化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

会社説明会は説明を聞きに行くだけじゃない。

前職では研究兼企画兼営業兼、この時期は人事として、新卒の説明会から1次面接まで行っていました。まさか自分が就活をして3年後に採用する立場になるとは思ってもみなかったのですが、就活する側の記憶がある中で採用する側に立ったことで、就活する立場のことを考えて説明会や面接を行っていました。
そこで就活する側と採用する側の、それぞれで感じたことを紹介していこうと思います。

採用する側になった時に勤めていた会社は、創業74年になる会社で規模は60人の中小企業でした。大手や中小など、規模によっても採用する側の考えが変わることを考慮して参考にしてほしいと思います。

今回は会社説明会の話です。
最近はどうやら3月から会社説明会が始まっているようで、少し話をするのが遅いかもしれませんが、会社説明会から面接はすでに始まっています。

まずは就活する側だった頃に感じていたことの話です。
会社説明会にいる社員のほとんどが1次面接で面接官になります。面接だけではなく、グループディスカッションの場合でも、各グループごとに1人審査する人がいますが、その人は大抵会社説明会にいる人です。たまに審査員がおらず、就活生同士で誰が良かったを紙に書いて提出するグループディスカッションもありますが、殆どの場合、面接官や審査員がいて、会社説明会にいた社員が、一次面接を担当します。
1次面接で面接官や審査員が顔見知りなだけでも、緊張感が随分と違います。
緊張感が少なければ少ないほど、ちゃんと話を聞いて、答えることが出来ます。

僕は会社説明会の前に2社のインターンシップに参加していました。
すると、会社説明会でも面接の時でも、「こんにちは。今日は来てくれてありがとうございます。」と向こうから声をかけてきてくれました。一次面接の時は「今日は僕じゃないけど、頑張ってね。」と話をしながら待合室まで案内してくれました。こういうやりとりはインターンシップや会社説明会で話をして顔見知りになっていないとできないことです。
面接が始まると多少は緊張しますが、会社に入った時に知っている社員の人と話せたことで、面接前から他の人とは緊張の度合いが違っていたと思います。
待合室では一緒に面接を受ける就活生が僕を含めて4人いましたが、みんな結構ガチガチに固まっていました。緊張は連鎖しますので、僕はみんなの緊張をほぐそうと他の3人に声をかけて緊張をほぐそうとしましたので、周りを気にすることができるくらいに落ち着いていました。

ちなみに僕はインターンシップに行った会社へ就職しました。
元々、行きたい会社しか応募していませんでしたので、僕がエントリーしたのは5社でした。そのうち一番早くに決まったところに行こうと思っていたら、インターンシップに行き、会社説明会や面接の時に声をかけてきてくれた会社が一番早かったので、そこに決めました。

就活中、不安がひとつもないと言えば嘘になりますが、そこまで不安にならないくらい、すごくスムーズに事が進みました。
自分が就活をしていた時を振り返り、何か重要なポイントを挙げろと言われれば、社員の人と顔見知りになるかどうかを一番最初に挙げるでしょうし、会社説明会から面接は始まっていることは強調したいポイントです。

次に採用する側の話です。
僕は新卒で入った時は営業職だったのですが、やっぱり研究がしたかったので転職をして、転職した会社で会社説明会と一次面接を担当しました。
会社説明会では1回で約50人ほどの就活生を招いて、4,5回説明会を行いました。自分が就活をしてから3年しか経っていなかったので、その頃の気持ちを振り返り、その他にも転職した人の話を参考にし、会社説明会では会社の雰囲気を感じてほしいと思いました。

いくら給料が良くても、居心地が悪いと長続きしません。同期の転職理由を聞いていても、給料以上に、自分と波長が合う合わないの部分が大きいと感じています。特に早くに辞めてしまう理由に「思っていたのと違う。」という意見があります。それはその時の会社の体制、部署のフォーメーションによって出来ることと出来ないことがありますし、また自分の努力不足で出来ない場合もあるのですが、就活の時にどんな雰囲気の会社か知ってもらうことで、入社してから「思っていたのと違う。」と感じることを少しでも減らそうと考えて、できるだけ会社の雰囲気を伝える会社説明会にしようと思いました。

ちなみに会社説明会へ行けば、なんとなく雰囲気を感じます。しかしその雰囲気は華やかさが基準となっているように思います。なので、大手やメーカーの会社説明会は華やかに見えて、OEMなどの下請けや、資材メーカーは地味に見えて、できるだけ華やかな会社へ就職しようと考える人が多いように思います。実は僕もそうでした。
その華やかさに釣られてはいけないのではないかと思い、意識して会社説明会に会社の雰囲気を取り入れようとしました。

自分が就活生のときに社員とコミュニケーションを取れたほうが就職したいと思ったことや、その後の面接が緊張せずに出来たことに加えて、働いていた会社は堅苦しい会社ではなかったので、コミュニケーションしやすいように化粧品のブースを作りました。
OEMをしている化粧品会社だったので、今までOEMしてきた商品を並べて、説明会開始までそのブースを観に来た就活生とコミュニケーションを取ろうと考えました。
化粧品の会社説明会に来て、化粧品が並んでいたら、説明会が始まるまでの間、並んでいる化粧品を見に来ると思っていたのです。そしてブースを見に来た就活生に声をかけることで、僕が就活生だった時に良かったと思った社員とのコミュニケーションが出来て、今の自分が伝えたい会社の雰囲気を伝えることができるだろうと思いました。

ところが4,5回の内、ブースに人が集まったのは2,3回でした。
約半分の会社説明会では就活生は席に座ったまま、説明会開始まで全く動きませんでした。「よかったら、作ってる化粧品を並べてるので見てみてくださいね。」と声をかけたものの、半分の確率で誰もブースに近寄りませんでした。
すると、ブースに人が集まったときは僕も含めて説明する社員は饒舌でした。就活生も頷いているのを感じたり、質問もあり、会社説明会の雰囲気は良かったです。
ブースに人が集まらなかったときは、説明していても就活生の反応が全く見えず、実際にうなずきなどの動きが見えず、淡々と進みました。
これは「ブースにも来ない就活生なんか知るか!」と思って意識的に行ったわけではなく、説明をしていても反応がないとどうしたらいいのか分からないので、僕以外の社員も余談する余裕なく、最低限伝えることだけを伝えて説明会が終わりました。当然のように質問もありませんでした。

ブースを見に来ず、質問もしない就活生は、就活をお互いの一方的なやり取りだと勘違いしているのではないかと感じました。
就活生は用意してきた自己PRなどでアピールをして、面接官が採点する。
そういう一方通行のやりとりだと考えていれば、会社説明会も、採用する側が説明をして、就活生は用意された説明を聞きに行くだけだと考えるでしょう。

しかし、誰かと仲良くなったことを思い出してみてください。
そのときは、説明する側と説明を受ける側ではなく、お互いが自分のことを話し、相手のことを質問して、相手の話を聞いていたはずです。
いくらAIなどの技術が発達して、相性占いなどの精度が上がっても、お互いが打ち解け合わなければ、仲良くはなれないのです。

人と人とのコミュニケーションはどんな時でも同じです。
当然、就活の時も同じです。

就活生からすれば、会社説明会にいる社員は、慣れている人たちだと思っているかもしれませんが、実際は会社側も毎年初めて会う人たちの前で会社説明会をします。内容は同じでも、人が違えば初めてのようなものであり、会場の空気感は説明する側だけではなく、説明を聞く側も作っています。毎年のこととは言え、説明はロボットではなく人がしている以上、話す側は多少なりとも緊張していますし、誰しも雰囲気の悪いところでは話しにくいです。

この感覚はアーティストのライブを見に行ったことがある人なら分かるのではないでしょうか。会場ごとに雰囲気が違い、アーティストの演奏も微妙に違うので、全国ツアーの追っかけをしていても、同じセトリでも、飽きずに楽しめるのではないかと思います。

就活生が緊張しているのは分かっています。
会社の雰囲気を伝えるためだけではなく、その緊張をほぐすためにコミュニケーションを取ろうと化粧品ブースを設けて、始まるまでの間にできるだけ就活生と話をして、緊張をほぐそうと、会社説明会の空気をよくしようとしましたが、50%の確率で失敗しました。

別に興味がないならそれでいいのですが、会社説明会に来たということは興味があるはずです。
こういう時に周りが動くかどうか待っているのは悪い癖やなと思いますが、就活をスムーズに進めるのに会社説明会で必要なことは、少しでも多く面接までに社員とコミュニケーションを取ることです。その社員は面接官になる可能性があるわけですから、少しでもその社員に覚えてもらった方が、有利に働きやすいです。

しかし、とにかく話しかけに行け。といっているわけではありません。意味不明な質問をしても仕方ないですし、ただただアピールをしようと質問をしても、「ああ、この子はただアピールしにきてるだけやな。」と社員は気づきます。そんな就活生は大勢いるでしょうから、それでは覚えてもらえません。それで悪い印象を与えてしまったら、逆効果です。
そうではなくて、化粧品のブースを見ていて思ったことや、会社説明会の話を聞いて疑問に思ったことを聞いてみればいいんです。大抵の場合、新しいことを見たり聞いたりすれば、何か疑問に思うことはあるはずです。素朴な疑問でもいいので投げかけて見みるべきです。
ブースをみて、知っている化粧品ブランドがあれば、「これはこの会社で作ってるんですか?」と質問すれば、自然と会話は始まります。
それは事前に準備しておいた質問内容よりも、よっぽど社員の人に覚えてもらいやすいでしょう。
また、説明会前には準備もあるので迷惑なときもあります。本当に一方通行の説明会を開くだけの時もあります。会社ごとに考えは違うので、状況判断は必要です。

しかし会社説明会に行って、社員がコミュニケーションを取ろうとしているときは、拒否するべきではないです。そして、用意されている内容以外の部分を聞き出すことが、会社説明会で就活生側がするべきことです。よく会社の沿革などを必死にメモしている人がいますが、HPみれば載っていますし、説明会へ行く前に、最低でもHPには目を通してから会社説明会に行くべきです。
何も知らずにとりあえず会社説明会に行くというのは、失礼な話ですし、そんなところに意識が向いていれば、会社説明会でしか仕入れることができない情報を見逃します。
以前にHPに目を通し、そこにいる社員の顔を覚えたり、会社の雰囲気を感じたりと、そういうものを知るために会社説明会で行くべきです。

就活とは、学生側は就職したい、会社側は会社に合う人を採用したいの相互関係で成り立っています。どちらが偉いとかはありません。お互いが主張しあう、一方通行でもありません。
友達になるとき、カップルになるときと同じように、お互いちょっとした緊張の中で始まり、フィーリングや意見が一致したときに成立します。そのためにはコミュニケーションなくしては成り立たないですし、コミュニケーションが多ければ多いほどお互いがわかるでしょう。
自己紹介して、ハイ終わり。でカップルになるか判断出来るでしょうか。
自己紹介だけの人と、前に1回話したことがある人と、どっちがその場で選ばれるでしょうか。

就活に必要なのは、相互のコミュニケーションです。
そしてそのコミュニケーションは会社説明会のときから始まっています。
まだもう少し会社説明会は続くと思うので、意識して会社説明会に行ってみてください。

面接は6月からみたいなので、面接の話は5月下旬ごろにしたいと思います。

化粧品研究者こまっきー

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