化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

多極化という名のアメリカ覇権強化策。

トランプが大統領になり、カナダやメキシコ、中国に対して追加関税をかけることが話題になっています。
この話は別に真新しい話ではなく、2016年にトランプが大統領に就任したときも「メキシコで作って、アメリカで売るな。」と言っていました。
アメリカで売るならアメリカで作れと。
トヨタなどの自動車メーカーはメキシコで作ってアメリカで売っているので、2016年の時にはトヨタの名前がニュースに上がっていました。
今の追加関税は2016年と同じ流れではないかと思います。

また南アフリカの援助を停止するなど、戦後世界に広がったアメリカの手を縮小しようとしています。
このことから、アメリカファーストとは孤立主義であり、アメリカは覇権国では無くなるだろうと言われています。
通貨に関しても、BRICsという新たな経済圏ではBRICsの通貨ができてドルは使われなくなると言われていました。実際に、昨年のBRICsの会議では通貨発表の話が出ると期待されていました。
ところが、昨年のBRICsの会議では通貨の発表はありませんでした。
そしてトランプは大統領選挙に勝利した後「ドルに変わる新通貨を作るな。」と言い、ロシアのプーチン大統領も「そのつもりはない。」と言っています。
昨年までのBRICsの勢いはどこにいったのでしょうか。

トランプが掲げるアメリカファーストとは、アメリカが得をすることであって、孤立主義ではないと思います。そもそも当時アメリカは孤立主義を掲げていながら、2回もちょうど良いタイミングで勝ち馬に乗ったのですから、孤立主義は名ばかりです。
今やっている作業は、トランプ派ではない動きを縮小しているだけではないでしょうか。
トランプが考える、アメリカにとって損な部分を縮小、もしくは排除していき、アメリカが得をする部分は残す。時にはアメリカを強くするために追加関税のような強硬手段を取ると考えられます。

トランプ大統領は特に中国を敵視しています。
今や中国は工場大国で、安く作るなら中国で作るのが一番良いです。
実際にiPhoneなども中国で作られています。
中国に追加関税をかけると、アメリカのメーカーは部品などで困ることが目に見えています。
トランプ大統領からすれば、部品からアメリカで作れと言いたいのかもしれませんが、そうするとコストが上がる可能性があります。

その対策として、石油を掘るのでしょうか。
中国は人件費などは安いですが、移動コストはどうしてもかかります。
アメリカが再び自国で石油を掘るようになれば、人件費は高くても、移動コストと電気代が抑えられて、意外となんとかなるのかもしれません。
石油といえば、中東のガザ地区をアメリカのものにして石油利権を獲得しようとしていますから、これも昨年まで言われていた“ペトロダラーの終焉”予測は間違っていたことになります。

一方、追加関税をかけられると、中国はどうなるでしょうか。
まずはアメリカのメーカーが中国で作らなくなります。
中国はその分のマイナスを受けるかもしれませんが、今や中国は一帯一路構想が順調に進んでいます。その経済圏はBRICsにも浸透していってますので、アメリカの製品が中国で作らないようになったとしても、中国製品の需要はいくらでもあるでしょう。

しかし、今でこそ中国工場は当たり前になっていますが、ほんの20年前は全然ダメでした。
服のボタンはすぐに外れていましたし、キッチン用品や家電もやっぱり欧米日の製品と比べると品質は悪かったです。
中国の生産レベルが急激に伸びたのは2010年以降、もっというと2015年以降ではないかと思います。
そして2010年2015年以降にどういう形で中国の生産が普及したのかというと、欧米日からの依頼が増えたからです。日本やアメリカやヨーロッパのメーカーが中国に色々教えたことで、品質が上がっていきました。

つまり、中国が伸びたのは下請け産業であり、下請けの品質向上です。
iPhoneのような新しい製品を生み出すことはなく、InstagramやTwitterのような新しいSNSを生み出すことはなく、どれもアメリカが先で中国が後です。
先日から話題になっているディープシークしかり、OpenAIがChatGPTを生み出したから、ディープシークが低コストで開発されました。
この流れを見ていると、中国は真似て安く作ることは得意だけれど、世にないものを生み出すことはできていないことが分かります。

真似るのが得意なので、新しいものを生み出したところから下請けしてもらわないと、真似ようにも真似れません。
アメリカ製品を買って分解すればと思うかもしれませんが、下請けして作る過程を教えてもらうのと、そうでないのとでは、真似るスピードは違うでしょう。
アメリカが中国に追加関税をかけ、アメリカのメーカーが中国でモノを作らなくなると、中国は新しい技術の習得ができなくなるのではないでしょうか。

中国で同じようなものを安く作れることがメリットだと考えられていますが、そうしたことによって日本製品は安心安全の日本製という地位を失いました。
中国製は安心安全の日本製価格とは比べ物にならないほど安く、安心安全が響かなくなったのです。これはアメリカ製も同じではないかと思います。

新しいものを開発するのはお金と時間がかかります。
時間とお金をかけて生み出した新しい技術を、安くで真似されたら、たまったものじゃないです。
そんなことが簡単にできるようになれば、誰だって二番煎じが良いと考えます。
トランプ大統領が中国に拘るのは、二番煎じビジネスを防ぐためではないでしょうか。

世界は多極化に進んでいくと言われています。
アメリカやヨーロッパはこれから衰退していくと言われており、ロシアや中国主導のBRICs経済圏の方が未来があると考えられています。
だから日本もBRICsや一帯一路の経済圏に混ざるべきだという人もいます。
果たして、そうなるでしょうか。

BRICsの経済圏が活発化していくのは、アメリカにとっては損なはずです。
アメリカファーストを掲げるトランプ大統領が、アメリカにとって損な世界に賛成するでしょうか。
僕は中国と壁を作って多極化することで、アメリカ覇権を強くするのではないかと予測しています。

今のところ中国やロシアは革新的な製品を生み出してはいません。
中国は真似て安く作ることに特化しているといえます。
その中国とロシアが主導する経済圏で、新たな技術は生み出されるでしょうか。

アメリカは今までのように新しい技術や製品を生み出していくでしょう。
しかし、中国と壁を作ったため、その技術や製品はBRICs経済圏には入ってこないのではないかと思います。

最初は中国製品の普及で、インフラが整備されてBRICsの恩恵を受けるかもしれませんが、そうこうしているうちに、BRICs経済圏と欧米日の経済圏とで、最新技術の差が生まれてきます。
すると、ある程度インフラが整備されると、再びアメリカの経済圏が注目されるでしょう。

多極化とは、アメリカの強みを真似されないように、アメリカを再び強い覇権国にするための強化策ではないでしょうか。
トランプ大統領はアメリカファーストなのですから、行動は常にアメリカに得になることです。他の国がアメリカにとって損になることをしようとしていたらBRICs通貨のように発言するはずです。
すでに世界中のメディアやトップの人たちがトランプ大統領に注目していて、情報の世界では覇権を再び取り戻したとも言えます。
多極化という言葉通りではなく、「その行動はなぜアメリカの得になるのか?」を考えてニュースを追いかけた方がいいのかもしれません。

化粧品研究者こまっきー

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