化粧品研究者こまっきーの語り部屋

化粧品研究者こまっきーが普段考えていることを書き留める、日記のようなもの。

たくさんある人手不足の原因。

今まで人手不足に関して、原因を思いつくたびにブログに書いていました。

まず書いた原因はスキル不足です。
スキル不足とはいえ、人数は変わらない部署や会社は多いのではないでしょうか。
僕の知っているところでは、変わらないどころか、むしろ増えているのに、効率が悪くなっていると聞きます。僕が社会人になった2014年頃は「まずは3年働いてみなさい。」とすぐ辞めることが問題視されていて、色々思うことはあってもまずは3年、働いてみようという言葉をよく耳にしました。ところがここ数年は、気に入らなければすぐに転職したらいいじゃないと言う風潮でした。転職サイトは「うちの会社じゃあな・・・」と若い人の提案を上司が受け流すという広告を発信していました。どこの会社だって、若い人の意見をそう簡単には反映しないでしょうから、あれを見た若い人の殆どが「うちの会社もそうや・・・」と思ったことでしょう。

僕は普段の仕事がスムーズに回らないと、新しいことにチャレンジする余裕なんてないと考えています。転職する人が増えれば増えるほど、普段の仕事がスムーズに進まなくなり、新しいことへチャレンジする時間と心の余裕が無くなります。勤めている会社の仕事の流れに乗ることも1つのスキルです。同じ業界でも会社ごとに、営業所ごとに、部署ごとに仕事のやり方は微妙に違います。転職する人が多くなると、たとえ人数を増やしていても、その部署の仕事に慣れている人が減っているので、普段の仕事すらぎりぎりの状態になります。

そして会社を転々とするたびに、そこの会社の仕事のやり方に慣れるところから始めないといけないので、技術的なスキルをつける時間が減ります。
スキル不足とは、会社の仕事に慣れるスキルと技術的なスキルの両方が不足いる状態で、まずは会社の仕事に慣れている人を増やさない限り、技術的なスキルの向上は難しいのではないかと感じています。

次は役不足です。
僕が勤めていた会社は昔ながらの町工場といった雰囲気でしたので、上司はまだ「なんかあったら俺が責任をとる。」と言ってくれていました。研究と工場間でのトラブルでも、部下同士で収集がつかなくなれば、前に出てくれていましたし、新しいことにチャレンジする時も都度報告は必要でも、あまり干渉することなく、それでも「なんかあったら俺が責任をとる。」と言ってくれていました。2015年頃といえば、責任を取らない上司という言葉をよく耳にしていましたが、僕が働いていた研究所では、2人の上司は部下を守るタイプでした。
中間管理職という役を演じれないというのは、ある意味でスキル不足ですので、転職が活発になって、中間管理職が抜けているからというのもあるでしょう。
または、最近は新入社員へあまりうるさく言わないように、役職ごとの教育も変化しているのかもしれませんが、僕は実際に「なんかあったら俺が責任をとる。」と言ってくれる上司を経験して、上司はその方がいいと感じていますので、役作りはした方がいいと思っています。

次は働く時間の制限です。
僕が社会人になった2014年頃はまだ、残業は当たり前の社会でした。
夜は深夜まで会社にいても、別に普通でしたし、むしろ「みんな残っているのに、お前は帰るんか?」くらいの雰囲気がありました。
よく10年でこれだけ働く時間を短くできたなと思いますが、働く時間を厳しく取り締まった結果、外注が増えました。働く時間が短くなった分、仕事の効率が上がったのかというとそうではなく、まずは時間を制限して、溢れた仕事は外注することにしました。
すると社員の仕事内容は以前よりも少なくなります。
働く時間を優先的に考えるので、外注せざるを得なくなったわけですから、今以上の取り組みはしなくなるでしょう。
すると社員は単調な仕事ばかりになるので、仕事がつまらなくなって、転職を考えるのかもしれません。
だったら仕事の効率を上げる取り組みをすればいいのですが、それまでにそういう取り組みはしてみたものの、あまり上手くいかなかったから、先に働く時間を規制したのかもしれません。
さらに最近では働く時間だけではなく、簡単に有給が取れるようになっています。
僕は体調が悪くても、有給を取りにくい雰囲気から、取りやすい雰囲気になって良かったと思いますが、その分、仕事のペースはさらに落ちるので、新しいことへのチャレンジは遠ざかるるでしょう。
スキル不足、転職増加、役不足に働く時間の制限はどれも繋がっているように思います。

そしてこの間、スーパーで買い物をしていて、いつも通りスマホでスーパーのアプリの開いて、ポイントカードを見せたときにふと思いました。
「こういうことをしているから、余裕がないんじゃないだろうか。」と。
先日、人口が1.2億人を切ったんじゃないかというニュースがありました。
日本は2011年以降、ずっと人口は減少傾向にありましたが、とうとう学校で習った日本の人口約1.2億人という数字を割ったかもしれません。
それくらい、人口減少が進んでいるのに、仕事内容は増えています。
例えばスーパーのアプリです。
ポイントカードなら、都度更新の必要はありませんが、スマホのアプリは都度更新が必要です。それもスーパー側が改良したくて更新するだけではなく、スマホがソフトウェアをアップデートするたびに不具合がないかの確認が必要になります。
僕らからすれば、ポイントカードを持って出るのを忘れることはあっても、スマホを忘れることはありませんので、アプリの方が便利だなと思うのですが、便利の背景にはそれ相応の人手が割かれています。

では、今までの社会で不必要になった職業があって、そこからアプリ開発へと人が移動したのかというと、そうでもありません。ただデジタル空間がプラスされているだけです。
人手不足、人口減少だというのに、職業を制限するどころか、必要な職業は増えているんです。
便利になればなるほど、便利を管理する人手が必要になってきます。

人口が増えている時代であれば、必要な職業が増えても、対応できるかもしれませんが、減っているときなら難しいでしょう。
かと言って何か新しい技術を取り入れなければ、今の社会を回すことすら出来なくなるでしょうから、人口減少に向けての新たな取り組みは必要でしょう。
となれば、今は今までの社会と人口減少に向けた社会の、両方が存在する社会ですので、人手不足になっても仕方ないのかもしれません。
そしてこれからも人手不足状態は続くでしょうから、スーパーのアプリとかセルフレジとか、そういう部分から次の社会をイメージしておくといいかもしれません。

化粧品研究者こまっきー

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