化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

間違ってなかった治療方針。

子供の頃から体が弱くて、僕の記憶では小学校のときには季節の変わり目の度に喘息を起こしていました。喘息はひどくなると呼吸するのがかなり辛いです。
ヒーヒーフーフーと音が鳴るだけではなく、呼吸が重たくなります。
インドアだったわけではなく、幼稚園から水泳、小学校1年生からサッカーを習っており、友達と遊ぶ時も外で遊ぶことが多かったのですが、体は弱かったです。
母曰く、生まれてきた時点で、ところどころ肌が切れていたようです。

化粧品に興味を持ち、将来は化粧品の研究がしたいと考えはじめたのが高校生のころです。
化粧品は一般的には化学だという認識がありましたが、喘息にアトピー持ちだった僕は「肌に塗るものだから、体のことを知った方がいい。」と考えて、生物学を専攻しました。

大学に入ってから、王将でアルバイトをし始めると、今まで困っていた肌荒れも、少しチョコレートを食べるだけですぐにできるニキビも出来にくくなったことに驚いて、栄養学を学ぶことにしました。
その頃に僕が生まれたときは肌が切れていたという話と、僕がお腹の中にいた時はあまり食べれなかったことを母から聞きました。

今でもそうですが、昔はアトピー対策といえば、肉や乳製品に卵に油を控えるのが治療にいいとされていました。なので、母は今でいうビーガンに近い食生活をするようになりました。
当時はマクロビとかベジタリアンという言葉が使われていました。
それぞれ微妙に意味が違うのですが、どれかの言葉が流行っていることから、今ではマクロビとかベジタリアンというよりもビーガンと言った方がわかりやすいのかもしれません。
母は元々野菜が好きだったこともあって、肉や乳製品に卵に油を控え、玄米で野菜中心の食事を作るようになりました。

ところが、肉や卵や油が高配合されている王将で働き始めると、肌がキレイになっていったのですから、僕は何か解釈を間違えていると考えました。
おそらく、アトピーが増えた時期と欧米食が普及した時期が重なっているので、アトピーには欧米食の中心である肉と卵と油を控えるべきだと考えたのでしょう。

しかし、こういう統計学は注意する点があります。
アトピーという診断をしたのはいつからで、その診断が普及したのはいつからなのかということです。例えば2025年に「こういう症状にはアトピーという診断する。」と決めて、普及するのに2年かかるとします。
すると、まず2024年以前にはアトピーという言葉が使われないのですから、患者数はゼロです。そして2025年から普及するまでの2年間は伸び続けます。
そしてデータを収集するにはタイムラグがあります。
今はデジタルが普及していますが、当時はかなりアナログだったでしょうから、調査結果に反映されるのは普及してから数年経ってからだったでしょう。

さらにアトピーとは“奇妙な”という意味です。
つまり皮膚科の先生から観て、接触性皮膚炎でも無くアレルギー性でもない、なんだか分からなくて打つ手が無い病気だということですので、何回か治療してみて改善が見られないものはアトピーになってしまいます。
皮膚科に行く人が減らない限り、勝手にアトピーの患者数は増えていくと考えられます。
ですので、アトピーと欧米食の関係というのはグラフで比例しているだけで、本当に関係しているのかは分からないのです。

実際に欧米食ではないですが、王将は野菜中心の食生活と比べると、欧米食よりです。
その王将を食べて肌が改善したのですから、単純にアトピーの原因を欧米食とするのは間違っていると思います。

栄養学の本を読めば、まずは三大栄養素である炭水化物とタンパク質と脂質が大事だと書いてあります。
肌はコラーゲンなどのタンパク質に肌表面には皮脂があるように脂質が中心で出来ています。
ということは、アトピーで肌が荒れている場合、タンパク質と脂質は必要ではないでしょうか。

とはいえ、アトピーと欧米食を簡単に結びつけてはいけないように、アトピーの原因は様々です。単純に肌トラブルなら、皮膚科で治るはずです。そうではないのですから、原因は肌ではなく体側にあると考えられます。

今の時期、暖房で乾燥した部屋にいると、顔が赤くなってくる人がいます。これは顔に熱が集まっています。
これは暖房で乾燥した部屋が原因だと考えられるかもしれませんが、そうならみんなの顔が赤くなっているはずです。
そうではなくて、一部の人だけが顔が赤くなっているのですから、この原因は体にあると考えられます。
顔が赤くなる人は、顔が赤くならない人よりも暖房で乾燥した部屋での対応力が低いのです。

このように、肌トラブルは肌のケアをすれば治ると考えられていますが、なかなか治らないように、肌トラブルの原因は肌にないことの方が多いと考えています。

先ほど、皮膚はタンパク質と脂質だと言いましたが、体の部品はほとんどタンパク質でできています。そしてその部品を作っているのもタンパク質です。
ざっくりいうと、炭水化物は体を動かすエネルギー、部品がタンパク質で緩衝材が脂質です。
ですので、エネルギーの炭水化物ばかり摂っていても、部品がなくては体は維持できません。
大工はいるのに、資材が無い状態です。
脂質は緩衝材なので、家で言うなら断熱材の部分です。
大工がいて、資材があっても、断熱材がなくては夏は暑く冬は寒い家になるでしょう。
なので、タンパク質や脂質は三大栄養素と言われているように、しっかり食べないといけません。
ビタミンやミネラルはその後の話です。

また疲れると頭がぼーっとしたり、体がだるくなり、体調を崩すと肌も荒れるように、体が疲れると病気は悪化します。
いくら食生活がバッチリでも、体力以上に動いていては食べても食べてもその栄養は動いた分に割り当てられるばかりで、病気のところへは届かないでしょう。

これは漢方などの薬を飲んでいても同じです。
薬を飲んでいるから大丈夫ではなく、薬を飲まないと症状が治らないくらい体が弱っていると考えるべきです。
健康な人と同じように動くには、薬が頓服になるくらいでないと、動けばまた再発します。

そう考えて、お米も肉も油も野菜もしっかり食べて、今の自分の体力に合わせて疲れないように気をつけながら生活をして、3年と3ヶ月が経ちました。
最初は寝汗がひどく、夜は痒くて眠れず1時間半毎に起きていました。
日中も痒くて何回も服を脱いでいました。
季節が変わるごとに気温の変化についていけず、肌が悪化していました。

それが徐々に治っていきました。
寝汗が無くなり、痒くなることが殆どなくなり、季節の変わり目で体調を崩したりアトピーが悪化することが無くなりました。
季節の変わり目や気候が変わる時に、生活のペースを落としているのもありますが、前まではいくら気を使っていても肌は悪化するばかりでした。最近は少しペースを落とすだけで悪化もせずに過ごせるようになりました。

漢方は色々試しましたが、方向性はずっと同じでした。
しかしあまりにも自分の体が悪くて、症状と効能が合っているのに、飲むと余計に悪化していて、飲める漢方が限られていました。
炎症があるのに体が疲れ切っているので、炎症を抑える漢方を飲むと体が冷えて余計に悪化しました。
体を元気にする漢方を飲むと、体が弱りすぎていて熱の循環が上手くいかず、瞼が腫れていました。
「これ飲めたら、症状治ると思うのになー。」と思うのに飲めなかった漢方が飲めるようになると、やっぱり症状は改善していきました。
慢性疾患でかつステロイドを使用していた場合、血行不良になってそれが原因で慢性疾患となり、一部だけ炎症が持続していることがあります。
それを治療するには血行促進することですが血行促進は温めることですので、炎症がある部分が余計に悪化することがあります。
過去2年、冬になるたびに試して、肌が悪化して辞めてということを繰り返していましたが、今年は悪化することなく過ごせています。
すると、肌がどんどんキレイになっていっています。

3年3ヶ月前に「もう仕事をある程度諦めて、治すことに専念しよう。」と考えて以降、本当に牛歩並みに少しずつ改善していましたが、この冬が一番大きな改善が見られています。
少しずつしか改善してなかったときは「これであってるんだろうか?」と不安になり、勉強して、その度に疲れて体調を崩していましたが、何回勉強しても治療方針が大きく変わることはありませんでした。
やっと治るかもしれない兆候が見えてきて、「治療方針は間違っていなかった。」と思うことができています。

一般に言われているアトピーの食生活と反対のことをして、仕事のペースをグッと落とすというのは、定期的に不安になります。
周りからは「それでいいのか。」とか、半年くらいで元気になっていないと「他の病院に行った方がいいじゃないか。」と言われ、僕も「他の治療した方が早く治るのだろうか。」という気持ちが頭によぎったことがあります。
しかし、それまでの5年間で4つの病院を巡って、その結果「薬を飲めば治るわけではなく、自分が体のことを考えないといけない。」と考えて今の治療方針を選んだので、他の病院に行くことを選ぶと考え方が前と変わらず、いつまでも治らないと思いました。

この3年とちょっとで、薬を飲むことよりも体を休めることの方がはるかに大事であることを学びました。当たり前と言われれば当たり前の話なんですが、やっぱり薬でなんとかなるなら、薬を飲んで生活のペースは崩したくないと誰もが考えると思います。
僕もそんなことを考えていました。
子供の頃からのアトピーが大人になって悪化して、5年が過ぎてから、体を休めるようにしましたが、もっと早くに休んでいればこんなに長くこじらせることもなかったでしょう。
まだまだ治ったと言えませんが、この冬で大きな改善の兆候が見られて、ちょっとホッとしています。

化粧品研究者こまっきー

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