大学に合格するかは結果ではないかと思います。
この受験勉強以降、目標と結果がごちゃまぜになっているように思います。
就活生を見ていても、どこの会社に就職することが目標になっている人がいます。就活の面接は受験以上に合格基準がわからないので、あまり頑張りようがありません。
その時の面接官が会社に合うかどうかを決めていると思いますので、頑張るところは少ないです。
頑張るところといえば、最低限準備しておかなければいけない自己紹介、自己PR、志望動機に会社のことを詳しく知っておくことくらいです。
ですが僕が就活生だった頃でも、グループ面接が終わった後、同じグループだった就活生の子は帰り道に「よっしゃ。自己PRと志望動機ちゃんと言えたから、大丈夫や。」と言っていました。
僕はその会社の2次選考に進めたのですが、2次にその子はいませんでした。
その子の思考は受験の「○○大学合格!」という結果が目標になっていることが影響していると思います。
社会人になっても、営業マンには「毎月何百万円目標!」という予算設定があります。
その設定金額を達成しないとボーナスに響くので、営業マンは必死に頑張ります。
僕は美容サロンに商品を卸す営業をしていたことがありますが、月末になると先輩たちは担当のサロンに行って、買ってもらうように交渉していました。
サロンは商品が無くなれば買うのですから、営業マンが頑張るところはどうやってサロンから商品を早く無くして、注文を増やすことではないかと、当時思っていました。
ここでも、「○○大学合格!」という結果が目標になっています。
独立した後も、いろいろなコンサルの人と話したことがありますが、「売上目標いくら」とか「客数何人目指す」とかそういう結果を目指す話ばかりでした。
僕はそれは「○○大学合格!」や「どこの会社に就職する!」のような結果ではないかと思うのです。
こうすれば売上は必ず伸びるという決まった方法はありません。
最近までは意図的に作られている方法があったのはありましたが、その方法も効果を見出せなくなっています。
そうではなく、自分がどんな発信をしたいのか、どう売りたいのかではないかと思います。
それが軸にあって、その上でどうやって集客を伸ばそうかと考えて、試してみた結果、集客が伸びたり伸びなかったりします。
学校の勉強のように、頑張れば頑張るほど、宣伝費用を増やせば増やすほど、良い結果が得られるとは限りません。
商品を購入するのは自分ではありませんので、どうやったら他の人が興味を持ってくれるのかは分からないのです。
それでも何かしら行動しないと良い結果は出ないので、なにかしらの行動を起こすのですが、その行動のときに考えるのは「どうしたら興味をもってくれるのか?」であって売上目標のことではないはずです。
どうしたら興味をもってくれるのかを考えて、行動して、興味を持ってくれる人が増えた結果、売上に繋がるので、目標は結果の売上ではなく「どうしたら興味を持ってくれるのか?」ではないでしょうか。
「どうしたら興味を持ってくれるのか?」ではなく、売上を目標にした結果、自分のやりたいこととは違う方向にビジネスが進んでしまったお店、結構あるんじゃないかと思います。
僕はこの思考のキッカケは受験から始まっているのではないかと思います。
僕も「○○大学合格!」と第一志望合格を目指して受験勉強していましたが、考えてみれば、受験はそのときの周りの学力に大きく影響します。同じ大学でも、前期と後期では後期のほうが合格人数が少ないだけではなく、受験生のレベルもグッと上がっていることが、受験会場に行ったときに感じました。受験生の風貌が違うんです。明らかに年上が多くて、どこかの難関国公立大学を前期合格できなかった人たちが集結したような雰囲気でした。
僕は第一志望に受からなくても浪人せずに、受かった大学にいきましたが、浪人を考えるキッカケの一つに「1年勉強すればいけるかも!」という賭け事のような気持ちが混ざっているのではないかと思います。
そうではなくて、「このレベルの難しい問題を何分以内に解けるようになる!」という目標だったなら、その目標を達成していながらも第一志望に合格できなかった場合、諦めがつくのではないかと思います。
大人になれば、学生の勉強のように頑張った分だけ結果がついてくるようなことは無くなります。
なのに、いつまで結果を目標にするのでしょうか。
目標は自分のできることを目標にするべきではないでしょうか。
たまに来る知らないコンサルの営業メールを見るたびに、結果を目標にするから、社会や暮らしに変なねじれが起こっているじゃないかと考えています。
化粧品研究者こまっきー
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