いまのアメリカをアメリカとして見ずに、トランプ大統領だけ見ていると、良くなっていくように感じます。ここ数年で急激に変化した“多様性”を本来あるべき形に戻そうとし、戦争を終わらせようとし、そしてアメリカの不必要な機関を小さくしようとしています。
アメリカは覇権国家なので、こういう動きは世界中に影響します。
一部をのぞくアメリカ国民だけではなく、世界中の人々に、そして各国の政治にも影響します。
今までのアメリカが国内にそして世界に対して発信してきた内容が「トランプは嫌な奴だ。」という発信だったからこそ、各国も右へ倣えをして、トランプ嫌いをしていたのでしょう。それが昨年の大統領選が近づくにつれて、「トランプが勝つんじゃないか。」という空気が漂い始め、トランプが大統領就任前には、今までトランプ嫌いだと発言していた国のトップは、トランプが大統領選に勝利すると、発言を180度変えました。
日本でも“もしトラ”とか“ほぼトラ”という言葉がニュースで使われていたように、メディアの発信は「今回の大統領選もバイデン率いる民主党が勝つだろう。しかしもしも、トランプが勝ったなら・・・」という話をしていました。
それくらい、基本的に嫌われ者がリーダーになるなんて、想像できないのです。
クラスの中心いる子たちから嫌われていた子が、その後中心にいた子を押しのけて、リーダーになったことが今まであったでしょうか。
だいたい、中心にいる子たちのことを「嫌だなあ。」と思っていても、口には出さずにその子たちとは距離を置こうと考えます。嫌われている子を見て「気の毒だなあ。」とは思いますが、できれば自分に火の粉がかからないようにしたいと考えます。
ところが今回は、中心にいる子たちから嫌われていて、中心にいる子たちの影響で他のクラスからも「あいつは嫌な奴だ。」と思われていた子がリーダーになったんです。
そうなるパターンは1つしかありません。
今回のアメリカのように、中心にいる子たちからは嫌われないように、自分が標的にならないようにとおとなしく過ごしていた人たちが団結するパターンです。
クラスの中をみても、中心にいる子たちよりもそれ以外の方が多いのですから、普通に数で戦えば、中心にいる子たちは負けます。なのになぜか選挙で中心にいる子たちが勝っていたのは、おとなしく過ごしていた人たちが保身の為に中心にいる子たちを選んでいたからでしょう。
そうならずにトランプが勝ったというのは、まさに革命です。
革命というと、歴史の授業で習うような話であり、王国の時代などに起こるものであり、今はもう起こらないと思っていた人は一体どれくらいいるでしょうか。
大統領就任後のトランプ大統領だけを見ていると、ヒーローのように見えますが、トランプ大統領が今行っていることは過去のアメリカがやってきたことです。今までアメリカがやってきたことを、新しいアメリカの大統領が「これは良くないから辞める!」と言っているだけなんですが、なぜかヒーロー扱いされています。
この辺も革命ならではなのでしょうか。
花見をした後、片付けをしてゴミを持って帰るのは当然です。
ブルーシートを広げたのは別の人かもしれませんが、その人が帰って、自分が残っているなら、自分は片付けをしないといけないでしょう。
それなのに、片付けをする目星がついていなかったからか、今までやっていたことのお片付けをしているトランプ大統領はヒーローのように扱われています。
これは、今のアメリカをトランプ大統領という一点だけを見ているからだと思います。
トランプ大統領だけを見ているから、トランプはヒーローに見えます。
しかし、視野を広げてアメリカの動きとしてみれば、別に特別なことではないと思います。
そしてトランプ大統領をヒーロー扱いしているアメリカはすごく不安定であるようにみえます。
あれだけ推進してきたことが、トランプ就任後には無くなるんです。
あまり報道されていませんがアメリカ国内では、てんやわんやになっているでしょう。
トランプが大統領になるまでは、アメリカ国内の主に市民の様子を発信していたSNSのアカウントでも、今は大手メディアと同じようにトランプの外交に関する発信ばかりしていますが、アメリカ国民の、特にバイデン率いる民主党の支持が多い州では、強く推進して、時には法律としてしまったことが無くなるというのは、かなり不安定なはずです。
自分の所属している部署の上司が変わり、やり方も急に変わると、結構しんどいです。
しかも今回は、今までやってきたことがダメだというのですから、それを信じていた人たちからすれば、どうしたらいいのか分からなくなっているのではないかと思います。
アメリカは覇権国家なので、その感覚はアメリカ国内だけではなく、世界に影響します。
当然、日本にも影響します。
誰が大統領になるかで、国の方針がこんなに変わる国とは仲良くしたくないと思うのではないでしょうか。そうはならずに方針が180度変わっても、どこの国もそれに従うあたりから、アメリカはまだまだ覇権国家であると感じます。
昨年までは、世界は多極化に進み、アメリカは覇権国家ではなくなると言われていました。
BRICsという新たな経済圏ではBRICsの通貨ができてドルは使われなくなると言われていました。実際に、昨年のBRICsの会議では通貨発表の話が出ると期待されていました。
ところが、昨年のBRICsの会議では通貨の発表はありませんでした。
そしてトランプは大統領選挙に勝利した後「ドルに変わる新通貨を作るな。」と言い、ロシアのプーチン大統領も「そのつもりはない。」と言っていました。
どの国もこんなに面倒くさい、アメリカの言うことを聞いているあたり、僕は今までとやり方は違うけれど、アメリカの覇権は維持され、これから4年はむしろ強くなると予測しています。
一方で、アメリカという国はこんなにもコロッと国の方針が変えられる国であることが露呈しました。4年ごとに行われる大統領選で、誰が大統領になるかで、こんなにも方針が変わる可能性があることが今回わかりました。
たまにこんな上司いますよね。
昨日は「それでもいいよ。」と言っていたから、それで書類をまとめたのに、次の日には「なんだこの書類は!」と言って怒り出すような上司。
こんな上司の下につくのは嫌だと誰もが思いますが、アメリカにはその可能性があるわけです。
まだ大統領選は終わったばかりですが、4年後にまたコロッと方針が変わる可能性があります。
「こんな国とは付き合いきれない。」
そういう発言が出てこないのが不思議ですが、どこも本音ではそう思っているでしょう。
今はアメリカといえばトランプのことだけを見ているので、良さそうに感じるかもしれませんが、アメリカという国として考えると、文化という軸がブレブレどころか、今は軸がないように感じます。
とりあえず今後はトランプ大統領がどういう行動を起こすのかが、注目の的になると思いますが、メディアが注目するのは覇権国家の部分ではないかと思います。
僕はアメリカ覇権主義は続くと考えていますので、それよりも文化に目を向けて、どのように再び軸が作られて、そしてアメリカ国民や世界がどのようにその軸を受け入れていくのかを気にしていようと思っています。
化粧品研究者こまっきー
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