手荒れを含む慢性疾患を患っている方は「もういけるかな?」と思って試してみたけど、失敗して悪化してしまった経験があると思います。
その度に「試さんかったらよかった。」と、悪化したことで今まで頑張って気を遣いながら生活してきたことが無駄になってしまったみたいで、すごく後悔します。
しかし、やっぱり試してみないと分かりません。
僕はアトピーの治療で漢方とユベラ軟膏を使っています。
アトピーは皮膚の疾患であり、炎症がありますので、炎症を抑えなくてはいけません。
西洋医学であれば、消炎剤を使って炎症を抑えると考えるかもしれませんが、東洋医学ではいくつもの可能性があげられます。
単純に炎症を抑えるといっても、水分が多い場合と、水分が足りていない場合を考えます。
例えば熱中症は炎症の症状ですが、熱中症は水分が足りていないことで起こる症状です。
反対にアトピーの症状に“じゅくじゅくした”という表現がありますが、これは水分が多い状態です。
水分が多い場合と少ない場合で炎症を抑える漢方の種類が異なります。
また、アトピーに合う漢方を調べてみると、肌がカサカサしている状態にはこれと書いてあります。
その説明には、「潤いが足りていなくてカサカサしている。」だから当帰飲子だと書いてあります。また、温まったり、布団に入ると痒くなる場合にも良いと書いてあるので、冬に「当帰飲子を飲んでみよう。」と考えて、飲んでみて失敗したことがある人もいるかもしれません。
それは、肌がカサカサしている=潤いが足りていない=潤いをプラスすることではないからです。
漢方では潤いをプラスすると言えば当帰飲子のように、どちらかと言うと温める方に働きます。冷えによって皮膚がカサカサしている場合ですので冷え性や、血が足りていないことがカサカサの原因ですので貧血という言葉が書いてあります。
なので、なんか当てはまっているような気がするのですが、その前になぜ自分の肌がカサカサしているのを考えないといけません。
カサカサしているということは、潤いが足りていないわけですが、「じゃあ、潤いをプラスしよう。」ではなく、「なぜ潤いが足りていないのか。」を考えてみます。
例えばコップに熱いお茶を入れると、湯気が立っています。
これは熱いから水分が蒸発しているわけです。これを皮膚でも同じように起こっていると考えてみると、皮膚に炎症があると、炎症によって水分が失われてカサカサした皮膚が想像できると思います。
その場合に、温める漢方を飲むと炎症が更にひどくなって、余計に痒くなります。
「あれ、冷え性でもあるから、潤いをプラスする漢方を飲んだのに、なんで余計に痒くなるの。」と思ったことがあるかもしれませんが、それは潤いをプラスすれば改善するカサカサではなく、炎症によって水分が失われてカサカサしているので、炎症を抑えなければいけないので、炎症を助長するような温める作用は逆効果になります。
かといって、炎症を抑える漢方だけでは冷え性が悪化します。
頓服で飲むくらいで症状が和らぐならそれでもいいのですが、慢性疾患の場合はそうはいきません。なので温清飲という温める漢方と冷やす漢方の両方が混ざった漢方があるのでしょう。
また慢性疾患の場合は、長期的に患っていることで、健康な人よりも日々余計に栄養を消耗しています。ずっと工事している建物みたいです。
なので、工事が終わる、症状が治るまで、できれば休んだほうがいいのですが、なんとなく今の暮らしでは休むことはしにくいです。お金の不安も出てきます。
なので薬を飲みながら働くスタイルになっており、それゆえに栄養の消耗、体力の消耗が激しく、その結果冷え性に繋がっていることがあります。
つまり、体が疲れているので、体温調節機能が弱まっているのです。
この場合は休むだけで冷え性がかなり改善することがあります。
これは僕も経験があります。
色々試したけど、もうどうしようもないので、一旦ゆっくりしようと、仕事のペースをグッと落として休み続けると、炎症や痒みなどの皮膚症状だけではなく、冷えも改善されました。
休むと、今までどれだけ体が疲れていたのか、疲れ切っていた状態で体を無理やり動かしていたのかが分かるくらいに、体が元気になっていくのが分かりました。
これはすぐに分かる人もいるかもしれませんが、僕は1年後に振り返った方がいいと考えています。
冷え性は冬が来て寒くなったから冷え性になったわけではありません。
体が疲れ切っていると冷え性になることから、残暑で疲れて季節の変わり目で更に疲れて、それでも動き続けたことで冬に冷え性になっている可能性もあります。
僕は、症状が悪化する時はその前から何かあったと考えています。何かあった、つまり体が疲れていたから、そのタイミングで症状が悪化したのだと考えています。
なのでたとえ症状が良くなっても、1年間は気をつけて生活しないと、1年後にまた同じように悪化してしまいます。
特に冬が弱い場合、冬の終わり頃に行く病院を変えて改善すれば、病院を変えたから治療が変わって、症状が改善したと考えがちです。
そして暖かくなるごとに症状も良くなっていくので、余計にそう思うのですが、自分の苦手な季節から離れていくのですから、症状は良くなるのは当たり前です。
すると暖かい季節は去年と同じように活発に動いて、寒くなると去年とまた同じ症状が出てくることはよくあります。
しかし、この状態は去年とは違います。
暖かい季節に去年と同じように活発に動けば、体は回復する機会を逃してしまいます。
一旦症状が改善しただけで、その後に改善の機会がなければ、去年の疲れた状態のまま次の冬を迎えます。体は回復する機会なく次の冬を迎えているので、去年よりもちょっとだけ悪化しています。
これを繰り返していくうちに、慢性になっていくのです。
慢性疾患はめちゃくちゃ気にするほどではなかったり、特定の季節の時だけだったりするので、その時だけ気にすることが多いです。
そして冬の始まりは症状が軽いので「もういけるかな?」と思って、失敗してしまいます。
または1年間気を付けてきたし、去年とは全然違うと自分でも感じているので、もう普通に過ごしてもいいんじゃないかと思って試してみて、失敗してしまうこともあります。
しかし、試してみないと分からないことは多いです。
冷え性だけど、アトピーを改善させるには炎症を抑える漢方を飲めた方がいいです。
「去年飲んでみると冷えが悪化したので中止したけど、今年はどうだろうか。」とこればっかりは試してみないと分かりません。
良くも悪くも、1年経てば変わってるんです。
飲んでみて、去年よりもダメだった場合は、去年よりも悪くなっていると気づくこともできます。
僕は自分の慢性疾患を治すには、まずは炎症を抑える漢方が飲めるくらいに体力を回復させ、炎症を抑える漢方が飲めるようになれば気を上げる漢方、炎症が治れば温める漢方、血行促進させる漢方を飲んでみようと考えて、毎年試して失敗していました。
ネットの当帰飲子の説明を読んでみれば、“分泌物が少なく、発赤が淡くて痒みがある”と書いてあります。この“発赤が淡い”と言う表現は、どれくらいの発赤なのかの基準が曖昧です。
去年の自分からすれば随分発赤が治っていると思っていても、当帰飲子を飲むほど治っているのかどうかは飲んでみないと分かりません。
温める漢方も、飲んでも悪影響がないかどうかは飲んでみないと分かりません。
1ヶ月くらいは飲んでいても悪影響がなくて「いけるかも?」と思っていたら、やっぱりダメだったこともあります。
そういう失敗を繰り返しながら、炎症を抑える漢方が飲めるようになり、気を上げる漢方が飲めるようになり、血行促進させる漢方が飲めるようになりました。
そして飲める漢方のバリエーションが増えると、症状の改善スピードも上がりました。
1回やってみてダメだったやり方も、1年経てば変わっていて、今の自分には合っている可能性もありますので、悪化した時はほんとに嫌な気分になりますが、おそるおそるやってみないと改善してるかどうか分からないなあと思います。
化粧品研究者こまっきー
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