化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

家でも中間管理職。

少し前までは中間管理職の辛さが話題になっていましたが、今はとにもかくにも人手不足で、中間とか新人とか言ってられない状態になっています。
今年の4月から定年退職の年齢は65歳まで引き上げられます。今までは努力義務化とか、措置という程度だったんですが、来月からは完全義務化になります。

年金が原則65歳からなので、すでに65歳まで働かないといけない状態ではあります。60歳から受け取れる制度もありますが、それをすると毎月受け取れる額が減りますので、元気である限り65歳まで働こうと考えるでしょう。

今は昔のようにおじさんたちがブイブイいわす職場ではなく、若者に遠慮しながら仕事するようになっています。おじさんの感覚で行動すればすぐにセクハラだのパワハラだのと言われ、境界線が分からずに何も出来ず、以前と比べると肩身の狭い思いをしながら、働かないといけない年齢が伸びたというこの状況を、おじさんたちは受け入れられているのでしょうか。

今の60代は終身雇用の年功序列世代ですので、65歳まで定年が伸びた分、残り5年はやってみたかった仕事をしてみようと考える人は少ないでしょう。今まで通り、今まで勤めてきた会社を残り5年働こうと考えると思います。
しかし、会社はすぐに辞める若者に合わせた職場に変え、ダメだと思うことを注意しようものなら、やれパワハラだセクハラだと言われて、注意することもまともにできず、ただ「これじゃ若者は育たんで。」と思いながら黙ってみているおじさんは結構いるんじゃないかと思います。60代のおじさんから見れば、40年以上働いていてなんだかんだ愛着はあるわけで、だからこそ会社が若い世代よりの環境づくりをするのを黙ってみているわけです。それなのに若者は育たずにすぐに辞め、人手不足の中、「40年以上もここに勤めている私をなぜぞんざいに扱うのか。」「なぜこんなに肩身の狭い思いをしなくちゃいけないのか。」と言う気持ちが湧き上がり、どこかでおじさんの逆襲が起きそうです。

そしてそんな60代のおじさんよりも更にキツいのが、その少し下の中間管理職にあたる40代50代です。上司から言われたことを部下にそのままそっくり言うわけにはいかないので、自分で吸収すべきところは吸収して言うべきことを考えて言いながら、部下を育てなくてはいけないのですが、今は言い方をかなり考えて言わないといけなくて、それでは全然伝わっていなくて、それだとまた上司から言われるし、部下が辞めたら自分の評価に繋がってボーナスは減るしと、上司と部下に挟まれて、精神的な負担が大きくなるのが中間管理職です。

30代になると、出来る子は営業所のグループリーダーになったりします。しかし最近は、リーダーを1年やってしんどかったら、辞退できるそうです。会社としては辞められるよりはいいと考えるのかもしれませんが、辞退できるんだったら、リーダーをやりたくない人はやりません。実際に知っている子は辞退しています。グループリーダーは中間管理職までのステップだと思いますので、グループリーダーが減ればおのずと数年先の中間管理職も減ります。すると少なくなった中間管理職で仕事を回さないといけないので、数年後の中間管理職はますますキツくなるのではないかと想像しています。

グループリーダーを辞退したという話を聞いて、色々想像しながらスーパーへ買い物に行くと、中間管理職くらいの年齢と思われる40代後半から50代くらいの人がお母さんの手を引きながら買い物をしている姿を見かけました。
どうやら、中間管理職は家でも中間管理職みたいです。

僕の母世代の出産平均年齢は25、6歳でした。
おそらく母もそれくらいの年齢の時に僕を産んだのだと思います。
祖母は二十歳で結婚したと言っていましたから、母を産んだのはもう少し早くて23歳くらいだと思います。
なので、僕が生まれて二十歳になるまでの親年齢は25歳から45歳で、祖母は47歳から67歳です。
47歳から67歳なら、まだ祖母の手を引きながらスーパーへ一緒に買い物に行く年齢ではないです。実際に僕が子供の頃の祖母といえば、母を助ける存在でした。
物心がついたころに、サザエさんをみていて、「母はサザエさんみたいや。」と思ったくらいです。サザエさんはカツオとワカメの姉なんですが、アニメを見ているとお母さんに見えます。そのギャップと反対ではありますが、祖母と母をみていると、母と僕がサザエさんとカツオのように兄弟で、祖母が母なのではないかと思うくらい、祖母の存在は大きかったです。

ところが今は30歳で子供生みます。
母が25歳でAさんを産み、Aさんが30歳で子供を産むと、Aさんの子供が生まれた時、母は55歳です。
すると15年後、子供が15歳の思春期真っ只中でややこしい時期に、Aさんは45歳で会社では中間管理職の仲間入り、昔は頼りになっていた祖母は70歳です。昔なら子供が15歳の頃の祖父母は62歳くらいですので、やっぱり頼れる部分が全然違います。
さすがに今は70歳まで働ける社会にしようとしているのですから、70歳で手を引くことはないとは思いますが、5年後、子供が二十歳になった頃には、祖父母は75歳になっています。
介護が必要になる平均年齢は75歳なので、子供が大学生になり子育てが少し楽になった頃に、ほっと一息つく暇もなく親の介護が始まります。
子供を産む年齢が数年遅くなれば、もっと子育てと介護と中間管理職が被ってきます。

これがもう次の世代くらい先まで行くと、祖母が30歳で子供を産んで、母が30歳で子供を産むことになるので、中間管理職と子育てと介護の三刀流が当たり前になってそうです。
家事を含めると四刀流です。

今の中間管理職の人たちは、家でも中間管理職のような立場で、親と子供の挟み撃ちにあっていると考えられます。
まあ、だからどうするべきだという話にするつもりはないのですが、この間ふと、スーパーでお母さんの手をひいている人をみて、その人が40代後半から50代くらいだったので、今の中間管理職の人は、家でも中間管理職になっているんじゃないかと想像してしまいました。

化粧品研究者こまっきー

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