化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

揚げ物は揚げて食べる。

僕が子供の頃、家がベジタリアンな食生活で、一応肉は出てくるのですが小鉢の量だったこともあって、野菜のスイーツが流行った時は、嫌な感じでした。
野菜スイーツが流行ったのは2007年とかそれくらいでしょうか。
当然のように、家でもかぼちゃのケーキとか、野菜で作ったスイーツを買ってきたりしていました。
僕はそれが美味しいか美味しくないか以前に「そこまでして野菜にするなよ。」と思っていました。
食事は野菜中心で、おやつの時間も野菜中心だと、嫌気が差してきます。

その感覚は大人になってもあって、最近でいえば“揚げない○○”という言葉を見るたびに、「いや、揚げたらええやん。」と思ってしまいます。
揚げない唐揚げに揚げないコロッケなど、揚げない○○シリーズがたくさんあります。
それも全く油を使わないわけではなく、油を減らして使うだけのレシピを見た時には、「一緒やん!」と思いました。

ちなみに、一緒じゃないんです。
家は、揚げない○○が流行るずっと前から、唐揚げを揚げる油は足湯並みでした。
すると、鶏肉が温まってきたら上から肉汁が出てきて、その肉汁が垂れてきて油の表面に触れると「パンッ!」と油が跳ねるんです。
春巻きは破れるし、コロッケはひっくり返す時に破れます。

「揚げ物って難しいんやな。」と子供の頃は思っていたのですが、大学に入って王将でアルバイトを始めた時、油の量が少ないから油が激しく跳ねることに気づきました。
その後、洋食屋さんでアルバイトをしたときも、油の量が多いから、コロッケもビフカツも衣が剥がれずに綺麗に揚げれるのだと知りました。

冷凍のコロッケは油が少ないとひっくり返さないといけませんが、温まってるけど油で揚がっていない上の部分はふやけたままなので、ひっくり返す時にふやけてる部分の衣が剥がれて、またそこに溜まっていた水分と油が触れることで、コロッケは爆発してしまいます。
試しに深めの鍋などで、いつもより油多めで、コロッケをひっくり返さないくらいの油の量で揚げてみてください。ひっくり返す必要もないので、綺麗に揚がります。

そして油が少ないと、揚げるのに時間がかかります。
時間がかかるとその分油を吸って、べちゃっとします。
試しに、フライパンに油をひいて、弱火で茄子を炒めてみてください。茄子は油を吸って、べちゃっとします。反対に中火で炒めれば、同じく油を吸っているように見えますが、弱火の時よりもべちゃっとせずに、油の味がしません。時間がかかればかかるほど、油を吸ってべちゃっとします。
なので揚げ物をするなら、ちゃんと油を使ったほうが、食材の油の切れもよくて、そっちの方が健康的だと思います。

揚げない○○シリーズには、本当に揚げずに作るレシピがあります。
それは、揚げたものより美味しいんでしょうか?
まあ、僕は子供の頃によくそういう献立だったわけですが、やっぱり揚げるレシピは揚げた方が美味しいです。
そもそも、そんなに揚げ物って食べるのでしょうか。
唐揚げ、豚カツ、カツ丼、チキン南蛮、牛カツ、コロッケ、天ぷらと毎日のように揚げ物を食べていたら飽きます。
3日目くらいには「そろそろあっさりしたものが食べたいな。」と思ってきます。
僕は揚げ物を控えようとか全く考えていませんが、それでも週に1、2回でした。
週に1回ずつパスタの日と魚の日があって、残り5日のうち3-4日は炒め物などで、1、2日が揚げ物でした。
カレーとかおでんのように何回かにわけて食べれるものがあると、週に1回も揚げ物を食べなかったりします。別に気にして押さえているわけではなく、気がつけば「あれ、先週揚げ物してないな。」と思って、「今週はチキンカツか豚カツにしようかな。」と今週のメニューを考えています。
週に1、2回の揚げ物くらい、美味しくしっかり揚げてもいいんじゃないでしょうか。

食事に限ったことではないのですが、我慢することで満足感を得ようとする傾向があります。
しかし、揚げない唐揚げを食べても、揚げた唐揚げの方が「美味しー!」となるように、我慢するほど満足感は得られません。
なので、また食べたくなります。
また食べたくなるので、ついつい食べてしまい、我慢しているはず我慢しているものを食べているはずが頻度が多くなって、結局普通に食べるよりも食べている。なんてことはよくあります。

“○○しない”シリーズは一見良さそうに見えますし、そうした方が自分は気を遣っていて偉いと思えそうなので、しない方を選ぶのですが、結局した方が1回で満足感が得られて良かったなんてことはホントによくあるんです。

だから僕は、揚げ物は揚げて食べます。
スイーツは食べたいスイーツを食べます。
ヘルシーなんて気にしません。
そんな見た目とか言葉の雰囲気に惑わされるよりも、ざっくりのお米と肉と野菜のバランスを気にした方がよっぽどいいです。
これも気にするとバランスは必ず崩れますので、「ごちそうさまでした。」をするころに、どれも綺麗に無くなっているかを指標にしています。

お米が余ったなら、おかずが少ないか、お腹いっぱいならご飯の量が多いです。
肉が余ったら、野菜かお米が少ないか、肉の量が多いです。
野菜が余ったら、肉が少ないか、野菜を食べる習慣がないならその習慣が原因です。
また多いのか少ないのか分からなければ、パッと見のいろどりからもバランスを図ることができます。
この感覚が大事で、揚げないコロッケとたっぷりの生野菜でご飯を食えと言われても、なんかちょっと食欲が沸かないです。

僕は食事というのは、自動的にくる満足感ゲットのチャンスだと思っています。
仕事で何かを達成するのは自分の努力と時の運ですが、ご飯を食べて「あー、美味しかった!」と思える満足感は毎回得られることができます。朝昼晩の3食なら、1日3回満足感が得られます。それもなんの努力も必要なく、美味しいものを食べるだけでいいんです。
こんな簡単に満足感が得られるチャンスを逃していたら、そりゃ生活に満足感は感じれないでしょう。
だから僕は食事は美味しく食べるべきですし、日本人はそこにいち早く気付いたからこそ、こんなにも沢山のジャンルの食事が食べられるのだと思います。

そろそろ、我慢して健康的なことをすることで満足感を得ようとすることを辞めて、「明日からダイエットする。」とか言って目の前の満足感を蔑ろにせずに、揚げ物は揚げて、がっつり食べて「あー、美味しかった!」と満足感をしっかり感じてみませんか。
どうせ明日も同じものを食べろと言われても、僕たちはできれば違うものが食べたいと思うのですから、けっこう食のバランスは良いと思いますよ。

化粧品研究者こまっきー

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