僕は自分が就活をした3年後に、転職した会社が新卒採用を始めて、その会社には人事部という部署がなかったので、就活の記憶が残っている僕が新卒採用に携わることになりました。
その時には会社説明会で司会と研究職についての説明をし、一次面接を担当しました。
就活をした3年後に、今後は採用する側になったので、就活生の緊張とか不安を理解しながら、取り組んでみました。
ここではその時に感じたことを書いています。
過去に2回、会社説明会についてと面接についてのブログを書きました。
最後は「何故これだけ練習しても、面接に受からないのか。」という話をしていきたいと思います。
そもそも僕は“何故?”と思うところから、勘違いしていると思います。
その勘違いの原因は就活までの道のりにあります。
僕たちの就活までの道のりは、基本的に受験用の勉強をして、点数が高い順に合格する。または一定基準以上の点数で合格出来る、資格が取れるという仕組みの中で育ってきました。
常に、“問いには正しい解き方”があり、ちゃんと解答出来れば、合格だったわけです。
正解が多い順に合格、入学出来たわけです。
ところが、就活は違います。
“自己PRと志望動機”には“正解”はありません。
大学受験では“問題”に対する解き方はどの大学でも同じでした。そして、“正解”も同じでした。どこかの大学だけ、全く違う数学の考えだったことはなく、「地球は平らである。」ことが“正解”になる大学があるわけもなく、“問いに対する正しい解き方”をすれば、“正解”が導き出されていました。
ところが就活は“欲しい人材”という基準に合わせて、採点基準があるにはありますが、これは会社ごとに異なります。つまり、“解き方”が違います。
同じ質問でも会社ごとに“解き方”が違うので、当然“正解”が異なります。
就活の面接はどこも同じで、自己紹介に自己PRと志望動機がベースになっているため、どこも同じ“解き方”だと錯覚してしまいがちですが、会社ごとに“欲しい人材”が異なるため、“解き方”や“正解”も異なります。
これは、今までの生活の中で既に体感しています。
大学生では、アルバイトの面接が1番わかりやすいでしょう。
“週3以上、ラストまで入れる人”という募集をみて、
「ラストまで入れません。」と言うと、採用されないです。
お店側も「なんで面接に来たんや?」と思うでしょう。
ラストまで入れないなら、“週3以上、18:00まで”のような自分に合ったバイトの募集に応募するべきです。
後は、応募人数が多ければ、より融通の効く人を選んだり、シフトには問題がなくても、その人の人柄で採用するかを決めます。
この感覚は就活のときの採用基準と同じようなものです。
もっと身近なところで言えば、友達付き合いも同じです。
友達付き合いには、“正解”はありません。こういうふうに接していれば“正解”なんてことはなく、冗談の通じる人には多少キツい冗談を言っても「なんでやん!」とツッコミが帰ってきますが、冗談が通じない人に同じことをすると、ひかれてしまいます。
そんなこと、当たり前だと感じるかもしれませんが、就活もそれと同じです。
就活はアルバイトの面接や友達付き合いと同じように、受験とは違う基準で判断します。
その基準は会社ごとに異なります。
採用人数より応募人数が多ければ、採用条件や人柄などから、その会社に合う人材を上から順に採用していきます。
ただし、就活とアルバイトの面接との大きな違いは、就活の場合“採用条件”が包み隠されていることです。
会社説明会で教えてもらえる採用条件や欲しい人材は、どこも同じでありきたりな言葉を並べているだけです。採用する側としては、欲しい人材は会社に合うか合わないかというフィーリング的要素が大きかったりするので、欲しい人材を明確に言葉にするのが難しいです。なので、どの会社も同じような言葉を並べます。
こういうことからも、就活生が大学受験と同じように取り組もうと勘違いしてしまうのかもしれません。
つまり、採用されるには“この会社に合う人材”だと面接官に思ってもらわないといけません。
例えば体育会系の会社ならば、体育会系の人が採用されやすいでしょう。
そういうのは、会社説明会に行ったり、実際に面接でのコミュニケーションを通じて感じないといけません。特に面接の際は、実際に会社で行われることが多いので、会社に行けば、人事部の人以外の社員を見ることができます。
人事部の人がみんな高学歴出身だと、学歴重視かもしれません。
会社に行ってみると、みんなキレイでかっこいいと顔採用かもしれません。
面接官がゆるい感じだと、そういう人を求めているのかもしれません。
実際に僕は、会社に入ってから「思っていたのと違う。」と思って早期退職されるのを防ぐために、普段の研究所の雰囲気を出すような喋り方を心がけていました。
会社に入ってから「この人、面接の時と全然違うやん。」と思われるのは、あまり良くないのではないかと考えたのです。
会社には色んな人がいますが、結構共通点があるものです。
それは学歴であったり、ビジュアルであったり、雰囲気であったり、なにかと近いものがあります。
その共通点が隠された採用条件であり、“欲しい人材”の詳細です。
なので、採用されるには、“欲しい人材”に当てはまらないといけないのです。
“欲しい人材”を知るには、会社のことを出来るだけ詳しく知らないといけません。
それはHPに書いてあることとか、会社説明会で聞いたことではなく、実際に会社説明会や面接を通して、自分が社員の人と話して、感じないといけません。
その時は感じる余裕がなくても、次があるなら、面接の時を振り返って、どんな社員だったのかを考えてみましょう。
そして自分のアピールポイントの中から、“欲しい人材”に近いポイントを面接でアピールします。もしくは“欲しい人材”にみえるように、言葉を選ばないといけません。
同じような自己PRでも、微妙に言葉を変えて、“欲しい人材”のアンテナにひっかかるような言葉に変えた方がいいでしょう。
これは、特定のアーティスト、例えばYOASOBIが好きな人に「音楽が好き。」と言うのと「YOASOBIが好き。」と言うとでは、相手の反応が変わるのと同じことです。
しかし注意することは、自分をその“欲しい人材”に無理やり寄せてはいけません。
1年後に入社して、月曜から金曜の5日間、1日中その会社で働くのです。
無理やり寄せた自分で採用されると言うことは、自分には合っていない会社に採用されたことになります。
なんだかんだで会社には共通の空気感を持った人が集まりますから、無理して寄せて採用されると、地獄の毎日となります。
なので会社の“欲しい人材”のポイントを知った後は、自分がその基準に当てはまるかを考える必要があります。
もう既に一次面接が終わった後でも、“欲しい人材”という基準を考えて、自分に合うのか考えてみるべきです。
僕が就活生だったとき、すごくフランクな面接を経験しました。
上下関係を気にしないというの面では僕の性格にすごく合うように思いましたが、面接のなかで、この会社はノリを重視しているように感じました。僕にはそのノリの部分が合わないと思いました。なんとなく、面接中の会話でも微妙にズレがあるように感じていると、やっぱり面接は落ちました。
またグループディカッションの選考がありました。グループごとに1人の面接官が立ち会っていました。就活生の中には、とにかく仕切っていこうとする人、めちゃくちゃ喋ってアピールする人、上手く前に出れない人、様々でしたが、僕はその間に入ってみんなの意見を聞きました。というか、皆が「私これやる!」と次々役を取って行ったので、その中で必要だけど誰も選ばなかった役がみんなの意見を聞く役だったんです。すると、次の選考に進めました。その時の状況で必要な役を選択したことが買われたのだと推測しています。
グループディスカッションの時は協調性があったりまとめ役になれば良いと言う話を良く聞きますが、この経験からその会社の“欲しい人材”の基準に、協調性やまとめ役は優先されておらず、状況判断が優先されていたのではないかと考えられます。
またもうひとつ、グループディカッションの選考がありました。そこでは、とにかくアピールする人が選考に進みました。人の意見を横から奪っていたその子がなぜ選ばれたのか不思議でしたが、その会社の営業はそれくらいの押しが必要とされていいることを後々業界に入って知って、数年後に納得しました。
さっきと真逆で、僕には不向きな選考であり、僕には向いていない会社でした。
僕が新卒で入社した会社の面接は、1次の後はSPIと面接が2回ありましたが、1次面接の時点で採用されると思っていました。それくらい、フィーリングで感じるものがありました。
最後に、僕が転職した時の話も参考になると思います。
転職のときには「なぜ一部上場企業から、うちみたいなところに面接に来たの?」と聞かれました。そこで、正直に研究がしたかったことと、研究だけじゃなく営業や企画など幅広く仕事がしたい。と答えると、「うちはそういう人を探していた。今そうやって動いているのはもう50代で若手がおらんくて・・・」と会社の現状を話し始め、「それやったら僕がやりたいです。」とその日のうちに採用が決まりました。
新卒では流石にこれはないと思いますが、これが“欲しい人材”にピッタリあって採用されるわかりやすい例です。
面接は、コミュニケーションです。
会社は“会社に合う人”を探し、就活生は“自分に合う会社”を探します。
会社の基準も様々なら、就活生の基準も様々で、正解は無限です。
そして当然のように、面接官によっても感性は違いますので、面接官によっても正解は微妙に異なるでしょう。
就活は受験のように決まった“解き方と正解”はないんです。
それはつまり、就活の第一志望に受かるか受からないかは、相性とその時の運ということです。
だからこそ、“これだけ面接の練習をしたのに何故?”と悩んではいけません。
練習は自主練、本番は相手がいます。そして採用人数が決まっています。
なので正直、第一志望というのを決めないほうがいいと思います。
決めるのは会社側ですから、行きたい会社の中から、自分に合うと思う会社を会社側に決めてもらう。というスタンスで面接に望むといいかもしれません。
僕はそうしていました。
そして自分も面接というコミュニケーションの中で感じたことを振り返っておくことで、複数の企業から採用されたときに、どこの会社に就職するか選べるでしょう。
しかし、出来るだけ自分が希望する会社に入るには、
会社のことを知り、自分が会社に合う人材であることをアピールする必要があります。
それだけは忘れては行けません。
是非、これからの就活の参考にしてください。
過去の就活の記事も参考になると思いますので、まだ読んでない人は過去の記事も読んでみてください。
化粧品研究者こまっきー
↓こちらへどうぞ↓